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つぶやき 本の海を泳ぐ

幼い頃の読書は行き当たりばったりであった、とふと思い出す。そこらへんにある絵本や児童書を手当たり次第に読んでいた。読むか読まないかの基準は、読めるか読めないかの基準と一致していた。

叔父の本棚という発掘場を見つけてから、著者という軸ができた。これは整理魔の祖父が著者順できっちりと本棚を整理するからだった。(ありがとう祖父。)

それと同じ頃(だと思う)、図書館の検索機を使えるようになった。それから、分類、カテゴリーという軸ができた。(それまでは場所で大体のジャンルを把握するような感じだった。)

その後、ネットを使うようになってから「賞」という軸、作家同士の関係性という軸(というよりレイヤーのほうが感覚に近い)もできた。

そして今、本屋で買うようになってから出版社やレーベルという軸ができつつある。



大学受験を機に読書を諦めてしまい、なかなか読書欲も読書力も戻らなかった。しかし、この秋から読書が日常の中に戻ってきた。

本を読む、それ自体と同じかそれ以上に、この軸たちとレイヤーの海の中を泳ぐ感覚が楽しいのだ。改めて、そして噛み締めるように思っている。


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