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文学フリマに行った話 #東京38

行ってきました文学フリマ東京38!

わたしの中では春先から楽しみにしてた一大イベントだったので、直前の一週間はタイムラインに文フリ関連の記事があらわれるたびにワクワクが高まり、前日の夜は高まりすぎで情緒不安定になりました。
(※客として行くだけです)

そんな文フリ。

出品されているおびただしい量の本にも興奮してしまうんですが、いちばんの興奮ポイントはやっぱり、

「会場で芋洗いになってる誰も彼もが全員、本好きの変態」

っていう点でしょうか。

まずね、初めて会場に足を運んだ前回も今回も、信じられないくらいの大盛況なんですよ。
リアルの世界では本好きな人になかなか巡り合えないのに、みんなどこから来たの?
普段どこに生息してるの?

「ああすごい、本いっぱい。全部買って帰りたい」「この中から選ばなきゃいけないのが心苦しい」/芋洗いの会場通路で私の前にいたガチ勢カップル(推定30代・男性女性)

「本ってどうやって選べばいいの?」「わかんないけど、いい感じの何かを買って帰りたい」/見本コーナーで私の隣で楽しげに冊子を手に取ってたオシャレな2人組(推定20代・女性)

といった感じで、会場は「本」と言う媒体や「文学」と言う概念を面白がっている人たち、そして真摯に向き合っている人たちで溢れかえっています。

わたしは文フリの、たくさんのコンテンツが同列に混在してるところが好きです。
はつらつと、粛々と、参加者たちがそれぞれの温度感と距離感でおまつりを楽しんでるのも好き。
「自由」の肌触りがある、あの雰囲気もいいです。
ものすごい熱量だけど、その熱が息を詰まらせる種類のものじゃない感じなのもいい。

暑くて混んでて所々空気が薄いから、物理的な息苦しさはありますけども。

そんなわけで、今回の文フリでは8作品を購入しました。
どれも素敵だからすごく紹介したい。紹介させてください。

表示は購入順です。
著者紹介での敬称は省略させていただいてます。
ほぼ全て未読です。これから楽しみに読ませていただこうと思ってます!


吉穂堂(よしほどう) 【た-19】

(右)ナユタ/吉穂みらい

小説。近未来の「アルデバラン」という地球に似た星が舞台。アルデバランシリーズ第四世代。地味な日常を愛する20歳のナユタ。ある日父から秘密を打ち明けられて、朔という祖父に会いに行く―――。ナユタの恋と青春。

文フリの紹介文より

すみません、あまりにブックカバーがかわいいので巻いたまま写真を撮ってしまいました。
ステキな表紙はどこか別のページでチェックしてください。笑

「フォークロア・プロジェクト(*)」のような形で近未来を描く方が、長きにわたってつづってこられた「アルデバラン」と言う世界をのぞいてみたい。と思い、ラインナップ豊富な著書の中からナユタを選ばせていただきました。
(*)「白熊と光」に収録されてます

ブースにはみらいさんと一緒に、海人さんもいらっしゃいました。
文章の印象通り、とっても聡明な雰囲気の方でした。
3人でお話させていただいたのは覚えてるのですが、一発目にお邪魔したブースだったこともあり、いろんな興奮と緊張で吉穂堂での記憶が若干飛んでます。

わたし、ちゃんとお金払ったかな……



ウミネコ制作委員会(うみねこせいさくいいんかい) 【た-20】

小雑誌「umineko」/編集 ぼんやりRADIO

小雑誌「ウミネコ」第一号の特集は「ねことそうさく」。クリエイター達の「猫」文学、エッセイ、イラストetc…。この世界に猫がいる意味をそうさくしている一冊です。
小雑誌「ウミネコ」第二号。創刊号よりページ増(値段も高く…)。特集は「おさんぽ」。おさんぽにまつわる創作エトセトラ。ゆったりした時間をあなたにお届けします。

文フリの紹介文より

緊張がイマイチ解けきらぬまま、お隣のブースへ。

前回の文フリ記事でお見かけした華奢なシルエットの女性が座っているのを見て、
「あぁぁぜっっったい穂音さんだぁぁぁ!!」
と興奮の上書き。そしてまた記憶とぎれとぎれタイムに突入。

穂音さんにお会いしたら、ウミネコぶんたったが大好きなことを絶対お伝えしたいと思ってました。
でも出来ませんでした。というかそれどころじゃありませんでした。
ただでさえ正面の穂音さんにドキドキしてるのに、気づいたら右隣につる・るるるさん、左隣に樹立夏さんがいらっしゃったので。ものすごい三角形すぎる。

「それは磁場発生してましたね」by 白鉛筆さん(←この後お会いしたときに話したら言われた感想)

そんな中、ラスボスのように編集長がブースに戻ってこられたところで何かがサーバー落ち。
「ああ、ああ、みんな生きてる」
と、ジャンプ漫画のクライマックスみたいなテンションのまま皆様とお話させていただきました。ありがとうございました。



見本誌コーナー

ちょっと頭を冷やそう……と思い、見本誌コーナーへ。

見本誌コーナーは出店者が展示した見本がたくさん並んでいて、心ゆくまでじっくり試し読みができるエリアです。
好きだなぁと思った本の表紙をメモ代わりに写真に撮り、見逃したものがないかコーナーを二巡目し始めた頃にnoteから通知が。

え…… います…… 第二会場いますいますいます……!

