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マネジメント、組織論の歴史。〜効率化(科学的管理法)の父、フレデリック・テイラーの考え方→「人間関係重視」への転換。

今回はざっくりいうと、1880年代にフレデリック・テイラーが、工場の効率化のために、分業をはじめとする管理法を確立した。これが、生産性UPの元祖とも言える考え方だったようだ。

しかし、その後1924〜1932年に「ホーソン実験」がアメリカのシカゴのウェスタン・エレクトリック社のホーソン工場で行わると、そこでは、管理法よりも、職場の人間関係が工場の生産性により大きな影響を与えていたことが明らかになった。


フレデリック・テイラー

フレデリック・ウィンズロー・テイラー
Frederick Winslow Taylor
1856年3月20日 - 1915年3月21日

アメリカ合衆国
技術者(技師、エンジニア)、経営学者。
科学的管理法の発案者。
現代においては「科学的管理法の父」と称される。

フィラデルフィアの裕福な家庭に生まれた。
弁護士であった父の跡を継ぐために、ハーバード大学の法学部に入学。
しかし、目の病気により大学を辞め、弁護士への道を断念。

1874年
機械工見習いになり、工場条件を学習
エンジニアとしての資格を得た
フィラデルフィアのミッドベール・スチール社に作業者として就職
職場の組長に取立てられた

6年の間に「テイラー工場システム」(科学的管理法)の実践
→工作機械の改良や作業工程の改善


「組織的怠業」を打破し、労働コストの削減を達成
その功績により、主席技師(職長)に昇進


ミッドベール社在職中に高速度鋼を発明
約200の特許を取得
後にコンサルタント業として独立する際の基礎に
在職中にスティーブンス工科大学から工学修士の学位を受けた

※マネジメントにおいても、「古典から学ぶ」ことが重要!

「時間-動作研究」

time-motion study
一流作業員の一連の作業での動きを、1つ1つの個々の動作(要素作業)へと分解し、それぞれを緻密に計測
→作業を最短の時間で無駄なく効率的に仕上げるにはどうすればよいかを探究しようとした。

テイラーの考案した効率化の案

差率出来高賃金

賃率に差違を設ける出来高給の賃金制度
標準として定めた目標を達成できた労働者と、達成できなかった労働者とで賃率を変える(※「賃金」ではなく「賃率」)

例)課業を製品10個生産するのがノルマ
「10個」(どんな怠け者の労働者でも、頑張って最低10個生産は出来るはず)に至るまでは緩やかな賃金の上昇の仕方。しかし、10個を超えると急に賃金が上がっていく(=インセンティブ賃金)

分業の原理

あらゆる作業は分業をして、同一作業を継続的に行うことで作業効率向上

■まとめて作業
コインを1枚ずつ「表→裏」は遅い。その都度違ったスキルを分散して使うより一気に集中した方が効率的。違う作業に移行する際にかかる手間や時間を省略することで、集中的に作業に取り組める。(=シングルタスク化)

作業現場で働く人たちは、一切頭で考えることなく体を動かして作業だけに専念するべき
→「計画部」という部署を組織に設置して、一切の管理的業務を任せる

職能的職長制度

「職務はできる限り特化されるべき」という考え方
これをマネジメントにも適用

例)
典型的な工場職長の仕事=多数のさまざまな機能の複合
→コスト係、準備係、検査係、修理係、手順係、訓練係などの職能に分ける

小学校:1人の担任教師が全ての科目を教える
中学校・高校:異なる科目ごとに専門の教師が教える
→後者の方が効率が良い、専門性も高くなる

命令一元性の原則

・作業員が、複数の職長から指示を受けなければならない場合
・不統一で矛盾した指示が出される場合
どの指示を聞けば良いのか困ってしまうから職場全体が混乱

指揮命令系統の統一
企業における最重要な組織原則。
現代企業では職能的職長制度のような仕組みは採用されていない。

テイラー「マネジャーの仕事まで専門特化すべき」
職能ごとに「分けた」マネジャー特化の人間を設ける!

テイラーの分業の原理、まとめ

「分ける」という動作の重要性!

