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今、最も気になるアニメ制作会社「エイトビット」

最近、ちょっと気になるアニメ制作会社がある。
それは「エイトビット」だ。
だってさ、今クールは同時に3つもエイトビット制作のアニメが放送されてるんだから。

・「ゆるキャン△」3期
・「転生したらスライムだった件」3期
・「魔法科高校の劣等生」3期

全部3期かよ・・。
「ゆるキャン△」にいたっては、わざわざC-Stationから権利を奪い取っての3期制作である。
よく分からんけど、同クールに3つもアニメ作るのって相当大変な作業なんじゃないの?
「質の高い作品を作る」とかの理想論以前に、まず遅延なく作品を放送させられるかどうかが肝心である。
だが見たところ、何とかなったみたいだね。

元々はそれほど有名な制作会社でもなかったのに、ここにきて急に存在感を発揮してきたのは何かと思いきや、どうやらこのエイトビットという会社、最近になって「バンダイナムコフィルムワークス」の完全子会社になったらしい。
あぁ、そういうことね。
ようするに大きな資本の傘下になり、その新体制が拡販路線をとってきたというわけか。
バンダイナムコといえば我々もよく知る「サンライズ」のことであり、ここは「ガンダム」などのロボット系、あと「ラブライブ」などのアイドル系のイメージが強いが、それ以外があまりイメージの湧かないところである。
よって、ロボット&アイドル以外の看板が欲しかったんだろう。
その点、「転スラ」「魔法科高校」といったラノベのビッグタイトル持っているエイトビットは、まさにうってつけのところである。

正直いうと、私の目から見て、エイトビットは取り立てて特徴の強い会社でもない。
めっちゃ作画が綺麗!」とか「キャラがよく動く~!」とかあるわけでもなく、そりゃ作画も綺麗なところは綺麗だし、アクションも気合い入ってるところは凄いんだけど、それ以外の日常シーンなどは思いっきり手を抜くという、俗にいう「メリハリ」で全体的なツジツマを合わせるやり方なんだと思う。
ただし、この「メリハリ」が巧妙なので、世間の評価的には「まずまず」といったところなのでは?
ようするに、ここはうまいこと省エネでアニメを作っていくノウハウがあるわけで、つまり、ある程度の「量産」が可能ってことよね。
だとすりゃ、拡販していきたいバンダイナムコにしてみれば、エイトビットこそ、今後のグループ安泰を支えていく「打ち出の小槌」だろう。

「魔法科高校の劣等生」

思えば、「魔法科高校の劣等生」もエイトビットが制作するようになったのは2期からなんだよな。
1期はマッドハウスだった。
じゃ、なぜマッドハウスは「魔法科」を手放したのか?
いや、そこはマッドハウスの思惑も分かるような気がするなぁ・・。
ぶっちゃけ、「魔法科」で一番おいしいところは「入学編」~「九校編」という序盤なのよ。
そもそも、これは典型的な「陰の実力者」系作品であり、

①主人公は表向き「劣等生」
②高慢なエリートたちが主人公を見下し、イジメようとする
③主人公がエリートたちをボコボコにして返り討ち
④視聴者⇒気持ちイイ~!

という展開が序盤はひたすら繰り返されるのね。
ただし、この①~④が有効なのは序盤までである。
だって周りもアホじゃないんだし、何度も何度も繰り返し返り討ちが続けば主人公がザコじゃないことぐらい理解するって・・。
よって、2期ともなれば主人公はもはや「劣等生」じゃないのよ。
当然、④視聴者⇒気持ちイイ~!も激減。
マッドハウス的には「2期以降はおいしくないし、ヨソが欲しがってるならぜひそちらで・・」といったところだろう。
一方、エイトビット的には「これ、まだまだイケるよ!」といったところ。
・・まぁ、実際まだイケるんだけどね。
そりゃ、1期のような怒涛のカタルシスはもはや期待できないが、2期以降は1期とはまた別の魅力がじわじわと滲み出してくるわけで・・。
思えば、「転スラ」もそうでしょ?

①主人公はスライム
②高慢なエリートモンスターがスライムを見下し、抹殺しようとする
③スライムがモンスターたちをボコボコにして返り討ち
④視聴者⇒気持ちイイ~!

