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アルバムレビュー

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漫然とアルバムを聴いていると印象を忘れてしまうので、アルバムを聴きながら1曲づつ感想を書き留めてみることにしました。特にジャンルレス。その日選んだアルバムを聴いてレビューしていき… もっと読む
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#プログ

Persefone / Metanoia(2022、アンドラ公国)

Persefone / Metanoia(2022、アンドラ公国)

プログレッシブメタルおススメ度 ★★★★☆

かなり神聖かつ荘厳なオープニングでスタートするアルバム。そこからデジタルビートが鳴り響き、だんだん加速していく。映画的なオープニングからゴリゴリのテクニカルプログメタルへ。今作はドラマティックさを増しているようだ。

Persefone(ペルセフォネ)はアンドラ公国のバンド。アンドラ公国というのはヨーロッパの小国でフランスとスペインの国境にある。中世の

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Cynic / Ascension Codes

Cynic / Ascension Codes

総合評価 ★★★★☆

作りこまれたアルバム。囁き系テクニカルデスメタルというか、暴力性を極力除去したテクデスとでも言った音像。ボーカルは基本的にウィスパー系で、アンビエント的な響きに徹している。音作りもジャズロック寄りのプログレというか、それほど耳に刺さってこないし暴力性は感じないのだけれど曲構造そのものはかなりテクニカルでメタリック、激しく各楽器隊がせめぎあっている。なので、聞いていると耳には

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Vildhjarta / måsstaden under vatten

Vildhjarta / måsstaden under vatten

総合評価 ★★★★☆

思わず語りたくなる作品。気がついたらかなり長文の記事になっていました。謎というか、問いかけてくるものが多い作品。稀有な音楽体験。

これも昨日のコンヴァージとチェルシーウルフの作品に続き、「ヘヴィさ」とは何かということを追求した作品だと感じた。こちらは精緻な抽象画のような世界観で、一つ一つとしてはきちんと輪郭があるのだけれど全体として見たときにはさまざまな要素が混在、共存し

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Omnium Gatherum / Origin

Omnium Gatherum / Origin

オムニアム・ギャザラムは、1996年秋に設立されたフィンランドの5ピースのメロディックデスメタルバンドです。他の多くの北欧メロデスバンドと同様に、アルバムリリースを重なるにつれてプログレッシブな要素が増えている様子。どんなバンドでもそうですが、作品を重ねるうちにマンネリを防ぐために音楽性を変化させる、新しい要素を取り入れて変化していきます。北欧エクストリームメタル、メロデスはシーン全体でだんだんと

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Leprous / APHELION

Leprous / APHELION



レプラス(ハンセン病、という意味)は2001年にノルウェーで結成されたポスト・プログメタルバンドです。ボーカル兼キーボード奏者のエイナー・ソルベルグとギタリストのトール・シュルケによって結成され、いくつかのラインナップの変更がありつつ2009年にデビューアルバムを発表。その後、元エンペラーのイーサーン(ソルベルグの義理の兄弟:イーサーンの妻、スタロフェッシュはソルベルグの姉妹)のバックバンドと

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portrayal of guilt / We Are Always Alone

portrayal of guilt / We Are Always Alone



Portrayal of Guiltは、2017年にテキサス州オースティンで結成されたアメリカのハードコアパンクバンドです。スタイル的にはコンバージやオースブレイカーなどのポストハードコアバンドと比較され、「ブラッケンド・スクリーモ」とも呼ばれています。本作はセカンドアルバム。全9曲26分と短めの曲が並んでいて激烈そうですね。ジャケットとタイトルに惹かれたので聞いてみます。

活動国:US

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Dream Tröll / Realm Of The Tormentor

