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【読書暦】2002年に読んだ本

【★☆☆☆☆】ダ メ【★★☆☆☆】普 通【★★★☆☆】面白い【★★★★☆】お薦め【★★★★★】名 作


★★☆☆☆ 「阿弥陀堂だより」南木佳士 文春文庫12/26
★★☆☆☆ 「黄泉がえり」梶尾真治 新潮文庫12/24
★★★☆☆ 「動機」横山秀夫 文春文庫12/20
★★★☆☆ 「陰の季節」横山秀夫 文春文庫12/17
★★☆☆☆ 「懲戒の部屋」【自選ホラー傑作集(1)】筒井康隆 新潮文庫12/12
★★☆☆☆ 「問題温泉」椎名誠 文春文庫12/11
★★☆☆☆ 「ロミオとロミオは永遠に」恩田陸 早川書房12/5
★★★☆☆ 「喜知次」乙川優三郎 講談社文庫11/27
★★☆☆☆ 「びんぼう草」群ようこ 新潮文庫11/22
★★☆☆☆ 「驚愕の廣野」【自選ホラー傑作集(2)】筒井康隆 新潮文庫11/20
★★★☆☆ 「ポプラの秋」湯本香樹実 新潮文庫11/15
★★☆☆☆ 「静かな木」藤沢周平 新潮文庫11/13
★★☆☆☆ 「リンク」ウォルト・ベッカー 徳間書店11/1
★★☆☆☆ 「本所しぐれ町物語」藤沢周平 新潮文庫10/22
★★☆☆☆ 「片雲流れて」風間一輝 幻冬舎文庫10/18
★★☆☆☆ 「閉鎖病棟」帚木蓬生 新潮文庫10/11
★★☆☆☆ 「玩具修理者」小林泰三 角川ホラー文庫10/8
★★☆☆☆ 「ノーライフキング」いとうせいこう 新潮文庫10/6
★★☆☆☆ 「楽園」鈴木光司 新潮文庫10/3
★★★★★ 「バトル・ロワイヤル」上・下 高見広春 幻冬舎文庫10/1
★★☆☆☆ 「ボクの町」乃南アサ 新潮文庫9/21
★★★☆☆ 「夏の庭」湯本香樹実 新潮文庫9/18
★★☆☆☆ 「一月物語」平野啓一郎 新潮文庫9/14
★★☆☆☆ 「レクイエム」篠田節子 文春文庫9/12
★★☆☆☆ 「エディプスの恋人」筒井康隆 新潮文庫9/10
★★★★☆ 「七瀬ふたたび」筒井康隆 新潮文庫9/9
★★★☆☆ 「霧の橋」乙川優三郎 講談社文庫9/6
★★★☆☆ 「家族八景」筒井康隆 新潮文庫9/4
★★☆☆☆ 「球形の季節」恩田陸 新潮文庫9/1
★★☆☆☆ 「惨殺の月夜」テリル・ランクフォード 扶桑社ミステリー8/27
★★☆☆☆ 「地球環」堀晃 ハルキ文庫8/23
★★☆☆☆ 「林蔵の貌」上・下 北方謙三 集英社文庫8/9
★★☆☆☆ 「手塚治虫―ロマン大宇宙」大下英治 講談社文庫7/29
★★☆☆☆ 「からくりからくさ」梨木香歩 新潮文庫7/24
★★★☆☆ 「人情裏長屋」山本周五郎 新潮文庫7/19
★★★★☆ 「光の帝国―常野物語―」恩田陸 集英社文庫7/14
★★☆☆☆ 「トーテム」デイヴィッド・マレル ハヤカワ文庫NV7/9
★★☆☆☆ 「蛙男」清水義範 幻冬舎文庫6/29
★★☆☆☆ 「サリーはわが恋人」アイザック・アシモフ ハヤカワ文庫6/27
★★☆☆☆ 「デモン・シード[完全版]」ディーン・クーンツ 創元SF文庫6/21
★★☆☆☆ 「わたしのグランパ」筒井康隆 文春文庫6/19
★★☆☆☆ 「家鳴り」篠田節子 新潮文庫6/18
★★★☆☆ 「天使に見捨てられた夜」桐野夏生 講談社文庫6/14
★★★☆☆ 「顔に降りかかる雨」桐野夏生 講談社文庫6/10
★★☆☆☆ 「マイノリティ・レポート」フィリップ・K・ディック ハヤカワ文庫6/5
★★☆☆☆ 「天保悪党伝」藤沢周平 新潮文庫5/31
★★☆☆☆ 「書下ろしアンソロジー 宇宙生物ゾーン」井上雅彦 監修 廣済堂文庫5/29
★★☆☆☆ 「しのびよる月」逢坂剛 集英社文庫5/21
★★★☆☆ 「六番目の小夜子」恩田陸 新潮文庫5/13
★★★☆☆ 「屋烏」乙川優三郎 講談社文庫5/10
★★☆☆☆ 「トウモロコシ畑の子供たち」スティーヴン・キング 扶桑社ミステリー5/3
★★☆☆☆ 「エネルギー救出作戦」堀晃 新潮文庫5/2
★★★☆☆ 「ほの暗い水の底から」鈴木光司 角川ホラー文庫4/26
★★☆☆☆ 「変身」カフカ 新潮文庫4/23
★★☆☆☆ 「十手人」押川國秋 講談社4/22
★★☆☆☆ 「あかね空」山本一力 文藝春秋4/18
★★★☆☆ 「ダーク・ムーン」馳星周 集英社4/13
★★☆☆☆ 「蝦夷地別件」上・中・下 船戸与一 新潮文庫4/1
★★★☆☆ 「ファイアボール・ブルース」桐野夏生 文春文庫3/8
★★☆☆☆ 「仕事師たちの哀歌」夢枕貘 集英社文庫3/6
★★☆☆☆ 「サブウェイ」山田正紀 ハルキ・ホラー文庫3/4
★★☆☆☆ 「不器用な愛」風間一輝 角川文庫3/1
★★☆☆☆ 「続巷説百物語」京極夏彦 角川書店2/26
★★☆☆☆ 「日蝕」平野啓一郎 新潮文庫2/14
★★☆☆☆ 「ターミナル・エクスペリメント」ロバート・J・ソウヤー ハヤカワ文庫2/8
★★☆☆☆ 「時雨みち」藤沢周平 新潮文庫1/29
★★☆☆☆ 「裏庭」梨木香歩 新潮文庫1/25
★★☆☆☆ 「ハンニバル」上・下 トマス・ハリス 新潮文庫1/22
★★★☆☆ 「羊たちの沈黙」トマス・ハリス 新潮文庫1/15
★★☆☆☆ 「町奉行日記」山本周五郎 新潮文庫1/9