というので大人気となった作品だが、本来そればかりだとさすがにマンネリで飽きるもんさ。
ところが、さすがはラノベ部門NO1ベストセラー。
2期からは主人公と実力が拮抗するキャラをうまいこと出してくるし、また彼が2万人を虐殺して魔王になる過程も、またその非情な決断に至るまでの過程も余すことなく描き、まるで飽きさせない。
ホント、うまい構成だよなぁ・・。

「魔法科高校の劣等生」十師族

さて、「魔法科高校」はここにきて、学内のスケールから日本全体、いや、世界全体のスケールにまで抗争が発展してきている。
特に、「十師族」というのがヤバいよね。
この物語、誰がラスボスで、誰が最強なのかが今はまだよく分からない。
主人公の司波兄妹も、一応は十師族・四葉家の一員。
とはいえ、この兄妹は明らかに四葉家を敵視してるよね・・。
十師族の当主は大体が魔法科高校生徒のお父さんとかお母さんだったりするんだけど、たとえ子供はいい子でも、親は油断ならない存在っぽい。
十師族は昔でいう「貴族」で、その連合が「朝廷」みたいなイメージなんだろう。
その一方、軍(政府)が「幕府」のような存在であり、十師族と軍の関係は【朝廷⇔幕府】っぽく、一触即発の緊張状態であることがだんだん分かってきた。
主人公・司波達也は十師族に籍を置きつつ、その一方で軍にも籍を置いてる微妙な立ち位置。
敢えてそういう形をとることで、両勢力を各々牽制してるのかも。
というのも、達也は四葉家を信用してないのと意味を同じくして、実は軍に対しても信用を置いてないことが最近になって分かってきたから。
おそらく、この人は誰のことも信用してない。
多分だけど、彼は高校の仲間たちのことでさえ100%信用はしてないんじゃないかなぁ・・?
完全無欠のカッコいいヒーローに見えて、実はめっちゃ孤独であり、本質的には哀しい人である。

シリーズ開始以来、3期で初めて実力の片鱗を見せた九重八雲

そして「魔法科」3期で私が一番ビビったのが、達也の師匠こと、九重八雲の底が知れない恐さ。
上の画の表情、めっちゃ怖いでしょ?
今まで飄々としててよく分からん人だったけど、ひょっとして彼が作中最強キャラなんじゃないか?と思えてきたわ。
多分、達也はまだこの人には勝てないだろうね。
ここにきて「主人公最強系アニメ」とは言い切れなくなってきたからこそ、逆に「魔法科」はちょっと面白くなってきた。
うん、この調子でいけば4期もありそう。

で、今年のエイトビットは夏以降「ブルーロック」や「SHY」も2期放送が控えているようだ。
「ブルーロック」はまだ分かるけど、「SHY」まで続編やるのか~。
なんかさ、エイトビットって作品を粗末にせず、ちゃんと続編作るよね。
2期制作率が結構高いように思う。
ヤマノススメ」なんて、あんな地味なアニメをコツコツと4期までやってるもんな。
多分、エイトビットは「モノを粗末にしてはいけません!」と厳しくしつけられて育ったんだろう。
意外と、お祖母ちゃん子だったのかもしれん。
お年寄りは、モノを大切にするからなぁ~。
ウチの爺ちゃんなんて、鼻をかんだティッシュをコタツで乾燥させて再利用する人だったよ。
お陰で、コタツで濡れたティッシュが私の足に何度へばり付いたことか。
あのクソジジイ、今思い出しても腹が立つわ!

「星合の空」(2019年)

そしてエイトビットの過去作の中で、最も話題となったのはおそらくこれ、「星合の空」だろう。
最終回が衝撃だったよね~!
何かの事情で打ち切りになったんだが、今なお幻の名作として語り継がれている逸品である。
しかし、実はエイトビット、その後にちゃんとこれの続編作ってくれているらしいじゃん?
まだ私は見てないけど、トレーラーはこれ↓↓

そうか。
たとえ打ち切りになっても、ちゃんと最低限のフォローはする・・。

エイトビットってさ、実はめっちゃいい子なんじゃない?


やはり、お祖母ちゃんのしつけが良かったんだと思う。


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