Dream Tröll / Realm Of The Tormentor



Dream Tröllは2015年にUKで結成された正統派HMバンドです。NWOTHMのカテゴリ(タグ)でBandcampでセールス1位。2021年と最近のリリースなのにオールタイムで1位はなかなか凄い。NWOTHMってニッチなジャンルですが、それなりにBandcampにバンドもいる中で急上昇しています。あまり情報がないバンドですが、Metallumによれば本作が3作目。公式Tシャツでこんなデ

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Genghis Tron / Dream Weapon

Genghis Tron / Dream Weapon



ジンギス・トロンはUS、NYの4ピースのエクスペリメンタル(実験的な)ロックバンドです。2004年から活動を開始し、2006年、2008年にアルバムを出した後2010年に休止。2020年に再始動し、2021年に13年ぶりのニューアルバムをリリースしたのが本作です。エクストリームロックと電子音楽を組み合わせ、催眠的リズムと重層的なシンセサウンドを生み出した、とリリースノートにはあります。早速聞い

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Jane Getter Premonition / Anomalia

Jane Getter Premonition / Anomalia



'98年にCDデビューし、これまでソロ3作をリリースしている、米(NY)の女性ギタリスト、ジェーン・ゲッターが、新たに結成したリーダー・バンドのサードアルバム。「アヴァン/エクスペリメンタル/テクニカル要素を融合/反映したCross Over/Fusion路線をベースにしつつ、前作でも味わえた自身のギタリストである要素とヴォーカルまで柔軟に取り入れてのメロディアス/ロック志向をさらに押し出した

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CANVAS SOLARIS / Chromosphere

CANVAS SOLARIS / Chromosphere

CANVAS SOLARISはUS、ジョージア州のプログレッシブメタルバンドです。1999年結成、2011年に一度解散したものの2014年から再始動。本作は11年ぶり6作目の作品です。2016年にはほぼ原形は出来上がっていたようですが、スタジオでの制作に時間がかかり3年間にわたって様々なスタジオで録音を続けたそう。2019年にミキシングに入り音源を完成させた後、古巣であるTribunalRecor

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INTERLOPER / Search Party

INTERLOPER / Search Party

Search Party(捜索隊)と名付けられた1stアルバム。INTERLOPER(侵入者)は元Rings Of SaturnのMiles Dimitri Baker (ex-Rings of Saturn, ex-Ænimus), Aaron Stechauner (ex-Rings of Saturn, ex-Abiotic) と、Andrew Virrueta (ex-Sea of Ski

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Sithu Aye / Senpai III

Sithu Aye / Senpai III

一部界隈で話題だったらしいSithu Ayeの「Senpai」シリーズ第三弾、今までのEPではなくフルサイズのアルバムです。2021年リリース。パブリブから出版された脇田涼平氏の「DJENTガイドブック」でも取り上げられていました。Djentって一定数、日本のアニメやゲーム文化に影響を受けたアーティストがいるそう。イギリスではアニメオタクのことを「weeaboos」や「weebs」と呼ぶそうです。

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Frost* / DAY AND AGE

Frost* / DAY AND AGE

フロスト* (Frost*)は、2004年にキーボーディスト、コンポーザーのジェム・ゴドフリーと、アリーナ、キノ、IQといったバンドのメンバーによって結成されたイギリスのプログレッシブ・ロック・スーパーグループで、2006年デビュー。本作は2016年以来のリリースで4作目。良質なプログレをリリースし続け、プログレ好きから多大な評価を得ているバンドです。

1. Day And Age 11:49 

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Pyramaze ‎/ Epitaph

Pyramaze ‎/ Epitaph

Pyramaze(ピラメイズ)は2001年結成、2004年デビューのデンマークのバンドです。音楽的にはパワーメタル。プログメタル的な音像に、目ロディックハードロック(メロハー)クオリティの歌メロが乗る。同じデンマークのプリティメイズにも近いといえば近いかもしれません。本作は2020年発表の6作目。2011年に一度バンドメンバーが離散したようで、4年の活動休止を経て2015年から現ラインナップで活動

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