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2022年12月の記事一覧
読書日記『Self-Reference ENGINE 』(円城塔,2010)
友人に借りている。「理解することができないが、これを理解して読むものなのかもわからない」小説ってあるよね、みたいな話のなかで、友人から円城塔の名前が出てきた。私は未読だったので貸してくれたんだと思う。
エピローグ、短編が20篇、プロローグ、そして解説という構成だ。
簡潔に感想を述べれば、意味がわからなかった。なのに面白い。文字列や文章としては理解できてる(と思う)けれど、短編それ自体は理解でき
読書日記『恋と禁忌の述語論理』(井上真偽,2018)
2015年講談社ノベルスとして刊行されたものの文庫。加筆修正されている(らしい)。井上真偽は本書で第51回メフィスト賞を受賞してデビューしている。
主人公である大学生・詠彦(えいひこ)くんが遭遇した事件を、叔母の数理論理学者・硯(すずり)さんに持ち込み、探偵の推理が正しいかを検証してもらうという話。中編3本とエピローグ的1本で構成された連作長編だ。
*以下、詠彦くんが持ち込んだ事件、および硯さ
つぶやき 本の海を泳ぐ
幼い頃の読書は行き当たりばったりであった、とふと思い出す。そこらへんにある絵本や児童書を手当たり次第に読んでいた。読むか読まないかの基準は、読めるか読めないかの基準と一致していた。
叔父の本棚という発掘場を見つけてから、著者という軸ができた。これは整理魔の祖父が著者順できっちりと本棚を整理するからだった。(ありがとう祖父。)
それと同じ頃(だと思う)、図書館の検索機を使えるようになった。それか
読書日記『小説という毒を浴びる 桜庭一樹書評集』(桜庭一樹,2019)
装画はヒグチユウコ。たぶん桜庭一樹を知らずとも、このかわいい装丁に惹かれて手にとっていただろう。
しかし、生憎(?)桜庭一樹が好きだ。特に読書日記は中高生の時にハマり、紹介されている本をノートに書き付け、図書館で借りられるものを見つけては、借り続けた記憶がある。(そういえば、そのノートにもヒグチユウコのイラストを切り抜いて貼っていた。)
この本は読書魔・桜庭一樹の解説、リレー読書日記、書評、対
読書日記『このゲームにはゴールがない ひとの心の哲学』(古田徹也,2022)
私には、自分の心も、ましてや他人の心はもっとわからない。けれども、自分を含めてたくさんの人たちのことを知りたい、わかりたいと思う。あわよくば「私のことをわかってほしい」「わかりあいたい」とさえ思っている。
わかりあうためには、(言語であれ、非言語であれ)コミュニケーションが必要だと思っている。コミュニケーションは、どれだけ気をつけていても暴力的で、全てを伝えるには不十分だ。そう考えているのに、「
読書日記『ベーシックインカム』(井上真偽,2019)
井上真偽2冊目。
バイトの休憩時間に読もうと思うと短編集くらいがちょうどいい。平日は小説系、土日はちょっとお堅い本という読書ルーティンができつつある。
表紙、中表紙にはトレーシングペーパーを使っていて、おしゃれ。謳い文句は「SF×ミステリ」。
もうこの時点で結構好きになっている。
ネタバレしないように配慮して感想を書こうと思うが、勘がいい人にはネタバレになってしまうかもしれない。
言の葉の子