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山形県の新米地域おこし協力隊、2週目も初期設定な日々。


今週も初期設定。

2週目も変わらず生活基盤を整える日々。
事業計画書と予算の収支計画書を書き上げ、PCとカメラを購入し、入居した家に散乱する段ボールを片付け、ガスコンロを手に入れたのでお弁当づくりを開始し、相変わらず町内を奔走して友だちづくりを進めた日々。
くたくたですが、土日はWEST.のライブで新潟に行くぞ!

4月8日(月)

この日記を書いているのは10日の水曜日なのですが(毎日コツコツが苦手なタイプ)、月曜日の記憶がさっぱりありません、、。
たぶん事業計画書と予算の収支計画書を書き上げるためにひたすら役場にこもって作業していたと思います。

誰と何の話をしたかもあいまいですが、上司とこの日の午前中に、5月3日に行われる予定の「金山街市」というマルシェイベントについて話していた流れと、私の事業計画書に「金山町には書店がないから書店やりたい」的なことを書いていた流れで、上司より「自分で屋号もって書店やっちゃいなよ」と言われ、その場で屋号をきめて本屋をすることになりました。

屋号は「かぷりば」。
こういうのは勢いが大事だから10分で考えろって上司に言われたので、いろいろ高速で考えたのですが、本屋をするにしろ何をするにしろ、願いは人が集まって交流が生まれる拠点が生まれること。そしてつくるなら、金山らしさを大切にした場所にしたい。
私が所属する産業課の皆さんといろいろ考えて、carp(カープ)=鯉・river(リバー)=川で「かぷりば」になりました。
金山町と言えば鯉が泳ぐ用水路の「大堰」が有名。鯉は商売繁盛の意味もあるし、川村がやる店だから「川」も入れてみたらいいかも。まちなかは農業用水路を通じて水がめぐっていて、金山川もあるし、水関係の単語入れたいところでもある。
本屋以外にいろいろやる時も、BAR営業するなら「かぷりbar」、リサイクルショップするなら「かぷReば」、なんかクローズドなイベントをするなら「かぷり場」?など、いろいろアレンジがきくかなって10分で考えました。

なんかダサい名前だなって思われたら恥ずかしい。

さっそく本屋をやっている大学の同期に電話をして、まずは5月3日の街市に協力してくれるとのことでした。持つべきものは友達だ。ありがとう。

4月9日(火)

協力隊の先輩・本間さんと町内を挨拶巡り。
今日は金山町でつる細工をやられている方のお家へ。アケビや葡萄のつるを編み込むなどして、籠やお弁当箱、リースなど大小さまざまな作品を制作しているとのこと。

「売ってないものが好きなのよ」と言って、自分で生み出したものを嬉しそうに説明してくれる。いちど作品づくりを始めたら止めないというポリシーらしく、2日間寝ずに作品をつくって具合が悪くなったとも話していた。

この方の話を聞いていると、朝ドラ「カーネーション」の主人公を思い出した。これ好き、これできるかも、と思ったものに飛びつく力と、飛びついたものを飽きずにのめり込んで続けていく力が、この方にも「カーネーション」の主人公にもある。私は飛びつくことはできても続けていくことは苦手なんだよなあ。今年の目標は、やると決めたことはやり抜くこと。この日記も、1年間続けられるように頑張る所存。

4月10日(水)

午前中、蔵の会の皆さんによる街並み案内に同行させてもらった。
蔵の会さんについては以下にまとまっているが、「金山町に来てくれた皆さんにどんなおもてなしができるか」と考え、街並み案内を始めたそう。お金は貰わないというポリシーで活動していたらしい。

金山に来てくれた人に楽しんでもらいたい、喜んでもらいたいという思いがあってかつ、自分たちで手を動かして活動を長年続けるということがどれほど大変で、尊いことか。私が手本とするべき先輩たちだ。
でも私はどうにかしてお金を稼いでいかないと生活が成り立たないので、お金と気持ちと行動とのバランスが難しい。


お昼は協力隊の先輩にして、イワナの養殖業の継承に取り組む池田さんのもとへ。新たに開発したイワナ新商品の試食会とのこと。
イワナの開き、甘露煮、炊き込みご飯などなどを食べさせていただいた。どれも美味しい。
アンケートもしっかりと取っていて、「この商品に需要はありそうか」「この商品に期待することは」「いくらなら買うか」などバリバリビジネスを意識した質問が並ぶ。
好きという思い、まちの力になりたいという思いをカタチにするには、お金、ビジネスという観点や、マーケティング能力は必要不可欠だ。
ブランディングとかの本、買おうかな。

