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友達紹介セールス 掃除機が30万円

 鍋の蓋までがステンレス製で毎回蓋を取るのに鍋つかみを使わなくてはいけない無水鍋。学習能力が高くない私は激しく湯気が立っている鍋を見て焦っては火傷しかける、というのを繰り返す毎日。(沸騰しかけだと素手で蓋が持てるくらいだから)

今朝もそうでした。

この30万円の掃除機セールスに対して、断り切れずに買っちゃったのか、家にまで上げて無料プレゼントまでもらった上で断ったのか、というご質問をいただきました。

ちなみに、そのご質問を下さりこの記事を書く事を導いて下さったぱわ太【人生を楽しむ河童】さんはいつも優しい励ましを発信されている介護士さんです↓↓

 確かにこの30万円掃除機の売り込み方法は、ちょっと変わっていました。昔から怪しげな手口が多い(?)訪問販売

 昔大学時代、一人暮らししていたアパートに布団の押し売りに来られて、100万円もする布団を「買わない」と言ったら、自分が勝手に来て、家に上がり込んで布団を出しておきながら、「こんなデカい物をわざわざ此処に運ぶのに、俺がどれだけ大変な思いをしたかわかってんのか?」とスゴまれた事を思い出しました。(買いませんでしたが)

 まず、この30万円の掃除機というのは、布団ダニも吸い取れる、吸い込み口を上に向けて置いておくと空気中のホコリや細菌をも吸い取ってくれる空気清浄機としても使える、という謳い文句の代物。大きさも空気清浄機並みのデカさです。

この事件は、私が日本帰国中に発生しました。

何でもこの掃除機、値段が値段なだけに紹介で話が回ってきます。ある日、旦那Kの下に、Kが自分で会社を開くキッカケとなる仕事をくれた恩人から電話がかかってまいりました。

「こういう掃除機があるんだけどさ~、誰か友達紹介しなくちゃいけなくて、お前のトコ紹介しといたから。別に無理して買わなくてもいいけど後よろしく。」と。

そしてデカい掃除機を抱えたセールスマンがうちにやって来ました。

「ま~高いからね~。無理して買わなくていいんだけど、とりあえずデモンストレーションと称して、お宅をタダで掃除して差し上げますから。」

と言ってセールスマンは家を掃除し始めました。ソファや掛布団や枕、ベッドマットなど。そして溜まったゴミを見せてくれます。見た目にわからないホコリやダニなどが結構取れていました。

「買います?やめとく?あ、コレ、掃除機デモンストレーションさせてくれたお礼の無水鍋ね。デモのお礼だから買わなくてもコレは差し上げますよ。」

とセールスが小振りの鍋をくれました。それがこの火傷要注意鍋。

「ま、コレは掃除とか掃除機云々じゃなくて、やっぱり人間空気が大事ですからね。この空気をきれいにキープ出来るかどうかが健康の決め手ですからね」
とセールスはこともなげに言いながら掃除機を片付けます。

「今日はありがとうございました。どなたかこういう掃除機を求めていそうなお友達とかいらっしゃったらご紹介いただけないでしょうか

そしてKは昔の職場の元同僚を紹介したそうです。

友達間では「掃除機セールスが行くけど、高いし別に買わなくていいよ。でもベッドマットとかタダで掃除してもらえるし鍋ももらえるよ。セールスもしつこくないし。」と、非常にフランクな形で申し送りがなされ、次へと繋がっていくビジネス形態なようでした。

「下手な鉄砲 数うちゃ当たる」

という言葉があるように、しつこくないセールスも鉄砲を数多く撃たせてもらうための戦略のようです。

いつもは「安物買いの銭失い」スタイルのKも「あの掃除機は悪くなかった」と言っておりました。

押しつけがましいという悪い印象を与えない。これもしつこくないセールスの賜物でしょう。

イヤイヤイヤ、うち空気清浄機あるし。
そんなデカイ掃除機買うくらいなら今どき布団ダニも取れる掃除機なんて小型でいっぱい良いのが出てるみたいですけど?

ネズミ講とは、ちょっと違う…ある意味、キズナビジネス?!って感じでしょうか…?

ちなみにうちは買いませんでしたが、うちの前後、うちを紹介したKの恩人もKが紹介した元同僚も、この掃除機を買ったそうです。

でもタダとは言えくれるモノとは言え、こんな不親切設計の鍋である辺り、メインの品が痒いところに手が届く親切設計とは私にはとても思えませんがね。

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ヘッダーの写真は2012年に香港で開催されたアート博覧会で見た作品です。マウスで鼠の不気味さを表現した作品でした。

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