わたしこそご挨拶させてもらいたくて、お会いする方法も考えないまま娘ちゃんにおみやげまで持ってきてるんです……!しかもかさばるやつ……!(ここは荷物しか増えない文フリぞ。空気もっと読め)

と言うことで、なんと納豆ピザファミリーにお会いすることができました。
大感激!
かわいい納豆ご飯さんにオシャレなピザさん。
noteの人々はなぜこんなにもnoteのイメージそのままなのでしょう。

あまりに嬉しくて、ザセカンドの話しかできない。

すまスパに音声メッセージを寄せさせていただくことになったので、前日話していた通り、本当に蔓緒さんにその場で電話を掛けてしまいました。
蔓緒さん、快く(パジャマで)お電話に出てくださり本当にありがとうございます。



尨犬宵市装丁所(むくいぬよいちそうていしょ) 【つ-43】

マーメイド・エフェクト/梶河鹿

もしも現代に人魚がいたらのお話です。
異世界、廃墟、禁足地、夢の中から終わった世界まで。食いしんぼう2人で色々なところから集めた物語を装丁いたしております。

文フリの紹介文より

納豆ピザファミリーとおわかれしてから、見本誌コーナーを再度吟味。
購入するものを頑張って絞り、再び第二会場のブースに戻りました。

マーメイド・エフェクトは、人間界で自然な歩行をできるようになった人魚の物語。
スーパーに行った人魚が照り焼きのピザを想像して腹を鳴らし、試食のウィンナーに爪楊枝ごとかぶりついたところで、それ以上立ち読みするのがもったいない気持ちになって「これ買お」って決めました。

整然とした文章で、読んだそばから言葉がすいすい体に入ってきます。各章にふられたタイトルも魅力的。目次を読むだけで、物語への期待が高まります。



劇団キリン阿修羅(げきだんきりんあしゅら) 【せ-47】

幻肢通信/宇ノ倉なるみ

失うことはここちよいこと。
詩とひとふでがきを書きます。一本の線で綴られる物語は輪になり、宙になります。

文フリの紹介文より

事故や病気などで手足を失った人、あるいは生まれながらに持たない人が、存在しないはずの手足の存在を感じることを「幻肢げんし」と呼ぶそうです。
そういう現象があると知って、その現象が何をみなもとにして起こることなのか知りたくてたまらなくなり、四六時中夢中になって考えていた時期がありました。

タイトルとイラストを見て懐かしくなって本をめくってみると、砂漠に埋もれた浴室で仰向けになる「わたし」が菜の花を胃で咲かせてます。

フラッシュを焚かれた時だけ途切れ途切れに画面に浮かび上がってくるような、刹那的な雰囲気の描写にうっとりしました。
そしてその雰囲気は書き手の言葉選びに由来するものであって、「詩」と言う形態に由来するものではないような気がしました。

すっかり魅了されて購入しに行くと、ブースには男性と女性の姿が。
「どちらが書かれたんですか?」と訊いたら、男性が「僕です」と。
女性が書かれた作品だと思ったのでびっくりしました。

コントロールしえない水分
体の中の反響、それの共有
木彫としての詩
自分の内臓の所在
粒子、波、
解けることを受け入れること
解けてなお、うつくしいもの

あとがきから引用


ICU(あいしーゆー) 【て-10】

(右)全ての葬られた文字達の為に。(左)Penultimate Letter./河村塔王

全ての葬られた文字達の為に。(【本の煙草】 全ての葬られた文字達に捧げる煙草小説。読み終えた後、燃やす事で完結する本。)翻案/「ゴジと校正士」クラフト・エヴィング商會
Penultimate Letter.(【手紙小説】「あなた」に届いた人生で最後から二番目の手紙。そこに書かれた「あなた」の人生最後に起きる事とは。)

文フリの紹介文より

ガラスケースの中の紙を取り出し広げてみると、細かな文字がびっしり。
これは「校正師」が原稿から抜き取り、小箱に保管してきた誤字のみを使用して書かれた巻子本かんすぼんなのです。
「校正師」と言う人々は皆、途方もない時間をかけて誤字を収集し、新しい言葉を一切使わずに一冊の本を上梓じょうしするのが常だそうですが、どうしてこの本は「本」ではなく、「煙草の巻紙」の形をしているのでしょうか。

その問いに対し、煙草の煙は現世と幽世を結ぶ言葉である、と言う信仰が語られ、どんな詩も閉じられた書物の中では死んでいる、と言う寺山修司(歌人・劇作家)の言葉が引用され、だから読後に火をつけられて煙となり新たなお話に生まれ変わってもらえるよう、この巻子本かんすぼんは紙葉の形をしているのだと答えが描かれ、祈りの言葉と共に物語は閉じられます。

もう!なんてこった!スーパーエモーショナル!!