4月11日(木)

今日の午前中は、大綱引きのリハーサル。5月3日に開催される「金山街市」にて大綱引きをやるらしく、そのシミュレーションに参加。
私が所属する産業課をはじめ、総務課や教育委員会の方々などが参加したが、みんな驚くほど仲が良さげ。もはやみんな親戚なのでは、と思うほど距離感が近い。
というか、この町に生まれ育った人たちはみんな親戚みたいなもので、「なんとかさんの家のなんとかさんの息子・いとこ・姪っ子のなんとかだ」「なんとかさんの家の隣のなんとかさんのところの子か」などの会話があちこちで聞こえる。
その近さは憧れでもありそこに入って行きたいという思いを強く持つ一方、やはり町になんの血筋もないと、移住1週間や2週間そこらではとても入っていけない。みんな仲良くしてくれるけど、深く入り込めない壁みたいなものを感じるとどこか少し寂しくて、落ち込むこともある。でも、協力隊の先輩の本間さんは「2年目にもなればなんとなくどこの誰がどことつながっているかわかってくるよ」と明るく教えてくれた。
よし、徐々に馴染んでいけるように友だちづくり頑張るぞー!と思いながら歩いていたら、私の心の拠り所「森の図書館」によく遊びにくる男の子が道路の向こうから「よっしー!」って手を振ってくれた。
その声に死ぬほど救われた。ありがとう。

4月12日(金)

今日は打ち合わせデー。

午前中は、金山町の観光情報を今までにない形で切り取り発信している「K-hour」プロジェクトに関することの打ち合わせ。K-hourプロジェクトが何かと言われると説明するの難しいな、と今まで思ってきたが、今日なんとなく言語化できた。
金山町には派手なものがないし、某夢の国のようなザ・観光名所はない(地元の方の言葉そのまま載せました)が、金山に来る人は「落ち着くまちだ」と言って喜ぶらしい。地元の方の言葉を借りると、「金山町には派手なものはないけど、嫌なものもない」(ニュアンス)。不快なものが目に入らない。美しい街並みと水のせせらぎと澄んだ空気、大自然を感じ、落ち着くのだろうと言う。観光地というより、暮らす場所。
PR方法としては、SNSも静かに、美しい景色を美しく切り取り写真・動画として載せる。「こんな景色を実際に見たいな」と思ってもらえる、観光らしい観光はしないようなまちだからこそ「金山ってこんな楽しみ方ができるんだよ」と伝えられる。そんな媒体、プロダクトを制作してきたのがK-hourなのかな。
違かったらすみませんが、このコンセプトを受け継ぎながら、今年のK-hourプロジェクトをカタチにして行きたい。



午後は関係人口の受け入れ事業に関する打ち合わせ。
このプロジェクトをメインで仕切るのは、新庄市のもと協力隊の女性。いろいろと私が金山町でやりたいことや、実際にやることになったこと、楽しいことや不安に思っていることを素直に打ち明けたら、参考になる答えがたくさん返ってきた。その中でも印象に残る言葉は「安定があるから遊びがある」。本当にそうだと思った。生活できるだけのお金が毎月入ってくる、社会保険や年金といった制度にちゃんと加入できている、組織に守られている、相談できる相手がいるなどの生活の基盤が整っている安心感がないと、「何かやるぞ!」みたいな気持ちは生まれない。生まれていても余裕がなくてできない。
今は3年の間は確実に役場という組織に守ってもらうことができ、何かと雑談ベースで相談できる上司がいるから、安定があるうえで自分のやりたいことやできそうなことにチャレンジできる、安心して遊べる。
こんなに素晴らしいことはない。今の日常に心から感謝している。

安定があるから遊びがあるを痛感する日々

移住してというより、役場の所属になったことでものすごく気持ちが安定した。協力隊の制度上、給与が高いということはないが、確実に毎月給与が入ってくるし、活動費から家賃や車代、立て替え経費は清算できるので、自分の懐からの持ち出しはほとんどない。保険関係もばっちり。
私が社会人になって痛感したことは、私は安定した生活基盤があるからこそ、面白いことをしたいと思える、というタイプだったということ。
今の環境は、現状、私にはぴったりだ。

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