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日記、エッセイのようなもの

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2023年10月の記事一覧

「小説に例えるの、好きだね?」

「小説に例えるの、好きだね?」

「小説に例えるの、好きだね?」

そう言われた事がある。それまでは自覚が全くなかったから気づきもしなかったけれど、たしかに僕はある出来事を、それまでに読んだことがある小説や漫画やアニメ、観たことがある映画、演劇、ドラマ、などに例えてしまう癖があるのかもしれない。

ベタな例だが、例えば自分にも理由や説明がつかない行動をしてしまったときに「うん、まあ『異邦人』にあったけど、そういうことがあるもんだよ

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浦島氏の危険な読書

浦島氏の危険な読書

浦島は海辺で小説を読んでいる。
時折ページから目を上げ遠くの水平線を眺める。

どこからか数人の若者が現れる。
そして次々に大量の本を積み上げていく。

浦島はじっとその様子を伺っている。
彼にしてもこれから何が始まろうとしているのかは分からない。

するとある若者がマッチを擦り、
無数に積まれた本の上にそれをかざした。
本を燃やすつもりなのだ。

浦島は静かに立ち上がり、
若者たちの輪に近づいた

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同級生とミニスカート

同級生とミニスカート

会社から車での帰り道、いつも目に入るキャバクラがある。その前を通るたびに、あの夏の夜を思い出す。

と言っても大したことは起きてないのだけど、なぜか妙に心に残っている。

なぜだろう?

当時の僕は一浪中。その他の友達の二人は大学生となり青春を謳歌していた。三人でお酒を飲み、夜も更けてきて、当然のようにキャバクラに行くことになったのだ。

お店に入り席に着くと、さっそくキャバ嬢が隣に座ったのだけど

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片言日記

駅に着いて改札口を通る。小さな郊外の駅。多くの人は左の方に進む。左に行くとバスのロータリー、タクシー乗り場があって駅前の唯一のコンビニがある。

右に行くと駐輪場があってたくさんの自転車が置いてある。もう日が暮れてはっきりとどんな自転車が置いてあるのかは見えない。小さな無数の緑色のライトが光っている。朝には見えなくなってしまうような光り方だ。

あたりは暗い。通り過ぎる人の顔がちょうど見えないくら

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片言日記

片言日記

中くらいのマンションのような建物が目の前に見えるのだけど、それが景色の一部かと言われるとちょっと違う気がする。長くここに住んでるいるけど、このマンションのような建物が話題にあがったことがない。

僕が小学生の時も、中学生の時も、大学生の時だって変わらずそれはあったけど、思い出の背景にも何かの匂いと関連してることもない。

初めてその建物を見上げてみるとそれはやっぱりマンションだった。たぶんマンショ

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