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詩集『よすけ』

33
書いた詩をまとめています。見たもの、思ったこと、聞いたこと、そういうものを拙い言葉で綴る。
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#物書き

だんまり

だんまり

 好きなように書きたいと思って
 ここに来たけど

 別に書きたいわけじゃないかもしれない

 恥ずかしいようなことを
 恥ずかしげもなく書いて放って
 あとで恥ずかしくなっちゃって

 そんなことを毎日やっている時は
 最低限の飾りでも表に出した

 書きたいは書きたいのだけど

 見せようとしなくなった途端に
 書くことすらどっちでもよくなった

 書きたいじゃなくて見せたいだけか
 そりゃそ

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立ち直る

立ち直る

見る方向を変えられるって大事。

疲れた時。
落ち込んだ時。
ショックを受けた時。

そういう時は一つの方向しか見えないもの。

人から言葉をもらう。
自分で気がつく。
時間が経つ。

だんだんと。
ある時いつの間にか。

今までと違う方向から見られるようになる。

うん。
明日からまた笑えるね。

よかったよ。

〈自由詩〉行列の一番前

〈自由詩〉行列の一番前

書きたいシーン
書きたい風景
書きたい人
書きたい心の動き

行きたい場所
見たい景色
食べたいもの
知りたいこと

いつまでもやまない
どうしても消えない

時間がたりない
待ってくれない

なにも手につかない

〈自由詩〉空っぽ

〈自由詩〉空っぽ

 空っぽ。

 何かはあるのに何もない。
 何か出そうにも何も出てこない。

 書いては消して。
 開いては閉じて。

 日が暮れて、
 夜が明けて、
 繰り返すだけ繰り返す。

 言いたいこと。
 伝えたいこと。
 書きたいこと。

 あるよ、あるある。たぶんある。
 たぶん思いきり放ちたい。

 言いたいこと。
 伝えたいこと。
 書きたいこと。

 本当はどうでもいいかもしれない。
 心に留

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〈自由詩〉たとえば

〈自由詩〉たとえば

 もしもね、

 お金持ちだったら
 宝くじが当たったら

 一日が三十時間だったら
 時間を自由に使えたら

 力持ちだったら
 背が高かったら
 足が速かったら
 人気者だったら

 もう少し優しかったら
 人の気持ちが分かったら

 本当のことを言えたら
 嘘のままにできたら

 あの時に戻れたら
 楽しみがすぐに来たら

 もしもだけどね、

 欲しいものが多すぎる
 やりたいことが多すぎ

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〈散文詩〉あいたい

〈散文詩〉あいたい

 会いたい、会えない。

 会いたい、会いたくない。

 分かってほしい。

 分かってよ。

 分かるわけない。

 分かってたまるか。

 向きあう、向かいあう。

 向き不向き。向こう見ず。

 何も知らないくせに、知ったふうな口をきく。

 ずけずけと、ずけずけと。

 そのやさしい瞳で。そのやわらかい手で。

 いたい。

 隔たりに。傷口に。触れる。

 会いたい、会いたい。

 会い

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〈散文詩〉スポットライト

〈散文詩〉スポットライト

 暗いここは、悲しい、苦しい、嫌。
 明るいここは、嬉しい、楽しい。

 それなら明るいところがいい。
 だから選んだ。

 するとみんなが見ている。
 視線を感じる。

 こっちからは誰が見ているかわからない。
 どう見られているかもわからない。

 それが怖くて動けなくなった。
 笑われている気がする。

 嬉しいはずの、楽しいはずの、ここが。
 たまらなく嫌になる。

 だから明かりを消した

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〈散文詩〉何者かになりたかった

〈散文詩〉何者かになりたかった

 小さな頃は歌うのが好きだった。
 歌うのは今も好き。
 だからと言ってうまいわけではない。

 小学生の時は学校で一番足が速かった。
 県の大会では予選落ち。

 チームの中でもサッカーが上手だった。
 地域の選抜では補欠。

 自分だけができること。
 周りもどんどんできていく。
 追い抜かれる。

 将来の夢なんてなかった。
 周りを見て大人が喜びそうな言葉を選ぶだけ。

 みんなの方が大き

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