吉谷 吾郎

●コピーライター ●「よわいはつよいプロジェクト」発起人 ●『主観思考』(光文社)発売…

吉谷 吾郎

●コピーライター ●「よわいはつよいプロジェクト」発起人 ●『主観思考』(光文社)発売中 ●日本ラグビー選手会●「ほぼ日の塾」1期生 ●「OFF THE FIELD」主宰 ●X @nitta_shiyo https://yoshitanigoro.com/

記事一覧

ぼくらがスポーツから学ぶ理由。ビジャレアルC.F.とガウディ建築と20歳の少女。

初めてスペインを訪れた。 向かった先は、ビジャレアルというスペイン東部にある人口約5万人の町。地中海に面していて自然豊かで、広大なオレンジ畑があちこちに見える。…

吉谷 吾郎
2週間前
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前に進もうとする「勇気」こそが、「挑戦」だと思う。

トップアスリートは、みんなすごい。心からリスペクトしている。例外だっている?ノー。どんな人であっても、だ。たとえ有名じゃなくても、日本代表じゃなくても、ちょっと…

吉谷 吾郎
9か月前
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ひとりでも多くの人に聴いてほしかったアスリートたちのことば。

「みんなと考えるメンタルヘルス」(主催・トヨタ財団)という国際フォーラムでおこなわれたシンポジウムに参加しました。 ぼくは「よわいはつよいプロジェクト」のメンバ…

吉谷 吾郎
1年前
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『THE FIRST SLAM DUNK』への愛をひたすら語らせて。

期待に応え、期待を超えた2つのアイデア 人は、ふつうに生きているだけで、不安や悩み、痛みや失望にぶつかってしまうものだと思います。それらをゼロにするのはむずかしく…

吉谷 吾郎
1年前
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若者が選挙に行きたくなることば、って?

新卒社員の給料が1990年にくらべて10%減っているとか、国がしれっと社会保険料を増額させて手取りが減っているとか、生活必需品がどんどん値上げしているとか。ま、とにか…

吉谷 吾郎
1年前
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親はどれだけこどものことを理解できているだろうか?

元Jリーガーでユースのコーチをされている方が、こんな話をしてくれた。 「練習中、親御さんたちがこどもに対して『もっとここしろ、ああしろ』『なぜできないんだ!』と…

吉谷 吾郎
2年前
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「もう帰るよ!」では、帰らなかったのに。

先日、すごい発明をした。 妻が仕事で不在だったとき。幼稚園から帰ってきた息子(3歳)とふたりで1時間だけ海に遊びに行こうとなった。 海岸で砂山をつくったり、水路を…

吉谷 吾郎
3年前
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話しながら、考えたこと。

・人間の悩みは大きく4つだと考えている。1.比較(他人との。嫉妬心) 2.ギャップ(理想との。自責)3.災難(事故や愛別離苦) 4.恐怖(プレッシャー。周りからどう思われ…

吉谷 吾郎
3年前
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とある小さなお弁当屋さんの話。

コロナによる外出自粛がつづき、少し疲れが出ていた春の終わり頃。 「ちいさなピクニックでもしようか」と妻とこどもの3人で、家から自転車で15分くらいのところにある緑…

吉谷 吾郎
3年前
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一行のコピーと20年ぶりの再会。

2019年9月27日。 実家に一枚のハガキが届いたと母から連絡があった。達筆すぎて約85%しか読めないその文章の書き主は「森監督」だった。 ぼくは幼稚園から小学6年生まで…

吉谷 吾郎
4年前
69

がんばれ、ひまりちゃん。ひとつのTシャツが生んだ出合い。

「OFF THE FIELD」というプロジェクトの第1弾として、山中亮平がラグビーワールドカップ2019で応援してくださった方々への感謝の気持ちを伝えるTシャツをつくりました。 …

吉谷 吾郎
4年前
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ラグビー日本代表に伝えたい「ありがとう」。

ラグビーワールドカップ2019日本大会がおわった。 ついに、ほんとうに。これだけ短期間で日本中を熱狂させることができたラグビーというスポーツに、すこしでも関わってき…

吉谷 吾郎
4年前
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ぼくらがスポーツから学ぶ理由。ビジャレアルC.F.とガウディ建築と20歳の少女。

ぼくらがスポーツから学ぶ理由。ビジャレアルC.F.とガウディ建築と20歳の少女。

初めてスペインを訪れた。

向かった先は、ビジャレアルというスペイン東部にある人口約5万人の町。地中海に面していて自然豊かで、広大なオレンジ畑があちこちに見える。町中にモザイクアートがあって、バラバラな形をした個が全体で調和することや、アートをたのしむことを重んじるこの町の風土を感じさせる。

今回の旅は、スペインのラ・リーガで戦うサッカークラブ「ビジャレアルC.F.」の佐伯夕利子さん(スペイン在

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前に進もうとする「勇気」こそが、「挑戦」だと思う。

前に進もうとする「勇気」こそが、「挑戦」だと思う。

トップアスリートは、みんなすごい。心からリスペクトしている。例外だっている?ノー。どんな人であっても、だ。たとえ有名じゃなくても、日本代表じゃなくても、ちょっとくらい酒で失敗しても。トップアスリートはみんな、日々プレッシャーや評価と闘いつづけて自分と向き合いつづけている。それでも、どれだけ努力しても「選ばれない」ことがある。

山中亮平が、ラグビーワールドカップ2023フランス大会の最終選考で落選

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ひとりでも多くの人に聴いてほしかったアスリートたちのことば。

