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子育て ときどき絵本

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毎日の読み聞かせはもう卒業しましたが、うちの娘たち、3歳違いの姉妹、セイとゴマのエピソードと一緒に、 大好きな本を紹介します。
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記事一覧

[絵本]カロリーヌつきへいく

娘たちへの読み聞かせに熱心だった頃、
日本橋丸善近くで働いていました。
お弁当でさっと昼を済ませ、
広大な絵本売場で次の本を吟味。

自分が読んでいない本も幅広く選ぼうと、吟味していましたが、子供のときに大好きだったカロリーヌシリーズに再会!
これはもう大人買いしてしまいました。

私が子供の頃は、小学館「世界の童話シリーズ」紙箱に入った白い表紙の全集の一冊。
似たような背表紙が20冊程度本棚にあ

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[絵本]チリとチリリ はらっぱのおはなし

女の子二人の小さな冒険物語。とはいっても、舞台は原っぱ、のどかなお話です。
「チリ、チリリ、チリ、チリリ」二人の名前をリズミカルに繰り返しながら頁ををめくると、何だか楽しくなってきます。

チリとチリリは自転車に乗って、はらっぱへ。いつのまにやら、二人は小さくなり虫たちの視線。虫たちは、勤勉に働いています。
ハナバチの製造する『はちみつボールカステラのはなびらちゃきんつつみ』に始まり美味しそうなお

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[絵本]スイミー

子供の頃、この本は苦手でした。次女が持ってきたので再会し、印象が変わりました。

小さな赤い魚たちが群れで暮らしています。その中で1匹だけ真っ黒なのがスイミー。ある日、群れごとマグロに呑み込まれ、逃げ切ったスイミーは、ひとり海をさまよいます。さびしくかなしく泳ぐうち、見たこともない海の生物に出会い、段々元気が出てきます。くらげ、いせえび、海藻の森、うなぎにイソギンチャク。。

やがてスイミーは仲間

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[絵本]ふたりはいっしょ

がまくんとかえるくん、2匹の蛙の静かな日常がユーモラスに綴られているシリーズですが、何故か切なくて心がきゅっと締め付けられる作品です。

なぜでしょう?
お話ごとにあらすじを並べてみます。

『予定表』がまくんが予定表に縛られてしまうお話。かえるくんは何も意見せずただ寄り添います。
『はやくめをだせ』かえるくんの素敵なお庭を見て、がまくんが自分の庭を早く発芽させるために孤軍奮闘するお話。もちろん最

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[絵本]ねえさんといもうと

ある小さな姉妹の日常を通して、その関係性の微妙なバランスを描いた素敵な本です。
大ヒットした『アナと雪の女王』も、『能力が高いのに臆病で暗い姉を、明るく元気な妹が助けるお話』という面がありますが、似たようなテーマだと思います。

姉は、長子であることに加えて、母になる性であることから、小さいお母さんを求められがちです。その責任感が、長女たちを他のきょうだいを仕切る堂々とした性格に育てるのですが、あ

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[絵本]じてんしゃにのるひとまねこざる

黄色い表紙の人気シリーズより。黄色い帽子のおじさんと暮らしている子猿のジョージが、無邪気に騒動を引き起こし、なぜだかうまい具合に毎回収まるお話です。

ジョージはこの本でも、無邪気にやらかします。おじさんから自転車をもらい、無邪気に乗り回し、新聞配達を手伝うはずが新聞は全て舟にとして川に流れ、自転車もパンクします。落ち込むときは素直に落ち込み、あっという間に立ち直る彼の魅力は、次のページに凝縮され

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[絵本]ラチとらいおん

ちょっと本棚に飾りたくなるような、すっきりした黒表紙と控え目な大きさの素敵な装幀です。もちろん内容は数十年読みつがれた名作、内気な子供たちのバイブルでしょう。

主人公はラチという男の子。たいへん弱虫で、お友達さえこわくて一人で本を読んで過ごしています。そこに赤い小さなライオンが、ラチを強くするためにやってきました。

つよくなるのには、まず たいそうを するんだよ。こんなふうにね

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[絵本]ペネロペのおかいもの

テレビアニメ化もされて大人気のシリーズ絵本です。キャラクターグッズもたくさん売りだされているので、色鮮やかな可愛らしい主人公を目にしたこともあるのではないでしょうか。

主人公はフランス生まれのコアラの女の子。なぜか鮮やかな水色をしていますが、印象派の絵のような渋くて深いヨーロッパの背景にとてもよく映えます。
「うっかりやさんの」ペネロペと名乗っている通り、未就学児の中でもとりわけ自由に生きている

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[絵本]ズボンのクリスマス

もうすぐクリスマスですね。楽しくも気ぜわしい季節がやってきました。子供が小さいうちは特に大変です。寒くて体調を崩しやすいし、忘年会の誘惑をやり過ごさねばならないし、年末に迫った仕事の締切にまっしぐら。しかも子供たちに素敵なクリスマスやお正月の思い出を作りたくて大奮闘します。

なのに、小さい子供たちはこちらの気も知らず、好き勝手をするのです。渦中の親は必死、達観できず、せっかくの機会を台無しにして

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[絵本]にぐるまひいて

読み聞かせながら人生をふと考えてしまう1冊です。百年と少し前のアメリカの開拓時代が舞台で一家の生活が淡々と描かれます。

父さんが荷車に一家で1年に生産したものを乗せ、何日もかけて市場に行きます。荷車やそれをひく牛まできれいに売り、歩いて帰ります。そしてまた、野菜や果物を育て、牛や羊やガチョウを飼い、屋根板を切り出し、楓砂糖を煮詰める毎日が続きます。

木版で描いたという絵が素晴らしく、心を落ち着

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[絵本]にんじん

小さい子がくぎ付けになる有名な絵本シリーズからの紹介。片手サイズの薄い正方形の本に詰まった切れ味のよい文章に、切り絵のような描画、親も楽しく読み聞かせできること間違いなしの1冊です。

野菜が少し苦手な子へ贈る絵本なのでしょう。まずは、色々な動物が次々現れて、人参を美味しそうに食べます。愛嬌ある動物たちに、子供たちはわくわくです。
1~2歳から楽しむ本なので、すぐに私の大好きなクライマックスがやっ

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[絵本]せきたんやのくまさん

毎日がジェットコースターのような子育ての日々、子供達を布団に入れて絵本を読む時間が、毎日の締めくくりになります。

この本は、短いながらもあっという間に子どもたちの心を鎮めてくれますので、大変重宝しました。

あるところに、せきたんやのくまさんが、たったひとりで すんでいました

から始まり、平易な文と可愛くもリアルな絵で、くまさんの日常が淡々と描かれます。
馬は「ぱかぱか ぱかぱか」走り、くまさ

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