考える

【雑感】「考えることはなにか」を考えさせられる書籍ー知的複眼思考を読みましたー


▽前置き

「社会人になったばかりに自分で考えてアウトプットするとはなにか」

を考えるうちに、本書に出会い数年前に読んだ。

久しぶりに本棚に眠っていた本書をとり、再読。

改めて良い書籍だなと感じたのでまとめてみたい。

以下のようなことを一度でも言われた事がある人や、誰かが言われているのをみてひやっとした経験がある人は読んでみると学びがあると思う。

・考えが浅い

・正論が多い、べき論が多い

・抽象的な事ばかりで、なにを行っているのかよくわからない。

・意見がない、何か意見をほしいと言われたときに肯定的な意見しか言わない


自身の考え方のクセをメタに認知して、考えを進めるときに相手の主張に対して、問いの立て方を変えてみたり、本当にそうなのか?などのツッコミをいれていくことで、複眼的に考えるきっかけにすることができると思う。

▽ポイント

①インプット情報は常に批判的に読む
新聞/書籍/WEB記事/MTGの発言などに対して、以下を注意すべき。

・相手の最も言いたい事はなにか?
・事実と解釈を切り分けているか?
・隠れている前提はないか?
・本当にそうか?
・統計元のサンプル数/サンプルの偏りはないか?
・自分の身近でいう具体例はあるか?
・論理の飛躍はないか?

上記の批判的な視点でインプットした上で、どのように論理を展開すればよいのか?を考える事。

主に学問的な思考についての書籍だが、仕事でも勘所は一緒に感じる。
批判的な意見を出す人は、仕事でも重宝されるけど、批判のみの人は正論ばかりでなにをやらない人という形で煙たがられるようになるので、代案を出し、事業や組織を良くしていきたい想いは同じであることをだすことが大事そう。

②利害関係者の意見を想定して考えを深める

一つの主張について、利害関係が異なる関係者の立場から批判や反論を行い、一人ディベートすること。

顧客/上司/社内の関係者などを想像して、自分がこのような提案を行ったら
多分◯◯なツッコミをうけるだろうなーとそれぞれ立場別に考えることで論理の甘さが見える。

③因果関係を見定める事

因果関係があるという状態には3つの条件がある。

①原因と結果が、時系列になっているか(原因の時間的先行)
②原因と結果がともに変化している事(共変関係)
③原因以外に重要だと思われる要因が結果に影響していないか(他条件の同一性)


たとえば、「英語ができる人は年収が高い」という広告などによくできてくる主張などは、因果関係がないと思う。

英語ができることは、一定レベル以上の大学卒という可能性が高く、「高学歴であること」や「企業規模が大きい企業に就職している事」などが影響している可能性がある。

▽最後に
本書を再読し、改めて認識したのは

「大学での論文の論の立て方や問いの立て方が複眼的に物事を捉える基礎」になっていること。

仕事の中における自分の考えを持つ事や、他の人の考えに対して意見をすることの練習になっていたと思う。

能力の優劣ではなく、思考の訓練を積んでいたかなのかと思う。

大学で勉強することに意味はないという方はおそらくこの思考のアナロジーを体感したことがないのかもしれない。


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