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クラシック音楽館「いま届けたい音楽~音楽家からのメッセージ~」が素晴らしかった。

Eテレで4月19日(日)21:00~23:00に放映された、クラシック音楽館「いま届けたい音楽~音楽家からのメッセージ~」が素晴らしかった。

再放送や総集編でお茶を濁さざるを得ないテレビ番組が多く、そんな時は視聴者としても暖かい目で見ることが多かった。

今回のクラシック音楽館もそんな感じかな、と思って観てみたら、予想を覆すメッセージ性の強い構成であった。

【詳細】「今、ルツェルンの自宅で日本の皆さんを思い浮かべている。いつか皆さんのためにコンサートホールで演奏したい。こうしたときだからこそ、私たちは音楽を渇望する…」92歳のN響桂冠名誉指揮者ヘルベルト・ブロムシュテットのメッセージです。新型コロナウイルスの感染拡大が続き、コンサートが次々と中止になるいまだからこそ、一流の指揮者やソリストたちからのメッセージと、彼らが奏でる名曲の数々をお届けします。

演奏曲目は以下の通り。

「交響曲第5番 嬰ハ短調 から 第4楽章」
マーラー:作曲
(指揮)パーヴォ・ヤルヴィ、(管弦楽)NHK交響楽団
(9分10秒)
~2019年9月20日 NHKホールで収録~

「管弦楽のためのラプソディ」
外山雄三:作曲
(指揮)広上 淳一、(管弦楽)NHK交響楽団
(8分05秒)
~2012年7月4日 サントリーホール~

「交響曲第7番 イ長調 作品92から 第1楽章」
ベートーベン:作曲
(指揮)ヘルベルト・ブロムシュテット、(管弦楽)NHK交響楽団
(14分05秒)
~2018年4月25日 サントリーホール~

「われら苦難の極みにある時も BWV641」
バッハ:作曲
(鍵盤楽器奏者 指揮者)鈴木 優人
(2分22秒)
~2018年11月24日 NHKホール~

「ミサ曲 ロ短調 BWV232 から 「われらに 平安を与えたまえ」」
バッハ:作曲
(指揮)鈴木 雅明、(管弦楽と合唱)バッハ・コレギウム・ジャパン
(3分35秒)
~2015年7月28日 サントリーホール~

「バイオリン協奏曲 第3番 ロ短調 作品61 から 第2楽章」
サン・サーンス:作曲
(バイオリン)樫本 大進、(指揮)パーヴォ・ヤルヴィ、(管弦楽)NHK交響楽団
(9分15秒)
~2018年2月16日 NHKホール~

「歌劇「ナクソス島のアリアドネ」から 「音楽は神聖な芸術です」」
リヒャルト・シュトラウス:作曲
作曲家…(メゾ・ソプラノ)藤村 実穂子、(指揮)下野 竜也、(管弦楽)東京フィルハーモニー交響楽団
(3分25秒)
~2014年1月3日 NHKホール~

「ボレロ(抜粋)」
ラヴェル:作曲
(指揮)飯森 範親、(管弦楽)東京交響楽団
(3分25秒)
~2020年3月21日 東京オペラシティ コンサートホールで収録~

「交響曲第9番 ニ短調 から 第2楽章」
ブルックナー:作曲
(指揮)ジョナサン・ノット、(管弦楽)東京交響楽団
(10分40秒)
~2018年4月14日 サントリーホール~

「交響曲第2番ニ長調 作品73から 第1楽章」
ブラームス:作曲
(指揮)ヘルベルト・ブロムシュテット、(管弦楽)NHK交響楽団
(20分35秒)
~2013年9月21日 NHKホール~

構成としては、演奏家のメッセージに続いて、ゆかりの演奏が奏でられる。

まず、メッセージについてだが、この自粛の中で、音楽家としての率直な思いが語られていて、興味深かった。

自粛せざるをえないもどかしさ。

こんな時こそ音楽の力が必要だということ。

音楽をつないでいけるかどうかへの不安。

新しい演奏会の形を生み出していくことに向けての思い。

音楽家達の複雑な思いが、様々な立場から語られている。


また、それに続く音楽が素晴らしかった。

特に心に響く選曲だったと思う。

心のもやもやをすくいとってくれるような、マーラーのアダージェット。

心を奮い立たせるような、管弦楽のためのラプソディ。

特に、演奏者、観客の思いを乗せたボレロ。

最後のブラームスを聴いた後には、自然と前向きな気持ちになれていた。


ぜひとも、NHKオンデマンドでも観られるようになってほしいと思う。今、多くの人に届いてほしい番組だった。



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