この作品は、クラフト・エヴィング商會の「ゴジと校正士」から着想を得て創られたのだそうです。
クラフト・エヴィング商會、大好きだったので、このお名前を久しぶりに見ることができて嬉しかったです。

※「校正師(士)」と言う職業は、作家による創作です



おだんごや 【W-07】

お味見/おだんご

noteで書いてきた1000本の中から、
反響のあったものや、自分自身の転機や表現の飛躍に繋がったものを集めたアラカルトです。
おだんごと和菓子を名乗る中年女性の日常や思考の詰め合わせです。
常連の方には懐かしく、初めましての方にはご挨拶代わりの一冊です。

文フリの紹介文より

びっくりするほど第二会場(しかも二階部分だけ)に長居してしまい、時計を見てあわてて第一会場に移動したらものすごい人・人・人。

芋洗いの本流はこっちだったんですね。

入口近くにあった「S列」「R列」を見ても、どっちがアルファベットの先なのかピンと来ないまま適当に会場の奥へと流されてたら「W」の文字。
ラッキーに感謝して通路を進むと大繁盛してるブースを発見しました。
賑わってたから後にした方がいいかな?って思った瞬間、あやしもさんがいち早く気づいて手を振ってくれたので、ほっとして突撃。

世界観確立しすぎ、クオリティ高すぎな「おだんごや」ブースにおじゃましました。/presented by 筆まめ

初めましてのおだんごさん、かわいい……!エネルギーすごい!
そして初めましてのくまさん、……あ……、お忙しくて気づいてない……!
気づいて。あの、ヱリです。noteの、あの……!クマサーン!(この後、無事に感動の対面)

くまくじを引きながらお話させていただいてたら、つる・るるるさんと白鉛筆さんのお姿が。白鉛筆さん、どこかでバッタリお会いできたらいいなぁと思っていたので嬉しかったです。磁場発言はここで頂きました。

そしてあやしもさんが連絡をとってくださったことにより、コッシーさんにお会いすることも叶ってしまいました!
コッシーさんのハッシュタグnote大好きなので、ご本人にお会いできて感動でした。あやしもさんありがとう。



ピリカさん 【文フリ会場全域】

訪問したいと思っていたブースは全て回り切ることができたので、電池3%な体力でよろよろと休憩スペースに移動。

ピリカさんにはどうしてもお会いして帰りたいなぁ。
でもピリカさん会場内飛び回ってそうだなぁ。
今どこにいらっしゃるのかなぁ。

と思いながらお茶を飲み、そしてたぶん数分その場で気絶寝して、気合入れ直してnoteのタイムライン見てみたらローソン前にいるとの情報が。
呟かれてから時間が経ってしまってたので急いで外に向かおうとしたら、階段横の広いスペースで談笑してる人たちに遭遇しました。

なんか、なんとなく、noteっぽい?

と見回してみたら、会場入りしてからずっと探してた青いすまスパTシャツを着た女性が輪の中心に!
気づいたピリカさんが名前を呼んでハグしてくださって、もう心臓撃ち抜かれてしまいました。
ああ、神様仏様女社長様……!

「みんなの居場所、作ってます」

のキャッチコピーの通り、noteでの居場所をたくさん作ってくださったピリカさんには感謝しかないのです。
ご本人にお会いして、あぁこの方だからみんなが(もちろんわたしも)集まりたくなるんだ、そういう星の元に生まれた方なんだ、って心から思いました。

同じ場にいぬいゆうたさん、ひよこ初心者さん、せやま南天さんもいらして、気づいたらつる・るるるさん、白鉛筆さん、納豆ピザファミリーのお姿もありました。すごい集団です。階段横だけ時空が歪んでました。

もしかして最終回だったんでしょうか? まだまだnoteにいたいのですが。




このあとも余力があれば第一会場を見て回りたかったのですが、腰痛限界だったので帰宅することにしました。
ちょっと前に軽いぎっくり腰をやってしまい、通院中の地元の整骨院で地獄のマッサージ(野蛮な痛さだけど劇的に治る)されたてほやほやだったので、

おしりが左側面だけ車に轢かれたみたいに痛かったのです。

今回の文フリで本を買わせていただいた皆様、お会いできた皆様、改めてありがとうございました。
次回はビックサイトで開催されるそうですね!
また新しい本との出会いがあるんだろうなと思うとワクワクしますし、noterさんにもお会いできたらすごく嬉しいなぁと思います。おしまい。



2024.5.27 追記

ラジオ「すまいるスパイス」で、文フリ当日のレポートが配信されています。
ピリカさん率いるすまスパチームの皆さんが、会場の熱気を実況中継してくださってて、とにかくものすごい臨場感です。
たくさんのnoterさんとお話しをされているので、みなさんのお声が聞けるのも楽しい。(インタビューに参加された方々のお名前は、リンクの記事内で紹介されています)
よかったらこちらもぜひ聞いてみてください。

わたしもお話させていただきました!
夢かな?って思うくらい楽しくて嬉しかったです。
ピリカさん、すまスパメンバーのみなさま、ありがとうございました!

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