[絵本]ペネロペのおかいもの

テレビアニメ化もされて大人気のシリーズ絵本です。キャラクターグッズもたくさん売りだされているので、色鮮やかな可愛らしい主人公を目にしたこともあるのではないでしょうか。

主人公はフランス生まれのコアラの女の子。なぜか鮮やかな水色をしていますが、印象派の絵のような渋くて深いヨーロッパの背景にとてもよく映えます。
「うっかりやさんの」ペネロペと名乗っている通り、未就学児の中でもとりわけ自由に生きている部類の子供です。

ペネロペはお母さんとお買い物、まずは小包を取りに行こうね、と出発したところ、早速迷子!でもそんなことで彼女は動じません。

あれれ、ママがいなくなっちゃった!
わたし、ママと はぐれたみたい
こづつみの おみせにいって ママを まってよう。

いや、いなくなっちゃったのはママでなく、君だし。大人の呟きを知る由もなく、ペネロペの大冒険が始まります。
小包を探し求めて色々なお店を回り、礼儀正しく挨拶して、何やらお土産をもらって店を出ます。私が好きなのは3軒目、薬局。

こづつみ ないわよ。
くすりやでうっているのは
くすり、ほうたい、はみがきこ。
はぶらしを あげましょう。
まいにちみがいてね。

もちろん!

なんとたくましいことでしょう。歯ブラシ頂いたら歯を磨かないとね。最後にはママに会えてめでたしめでたしです。
動物の店員さんと素敵な店先が、落ち着いた色調で描かれて、街全体がペネロペの小さな冒険を見守っている感じが、シリーズ初期作でも際立っている本です。

ペネロペの本を始めて読んだとき、私は、次女ゴマがここにいる!と本屋の棚ごと買い占めそうでした。

この本を一緒に読んでから数年後、ゴマは小学生になります。何度言っても時間割を準備しないので、ある日理由を聞きました。
「毎日全教科持っていっているから、時間割は必要ないんだ」

そうですか。。

さらにゴマは身体が小さいこともあり、登校中、ランドセルが重くてひっくり返ったらしい。それでも、
「ランドセルがあるから頭打たないんだよね。便利だわ。」

まあ、多少独創的でも、元気に明るく自分の頭で考えていれば、きっと道は開けると信じて見守るしかありません。ペネロペがうっかりやさんでも、皆に好かれているように。

☆☆☆
ペネロペのおかいもの
アン・グッドマン 文
ゲオルグ・ハレンスレーベン 絵
ひがし かずこ 訳
岩崎書店
出版年月 2006年2月

http://www.iwasaki-penelope.com/ehon/ohanashi/5.htm

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