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兄妹げんかを卒業させるまで

兄妹げんか、、、家庭から穏やかさを奪うものだ。我が家は5人家族だ。そのうちの二人が毎日のように言い争いをしている。しかも年齢は13歳と5歳だ。年の差があれば兄妹げんかが少なくて済むと思っていたがその願いははかなく散っている。

金融教育に取り組んで9カ月がたった

金融教育に取り組み、中学1年の長男はすでに9カ月が経った。

初めの頃は手探りだったが、今では順調に教育が進んでいる。最近特に進んだと感じるのは、長男の中で日々手にする少額のお金が積み重なれば大きくなるという実感が伴うようになったことだ。

金融教育を始めた当初は一つの作業タスクに対し数十円という金額設定がひと月も経てば数円円に膨らむという事を理解している様子はなかった。しかし今は数十円の作業タスクと毎日やれるだけこなせばひと月3000円とか4000円になることを体験的に理解するようになった。

作業タスクに設定されている金額は20円とかだ。しかし中には50円の作業タスクもある。

しかし20円やら50円やらは子供にとってでさえはした金と感じるだろう。駄菓子屋に行くのだって100円くらいないと十分には買えないからだ。

しかしながら、彼にとってはした金ととらえるであろう50円のタスクは今では取り組むのに価値があるタスクと考えられるようになった。なぜならば1回50円という事は毎日こなせば月1500円にもなるのだ。中1にとってお小遣いが数千円もらえてれば良い中、1500円は大きいということを彼も理解しだしたのである。

新しい作業タスクが生まれる

さて本題に戻るが、中1男子である息子は金融教育に取り組み始め、勉強は本当に取り組めるようになった。「朝勉」は習慣化され、夜に私とやる「暗記科目」もペースがつかめてきた。そして投信も買い、値段の浮き沈みも体験学習している。さらにはメルカリでカードを売って稼ぎたいと言い出し、さらにはお金を「使う」という事も経験値を重ねている。

そして先週の金曜日の事だ。毎日絶えない兄妹げんかを作業タスク化してみたらどうだろう?という考えに至った。喧嘩が始まりそうなタイミングで瞬間的に沸いた考えだったので実験的にやってみるという提案ではあったが、中1男子の長男に、妹から喧嘩を売られても買わない、そして一日兄妹げんかをしなかったら50円「稼ぐ」事ができるという提案をしてみた。

兄妹げんかがおこるきっかけは幾通りかあるが、中1男子の長男は5歳児の妹の「言い分」が気に食わない。そもそも5歳児の言い分は筋が通らず、そこに理屈などない。しかし理屈っぽい中1男子のお兄ちゃんにはそこがいらだちのポイントとなるようだ。そして口論になり、妹を泣かせる。さらに親から彼が妹を泣かせる行為を咎められると、「僕は間違った事は言っていない。」となり、こちらも話にならない。

そこでふっと沸いた提案はこうだ。5歳児の言っていることはそもそも理論的ではなく、正論などもない。あるのは年上のものがそれを受け流すという対処だということを説明した。そして一日をとおし、もし兄妹げんかが勃発しなかった場合、中1男子のお兄ちゃん(長男)は50円を「稼ぐ」事ができるという内容だった。

ただ、思い付きだった部分もあるので、今日明日の試しで!ということになった。

特に兄妹げんかは中1男子のお兄ちゃんが受け流せば喧嘩にならないことが分かっていたため、彼には「受け流す」方法を教えた。それは妹が間違ったことを言っても「そうだね。」と受け流し、自分は悪くないのに「お兄ちゃんが悪い」と言われても、そうだね「ごめんね。」と言って受け流すという事だ。

これまでこの話を幾度どなくしてきたが、実際に機能したことはなく、「自分は間違ってない!」と言い張り、5歳児の妹にむきになる兄だった。

しかし今回は金融教育を経験し、作業タスク50円の重みが理解できてることもあり、聞く姿勢が違った。

金・土・日・月・火と喧嘩をしていない

たかだかまだ5日間のことだが、この5日間は奇跡が怒っている。

今まで妹をうまく受け流すことはほぼ無理だった中1男子の長男はこの5日間売られた喧嘩を買っていない。そして喧嘩を売ることもしていない。

5歳児の妹は「お兄ちゃんがやるから嫌」という事がある。朝わざとらしく大きな声で歌うお兄ちゃんが嫌だから「歌わないで!」と言ったりする。このような事に関して言えばお兄ちゃんが一方的に悪いということはないのだが、「はいはい。じゃあ止めるね。」といえばそれで5歳児の妹の気は済む。しかしそれができないから喧嘩になる。だが、この5日間はそれすらない。もちろん親が諭して喧嘩に発展しないように強く促す場面は1度や2度くらいはあった。しかしそれで中1男子の長男の気持ちを切り替えられている事も、やはり大きな進歩だったりする。

まだ取り組みを初めてたかだか5日間しかたっていないが、我々家族にとっては成長できる大きなチャンスを掴んでいるに感じている。

金融教育が進み手に入れた外発的動機づけ

もし9カ月前に金融教育に取り組み始めていなければ「稼ぐ」という事が外発的動機付けとして兄弟げんかを止めるほどの強いやる気を作り出すことはなかっただろう。

先述したように、たとえ子供であったとしても50円は大した価値がないことくらい分かっているのだから。

しかし毎日の数十円の積み重ねがひと月4000円になる事もあるという経験を繰り返すことで少額の「稼ぎ」を積み重ねることの大事さが体に浸透したのだろう。彼は50円の作業タスクに価値を見出せるように成長した。

今回設定した作業タスクはいうなれば「喧嘩をうらない、買わない」という作業タスクである。そしてその作業タスクに対し、50円を設定した。高いかな?と思ったが、我々親にとってみれば何とでもして二人の喧嘩をやめさせたいという願いを込めた金額設定となった。

親から怒られても翌日には兄妹げんかが始まる。

親が怒るというのも外発的動機づけの一つだ。しかし怒るという行為は親も疲れる上、使ったエネルギーだけの効果はない。子供はけろっと忘れる。そそいて翌日からまた同じことをやる。

しかし今回は少し違う。今まで彼が経験した金融教育は外発的動機付けと彼に親がしかるよりかは強いやる気を作り出している。すくなくともこの5日間喧嘩は勃発しておらず、仮に喧嘩が起こりそうな場面に出くわしても親が諭すことで回避できている。

たかが5日間であるが、我が家では最長記録かもしれない。たかだか一日50円の金額ではあるが、彼にとって喧嘩をしないというやる気を作り出しているようだ。またこの喧嘩をしないという期間のなかでぜひとも彼には兄妹げんかをしないという喜びを体験してほしいと願っている。

金融教育は金融教育自体に価値がある。すなわち、「稼ぐ」「使う」「貯める」「運用する」という4つのことを体験学習し、大人になった際に金銭面での自立を手にしている状態になっている事を目指す。

しかしこの金融教育を実施するうえで設定する作業タスクは、その使い方によっては家庭の躾の土台を作ってくれているようにも感じる。

作業タスクの管理や送金の手間を感じることもあったが、子供たちの変化を経験した今、作業タスクをこなし子供たちに送金してあげられることは私にとっては子供の成長を感じる喜びとなっている。

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