ひとりでも多くの人に聴いてほしかったアスリートたちのことば。

「みんなと考えるメンタルヘルス」(主催・トヨタ財団)という国際フォーラムでおこなわれたシンポジウムに参加しました。

ぼくは「よわいはつよいプロジェクト」のメンバーとしてすこしだけ登壇させていただいたのですが、このシンポジウム全体の3時間があまりにあっというまで、(陳腐な表現になってしまいますが)感動してしまいました。

同時に、このイベントの内容をもっと多くの人に知ってほしい‥‥!と純粋に思いま

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『THE FIRST SLAM DUNK』への愛をひたすら語らせて。

『THE FIRST SLAM DUNK』への愛をひたすら語らせて。

期待に応え、期待を超えた2つのアイデア
人は、ふつうに生きているだけで、不安や悩み、痛みや失望にぶつかってしまうものだと思います。それらをゼロにするのはむずかしくて、いかにしてその「見たくないもの」を正面から見つめることができるか。そして、それを受け容れて、前にすすむことができるか。そこに、その人の「人間力」のようなものが表れるのだと思います。

反対に、目を背けたくなるような事実に対して、「そん

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若者が選挙に行きたくなることば、って?

若者が選挙に行きたくなることば、って?

新卒社員の給料が1990年にくらべて10%減っているとか、国がしれっと社会保険料を増額させて手取りが減っているとか、生活必需品がどんどん値上げしているとか。ま、とにかくぼくたち若者たちにとって、生きづらい世の中になっていることはたしかです。

それはなぜか?

暮らしのルールを決めている政治家たちが、若者のほうを見ていないからであり、どうして見ていないかは「票にならないから」だと思います。政治家に

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親はどれだけこどものことを理解できているだろうか?

親はどれだけこどものことを理解できているだろうか?

元Jリーガーでユースのコーチをされている方が、こんな話をしてくれた。

「練習中、親御さんたちがこどもに対して『もっとここしろ、ああしろ』『なぜできないんだ!』といった発言がたくさんあって見過ごせない」

まず、親は親で「こどものために」と頑張っているから、頭ごなしに「こどもにアレコレ言うな!」と否定しちゃいけない。コーチもこどもも「うっせぇなぁ!」と思っているけれど、親だって「うっせぇなぁ!」な

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「もう帰るよ!」では、帰らなかったのに。

「もう帰るよ!」では、帰らなかったのに。

先日、すごい発明をした。

妻が仕事で不在だったとき。幼稚園から帰ってきた息子(3歳)とふたりで1時間だけ海に遊びに行こうとなった。

海岸で砂山をつくったり、水路を海までつくったり。こどもとふたりで熱中した。ところが、楽しい時間は、あっというま。

ぼくは、次のZOOMミーティングがある。だから、なんとしてもその15分前には、海を出発したい。

さて、この子をどう「切り替え」させるか。みんなそう

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話しながら、考えたこと。

話しながら、考えたこと。

・人間の悩みは大きく4つだと考えている。1.比較(他人との。嫉妬心) 2.ギャップ(理想との。自責)3.災難(事故や愛別離苦) 4.恐怖(プレッシャー。周りからどう思われているか)‥‥そして、この4つのすべての解決策となっているのは、「受け入れる」ということではないか。他人との違いを受け入れる。理想とのギャップを受け入れる。不慮の出来事を受け入れる。プレッシャーを受け入れる。受け入れる器を大きくし

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とある小さなお弁当屋さんの話。

とある小さなお弁当屋さんの話。

コロナによる外出自粛がつづき、少し疲れが出ていた春の終わり頃。

「ちいさなピクニックでもしようか」と妻とこどもの3人で、家から自転車で15分くらいのところにある緑豊かな公園に行くことにした。

三密を避けて公園でお弁当を食べようと、スマホで近所のお店を探してみるものの、新型コロナウイルスの影響があり、どこのお店も閉まっていた。

やっと見つけたのが、全国展開している和食レストランのテイクアウト。

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一行のコピーと20年ぶりの再会。

一行のコピーと20年ぶりの再会。

2019年9月27日。

実家に一枚のハガキが届いたと母から連絡があった。達筆すぎて約85%しか読めないその文章の書き主は「森監督」だった。

ぼくは幼稚園から小学6年生まで「練馬ラグビースクール」という地元のラグビースクールに通っていた。森監督とはその創始者である。懐かしくなってネットで調べてみると、今は「名誉監督」という肩書きになっていた。もう85歳だという。

記憶を辿ってみると、森監督とい

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がんばれ、ひまりちゃん。ひとつのTシャツが生んだ出合い。

「OFF THE FIELD」というプロジェクトの第1弾として、山中亮平がラグビーワールドカップ2019で応援してくださった方々への感謝の気持ちを伝えるTシャツをつくりました。

非常に多くの方々から(53枚限定だったのですが2500名を超える応募者‥‥!)ご連絡をいただいたのですが、その中のひとつに、「ひまりちゃん」という2歳の女の子のおかあさんからのメールがありました。

その中身は、このよう

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ラグビー日本代表に伝えたい「ありがとう」。

ラグビー日本代表に伝えたい「ありがとう」。

ラグビーワールドカップ2019日本大会がおわった。

ついに、ほんとうに。これだけ短期間で日本中を熱狂させることができたラグビーというスポーツに、すこしでも関わってきた人間として、これほど誇らしいことはなかった。

これまでラグビーのことを「え、痛そう‥‥」とか「ルールがイミフ!」と言っていた人たちでさえ、いまや「ラグビー、最高!」と言っているのだから、ぼくらみたいな、もともと「ラグビーとは人生そ

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