 この年で気になるのは、平野啓一郎のデビュー作「日蝕」、梨木香歩に近い作家だと思って選んだ湯本香樹実の「夏の庭」、そして高見広春の「バトル・ロワイヤル」です。

 平野啓一郎は特別面白いわけでもないのに未だに読み継いでいます。湯本香樹実は、この時から好きな作家として5本の指に入る人になりました(梨木香歩の人気は2冊目以降で転落)。

 最も衝撃的だったのは「バトル・ロワイヤル」。今買い直して再読予定にありますが、二読目にどう感じるのか楽しみです。アイデアは中二病的というか、この後多くの模倣が生まれたように感じますが、やはりこの作品のリアリティと迫力を超えるものはなかったのではないでしょうか。
 作者がこれしか書かなかったのは、この本に全身全霊を傾けたからではないかと思える内容でした。面白いと感じた人はもっと続きが読みたいと考えたでしょうが、完成された物語だからこそ、私はこれに続きは不用だと思いました。
 残酷さばかりがクローズアップされる「バトル・ロワイヤル」ですが、小説(フィクション)は読んだ時のリアリティや没入感こそが最も大事だと思います。だから、背景描写が少なく漫画(あるいは戯曲)のセリフだけのようなラノベがあまり好きではありません(例外もあると思いますが全体の傾向として)。
「バトル・ロワイヤル」を少年漫画のように想像している方がいるかも知れませんが、この作品の方向性はスティーヴン・キングに近いと思います。例えばキングの最初の長編小説でリチャード・バックマン名義の「死のロングウォーク」など…
 と思ってWikiを読んでいたら、「高見広春の小説バトル・ロワイアルはこの小説を下敷きにしている」そうです(笑)。でも内容は全く異なるので両方楽しめます。

 バックマン・ブックス〈4〉死のロングウォーク (扶桑社ミステリー) 文庫

 軍事政権が支配しているらしき架空のアメリカでは、毎年10代の少年達100人が「ロングウォーク」という競技に挑んでいる。ロングウォークのルールはシンプルで、ウォーカーと呼ばれる競技者は、軍隊に囲まれながらひたすら道を歩くだけ。ただし、一定速度以下になると警告を受け、警告が累積すると殺される。
 主人公のギャラティをはじめ、周囲の全員が敵である筈の少年達だが、競技の中で時に助け合い、身の上を語る。疲労と苦痛、睡魔や死の恐怖に耐え、彼らはどこまで歩けるのか。(Wikipediaより)

 実はキングの小説の中でも印象深い作品の一つですが、この本はたぶん廃刊です。アマゾンではマーケットプレイスの古本業者しか扱っていませんが、人気があるのか新刊以上の価格です。ブックオフなら100円コーナーを探しましょう。廃刊になっているような本はほとんどそちらです。

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<(ↀωↀ)> May the Force be with you.