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【雑感】ロングテールと人材業界の今後について

一つの業界で起きた現象は、他業界の変化にも関連している。現象を構造的に捉えていくと、類似していて面白いかも!?

ということで、Amazonがなぜ成功したのかという文脈でよく語られる言葉である「ロングテール」という言葉と人材業界の変化について考えてみた。

▽ロングテールの意味とは

ロングテールとは、インターネットの特徴を捉えながら、Amazonが小売店鋪の抱える課題を解決したことをわかりやすい表現で説明している言葉。

商品を売り上げ順に並べていくと、相対的に少ない数の上位商品(ヘッドと呼ぶ)にかなりの売り上げが集中し、以下、売り上げの少ない商品が尾(テール)のように長く続くが、直接的にはその尾の部分を指す言葉。それが転じて、そうしたニッチ(すき間)的商品をまとめて効率的に扱うことで利益を確保するという論理をいう。店舗型の小売業では、ABC分析(売上高の大きい順に商品をA、B、C3つのランクに分け、Aランクの商品を重点的に管理するための手法)などをもとに、できるだけ「売れ筋商品」を在庫し、販売しようとするが、ほぼ無限の売り場スペースと、安価な倉庫を在庫スペースとして持つことができるオンライン小売業などでは、逆に競合店の少ない中で、「死に筋商品」を積極的に扱って利益を上げることができる。もともとは米国の「Wired」誌(2004年10月)の中で、編集長のクリス・アンダーソンによって提唱されたといわれている。

「コトバンクより抜粋」
※ちなみにこのクリス・アンダーソンという方が書いた書籍はどれも非常に面白い。最後に書籍を紹介。

インターネット普及以前、小売店舗では商品展示における店内スペースなどは物理的な制約を受けていた。それがインターネットの普及に伴い、場所性を超越し、物理的なスペースの制限を受ける事なくなり、これまで店頭に置けなかったニッチな商品を扱える(表示できる)ようになった。
もちろん、IT化により在庫コストの削減や無店舗という形態による効率化も寄与している。

▽ロングテールと人材業界における今後について

テクノロジー導入以前、転職に対する求人の紹介は、キャリアアドバイザーからの手渡しでの紹介が主であった。求人を紙で渡し、紹介するという形。
そのため、一度に紹介できる量には、「物理的な」制限があった。

本来は、インターネットの普及に伴い、物理的な制限で紹介しきれなかった求人が紹介できるようになっている。
例えば、以下。


 ・ユーザーが直接検索する
 ・応募のレコメンドで紹介される
 ・WEB上でCAが求人を紹介する

おそらく以前に比べると、相対的に一人当たりの求人紹介数は伸びている。
いままで紹介しきれなかった求人がユーザに届いている可能性が高い。

一方で、人材会社としては、Amazonの戦略に習うのであれば、より多くの顧客から多くの求人をいただけるのかが重要になっていくのかもしれない。

一部の人材会社には、営業戦略上、一部の企業に傾斜を行う企業もあるらしいがテールの部分となる求人をより多く紹介できる人材会社が今後優位性を持つのかもしれない。


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