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天才はしつこいのだよ。
by トーマス・エジソン
何百回、何千回と失敗して漸く電球を発明した彼の言葉は心に響くのではないだろうか。
いつ辞めるかは、自分次第。 物語にしても、絵にしても、どこで完成したか決めるのは結局自分なんだな。
どうせなら、とことん目の前の作品と向き合って、美しいと思える作品になる様に磨き上げたい。
文章もアートの一部分なんだから。わたしはそう思う。
新鋭snsのbajjiについて
マイクロソフトのスタートアップ企業に選ばれたbajji。
人と人との信頼度を測るツールのようだ。どんなsnsだろうかと興味が湧きやってみることにした。
他のsnsと違う点は、実際に会って友達申請しないとつながれない点だ。まさにアナログである。それがゆえに会うたびにエンカウント(あいさつ)して行くと、その人と何回会ったかが分かる。信頼や感謝の証を示すバッジを送り合う事も出来るのだ。
まだ出来る
『月夜の叫び』(掌小説)
雨上がりの晴れた空に大きな満月が世界を照らす夜、残業を終えたサブローは空を見上げることもなく、月の光を遮るネオンと、コオロギの鳴き声をかき消す店の営業曲が跋扈する繁華街を通り抜けて一目散に待ち合わせの場所に向かった。そして学生時代の友人達と落ち合い、カラオケ店に入った。
友人達が次々と叫ぶ曲名を調べ、サブローが機械に入力していく。
そのとき、隣の部屋から女性のシャウトする声が聞こえてきた。
「すん
『触れる指先が熱をもてば』 〜テーマ性愛〜(掌小説)
蒸し暑い、寝苦しい夜。何度寝返りを打ったのか。最初は数えていたが、もうどうでもよくなってしまった。それと同じくらい、目の前にある妻の寝顔を見ても、何の感慨もわかない。お互いに誘い合うことなんて、頭にもない。ひと言ふた言、気のない惰性で言葉を交わし、「おやすみ」と言って目を閉じるだけ。妻は隣に僕がいなくても、気が付かないかもしれない。いや、それは僕も同じだけど。
性欲が消えてしまったというわけではな
インスピレーションストーリー第2弾『manda-la』(あとがき)
この絵を見て物語を作って欲しいと言われた時はどうしようかなと思ったが、直感を頼りに細い紐を手繰り寄せるように書いていった。作品は1日で完成した。
できた作品を相手に渡した後、読んで頂いた感想は、「子宮が痺れてくる。涙が溢れてきた。」
好意的に受けとめて頂けて、私も嬉しい限り。挑戦してよかったと思っている。
次からは、短編小説を書いていきます。
【manda-la】(後半)
「輪」であるからして、始まりも終わりも無いように思えるが、しかし宇宙の始まり、生命の始まりは必ずどこかにあるはずだ、と考える者も存在する。
どこかに始まりがあって生命というものは生まれたのではないか、という疑問だ。
それでは始まりはどこか。我々の生命の源は何か。
小さな細胞から誕生する生命の、その細胞は一体どこからやって来たのか。
ひとたび考えを巡らせてみれば、まるで真っ暗闇の、それこそ
【manda-la】(前半)
暗闇の中に膝を抱えるようにうずくまるような形で、胎児は子宮の中で母の深い愛情を受けながらその命を育む。
光の無い羊水の中で静かに育まれるその命は、やがて光に満ちたこの世界に力強く羽ばたくための準備を着々と進め、そして満を持して太陽の光のもとに産み落とされる。
生命は不思議だ。
2つの遺伝子が出会い、そこから細胞分裂が始まり、生命は産まれ、そして育まれていく。
それはまるで万華鏡のように、流
インスピレーションストーリー第1弾『龍の魂を授かった娘』(あとがき)
友人の絵画の個展を見に行った際に、絵に触発されてこの物語が浮かんできた。
そしてこの物語を書いて友人にプレゼントした。
人が作った作品から、刺激をもらい新たな作品ができる。作家同士の贅沢なコミュニケーションなんだと思った。
友人がこの物語をSNSにアップしたところ、友人の友人から、私の作品をみて書いてほしいという依頼があった。
今回のは、抽象度が高く今まで書いた中で、とびきりの難易度だった
『 龍の魂を授かった娘(後半) 』
そうこうしているうちに、娘と男性は親密な関係となっていった。娘の父親もそんな二人の様子を微笑ましく見守っていた。
互いに惹かれ合っている事に気付くのにそう時間はかからなかった。
ふたりは恋に落ち、愛を語り、やがて娘はひとつの命を宿した。それは、宵闇に淡い乳白色の光が差し込んだ時の事だった。愛する男性と結ばれ、娘は幸せの絶頂だった。
娘と男性はお腹の子が育っていくのを大切に見守り、娘の父親もまた、孫
『 龍の魂を授かった娘(前半) 』
宵闇に、天より淡い乳白色の光が差し込んだ時――。
村で暮らす年ごろの娘が、龍の魂を身に宿すという伝説がある。
龍神様を祀り、昔から大切にしてきた、古き村の伝説……。どこにでもある民間伝承だが、実際にこの村では宵闇に不思議な光がゆらめくことが多々あることから、“若く美しい女性が身ごもるのは、龍神様の魂が宿った証”とまことしやかに囁かれていた。
村には誰よりも美しい白い肌を持つ娘がいた。雪のようでも