例)①
作業員の中でも「標準達成 vs 標準未達成」
「よく出来た人と出来ない人とを分ける」

例)②
構想と執行の分離
「命令する人(マネジャー)」vs「命令に従う人(作業員)」

根本的な発想
一緒にいろいろな要素が雑然と混じり合っている事象を、何らかの基準のもとに「分けること」が有効。

部分最適の寄せ集め=「全体最適」

日本などの東洋諸国
必ずしも「分けること」のみを良しとしない哲学
・全体を感覚的に掴んで理解しようとする傾向にある。
・「分けた各部分の部分最適を統合した全体最適化」の発想が薄い

例)日本企業
分業の体制が緩く、"遊び"が多い

ホーソン実験

ホーソン実験(Hawthorne experiments)
シカゴ郊外にあるウェスタン・エレクトリック社のホーソン工場で行われた一連の実験と調査。(1924〜1932年)

当初は物理的な作業条件と従業員の作業能率の関係を分析する目的で、社内的に照明実験が行われ、次いでリレー組み立て実験が開始された。

この時期からハーバード大学のエルトン・メイヨー、フリッツ・レスリスバーガーらが研究に加わり、さらに面接調査、バンク配線作業実験という一連の研究が行われた。

この研究の結果「労働者の作業能率は、客観的な職場環境よりも職場における個人の人間関係や目標意識に左右されるのではないか」という仮説が導き出された。

また、集団内には「能率の論理」に規定される非公式組織(インフォーマル・グループ)が存在すること、非公式組織における仲間意識や集団内の規範が作業能率に影響を与えることをメイヨーは突き止め、人間関係論を展開した。

20世紀初頭に科学的管理法がフレデリック・テイラーによって提唱されて以来経営管理論の主流だったが、この実験以来、人間関係論へと移行した。

各種実験内容

●照明実験
工場の照明と作業能率の相関関係を調べることが目的の実験
照明を明るくした場合:従来より高い作業能率となった
※照明を暗くしても従来よりも作業能率が高くなることが計測された。

●リレー組み立て実験
賃金、休憩時間、軽食、部屋の温度・湿度など条件を変えながら、6名の女子工員が継電器を組み立てる作業能率がどのように変化するかを調べた。しかし、どのように変更を行っても実験が進むにつれて作業能率は上昇。途中でもとの労働条件に戻す形の条件の変更を行った場合にも、作業能率が上昇した。

●面接調査
延べ21126人の労働者に面接して聞き取り調査を行った。その結果、労働者の行為はその感情から切り離すことができないこと、職場での労働者の労働意欲は、その個人的な経歴や個人の職場での人間関係に大きく左右されるもので、客観的な職場環境による影響は比較的少ない、という結果となった。

●バンク配線作業実験
職種の異なる労働者をグループとして、バンク(電話交換機の端子)の配線作業を行い、その協業の成果を計測しようとした実験だった。結果、各労働者は自分の労働量を自ら制限しているとわかった。品質検査では労働者の仕事の質だけではなく、検査官と労働者の人間関係が評価に影響する。労働者の時間当たりの成果の差違は、労働者の能力的な差違によるものではなかった

さいごに

最近はお勉強したことをわかりやすくみなさんに伝えることで、結局自分の理解度がUPするから、みんなハッピーだよね?という発想で色々お勉強系のコンテンツをnoteで書いてます。

普段の自分の感情とか意見とかを書くのも楽しいですが、フワッとしたことばっかりやってても、なんだかバランス悪いなと思って、こういう具体的なカッチリした知識も入れるように最近はしています。

内容はなんであっても、やっぱり書くのは楽しいですね!自分でも、また見返したときにわかりやすいように、と気を付けると、みなさんにとってもわかりやすくなると思うので、これからも改善を続けます!体裁とか、まとめかたの自己満足、小中学校でノートの取り方にえらくこだわって楽しんでいた時のことを思い出しています。

今回の内容、いかがでしたか?ご自身の経験と結びつくような内容はありましたか?もしあれば、コメントで教えて下さいね!それによって、普段全然聞かない話を、はじめましてのnoterさんから聞かせてもらえて、新しい発見に繋がるのが大好きです。そして、関連して思ったこと、考えたことももしあればお気軽にコメント下さいね(とりあえずコメントと反応が欲しいマン)

最後まで読んでくださってありがとうございます!
また次回のnoteでお会いできるのを楽しみにしています👋

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