[絵本]チリとチリリ はらっぱのおはなし

女の子二人の小さな冒険物語。とはいっても、舞台は原っぱ、のどかなお話です。
「チリ、チリリ、チリ、チリリ」二人の名前をリズミカルに繰り返しながら頁ををめくると、何だか楽しくなってきます。

チリとチリリは自転車に乗って、はらっぱへ。いつのまにやら、二人は小さくなり虫たちの視線。虫たちは、勤勉に働いています。
ハナバチの製造する『はちみつボールカステラのはなびらちゃきんつつみ』に始まり美味しそうなおやつを作っているのです。

虫たちは可愛らしく、しかも絵本の禁じ手(と私が勝手に思っている)吹き出し台詞を呟きます。ユーモラスな雰囲気です。
どれも優しく素敵な絵ですが、なかでも草花が生き生きと描かれていて、晴れた春の日の原っぱに座り込んでいるような気持ちになるような場面が続きます。

次女のゴマは、植物が大好き。大きくなった今は、虫が嫌ですっかりご無沙汰ですが、小さい時はよく祖父の庭仕事を手伝い、『植物の栽培を教育しそびれた』と嘆く私の父を大喜びさせていました。

公園にいくと、雑草の前にしゃがみこみ、静かに遊んでいる小さなゴマの後ろ姿。似たような花の種類も葉っぱの形も、いとも簡単に見分け、びっくりさせられます。本当に好きなのでしょうね。

チリとチリリは、そんなゴマのお眼鏡にかなった絵本。はらっぱの草花を、ただ眺めるだけでも癒されます。

☆☆☆

チリとチリリ はらっぱのおはなし
どい かや 作・絵
アリス館
出版年月 2007年6月
http://www.alicekan.com/books/978-4-7520-0371-7.html

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