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学校部活動は完全地域移行でいいのか?

学校部活動に動きが

中学校や高等学校で行われている部活動

これが、スポーツ庁によると、
まず、令和5年度から3年間を目途に、
休日の運動部活動を段階的に地域移行していく
という動きがある

その後は、進捗状況や地域の実情を踏まえながら、
できるところから平日の運動部活動の地域移行にとりくんだり、
更なる改革を推進したりしていくようである。

現在の学校部活動の概要や制度、その課題


・学校での部活動は、顧問の先生がいないと活動できない
・顧問になる先生は、その部活の分野の専門の方もいれば、専門でない方もいる
・日々の多大な業務量に加え、部活動をみる・みないの選択肢がなく、強制的に残業をせざるを得ない状況
 部活があることで、残業をせざるを得ない状況
・部活動の正顧問や副顧問を選択できる制度はある
(「顧問を引き受けない」という選択はない)
・部によっては、活動をする場所が十分でないところもある
・部活動の時間は授業が終了した後、夏季は19時前まで、冬季は17時頃まで、休日は3時間程度であり、大会がある場合は半日や1日かかることが多い。
・休養日の設定として、平日は1日、土日はどちらかを休養日にするようになっている。(自治体により異なる)
・教員への部活動指導の手当は、平日は0円。休日は1日3,000円~5,000円。(これも自治体により異なる)

学校での部活動を進めていくには、学校や地域などによってはパンク状態・パンク寸前。

僕は卓球が専門だったが、
テニスやハンドボール、バスケットボール部に携わったこともある

こどもたちと一緒に練習したり試合を観たりしていると、そのスポーツの面白さも分かってきた。もっと知りたいと思ったこともある。

でも全員の先生がこう思うようになるとは限らない。

だから、学校部活動の現在の制度は見直しが必須であり、地域移行への改編とも合わせて、子どもたちがスポーツや文化に触れることで人生を豊かなっていくための手段をしっかりと考えないといけない。

やはりネックなのは、人材の確保だろう。
人材を確保する上で人件費はかかり、政府側からすると、そんなにお金をかけられないと思うであろう。

しかし、もっとそこにお金をかけるべき!
むしろ、お金かけなさすぎ!
だと個人的に感じている。

そして、教員の雇用や業務を3タイプに分けると、
指導する顧問がいない部活動はどうなる!?
という課題が見えてくるだろう。

そもそも
各学校では、各部の顧問を無理に位置づけようとしている現状がある。
(例) テニス専門の顧問がいなくなったら、部活の存続のために専門でない先生を顧問に当てはめている というように

その分野の専門でない(部活の指導をしたくない)先生にとっては、残業代も出ない中で、勤務時間外に部活動指導に従事しないといけないという課題が起こっている。

自分の好きな教科を指導したくて先生になった方もいれば、
専門のスポーツを指導したくて先生になった方もいるが、
後者の割合は少ない。

すべての部に専門の先生がいるわけでもなく、学校単位で活動する・部を維持するのも限界、無理がある。現在いる人たちで何とかなるという安易なことではない。


外部指導者を配置

人材確保を進めるために、
外部指導者を配置している学校や自治体もある。

外部指導者は、放課後の部活動の時間、教員の代わりに専門的な知識や技術の指導に携わってくれる存在となっている。

彼らは、日中は別の仕事や活動をされ、部活動の時間に合わせて指導してくださっている方もいる。

外部指導者を依頼する際は教育委員会への申請の手続きも必要である。

指導してくださる方が来てくれるので、それでよいのでは? 
でもなかなか改善が進まない理由は?
という視点も出てくる。

しかし、実際、顧問である教員がいなければその部は活動することができない。
大会等の出場の手続きは教員の仕事となっている。
つまり、教員が子どもに知識や技能の指導をしてもしなくても、活動が終わるまで帰宅することはできない。部活動に関連する業務は残されたままである。

また、その部の方針や活動に関して、教員側(学校側)と外部指導者側との間で異なる場合に、悩みや課題が起こったり、やりづらさを感じることもある。

外部指導者を配置して人材を増やしたとしても、必ずしも教員の負担が減ることはほとんどないのが現状である。

子どもたちがスポーツや文化に触れる機会や環境を持つために考えるべきこと

ここまで述べてきたことを改めて考えると、

学校での部活動を進めていくには、学校や地域などによってはパンク状態が続いている。

日々の多大な業務量に加え、部活動をみる・みないの選択肢がなく、強制的に残業をせざるを得ない状況となっている。

すべての部に専門の先生がいるわけでもなく、学校単位で活動する・部を維持するのも限界、無理がある。

学校部活動制度を継続するならば、各学校の各部活動に1人ずつ付き、短時間の業務を担ってくれる人材が必要であるが、その十分な人材はいるのか!?

人材も確保され、教員の負担が増えないようにしつつ、子どもたちもスポーツや文化を楽しむにはどうすればいいのか!?

教員側に部活動をみる・みないの選択肢があり、業務が分担される体制づくりがまず必要だと考えている。つまり、教員を以下の3タイプの業務体制もしくは雇用に分け、教員に選択権を与える制度を整えることだ。
①教科指導のみ
②部活動指導のみ
③教科指導も部活指導もする

しかし、現在の教員の数をもって、この3つに分けたとしても、人材は全く足りないのが現状である。

部活動制度を改善していくために、国の動きとして、スポーツ庁は「完全地域移行への指針」を出している。
・令和5年度から3年間を目途に、休日の運動部活動を段階的に地域移行していく。
・その後は、進捗状況や地域の実情を踏まえながら、できる所から平日の運動部活動の地域移行に進めたり、更なる改革を推進したりしていく。
と述べている。

改善の兆しは見えてきてはいるが、
地域移行をしていくにも、地域での人材や場所の確保が可能であるのか。。それに充てる資金も十分にあるのか。
平日での学校での活動と休日での地域での活動との接続や連携はうまくいくのだろうか。

学校部活動を完全に地域委託し、地域の人材や場所ですべて賄っていくことも現時点で現実的ではないように思える。

学校部活動を維持し、子どもたちがスポーツに触れる機会を持たせたい)のであれば、行政は各自治体で、スポーツ・文化の指導に携われる人材や場所がどのくらいあるのか実態把握をし、その人材と場所を確保するべきだと僕は思っている。
例えば
学校で理科の指導が必要ならば、理科の先生(人材)と理科室(場所)を確保するのと同じようなことである。

そして、
授業時数を減らし、放課の時間を早め、学校単位での部活動を強制せず、近隣校の子どもたちが集まって、学校もしくは地域の施設を利用して活動できるように緩和するなど、学校側の業務体制も改善していく必要がある。

つまり、
学校と地域が協働して教育環境・活動環境を整え、提供することが必須になるのではないかと思っている。



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