[絵本]ズボンのクリスマス
もうすぐクリスマスですね。楽しくも気ぜわしい季節がやってきました。子供が小さいうちは特に大変です。寒くて体調を崩しやすいし、忘年会の誘惑をやり過ごさねばならないし、年末に迫った仕事の締切にまっしぐら。しかも子供たちに素敵なクリスマスやお正月の思い出を作りたくて大奮闘します。
なのに、小さい子供たちはこちらの気も知らず、好き勝手をするのです。渦中の親は必死、達観できず、せっかくの機会を台無しにして!と怒りが抑えられない場面がやってきます。それが、この本の舞台です。
主人公のもっくんは、クリスマスパーティーに出かける支度をしようとしません。そこで家族はもっくんを置いて出かけてしまいます。すると、パーティーへ行きたくてたまらないズボンが、もっくんをつつき、家を飛び出します。慌てて追いかけると、ズボンに導かれておじいちゃんおばあちゃん家に一番乗り!良かったね。
他愛のない話ですが、手のひらサイズの小さな本に、ズボンを追いかける姿がひょうきんに描かれていて、子供たちは大好きです。
林明子さんの作品は、子供の世界が子供の目線でリアルに描かれていて大好きですが、尊敬するのは、いつも出てくる大人が子供を一人前に扱っているところです。
「したくのできないこは、おいていこう」
このお父さんの毅然として格好良いこと。私は子供にべったりしてしまうので、未就学児をこんなに一人前に扱えませんでした。
長女セイはショッピングセンターに出かけると、自分の行きたいところに親を誘導しまくります。たまったものではないのが、人混みの嫌いな次女のゴマ。限界が来ると、ゴマは何度も行方をくらませるので参りました。探すうちにどんどん心配が募り、やっと見つけた娘たちを怒鳴ってしまったことも。
迷子センターで毅然と待てばよかったかもしれませんが、ゴマは小さくて可愛くて、いつも手もとにいてほしい。。駄目母です。
小さな絵本にも子育てのヒントが詰まっていますね。
☆☆☆
ズボンのクリスマス
林明子 作
福音館書店
出版年月 1987年10月
https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=231
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