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酔いに任せて13も下のおのこに手を出す破廉恥な老害~後編~

ぶつかり稽古とシコ踏みの毎日に明け暮れ、noteの更新より番付の更新を気にしながらチャ○ンコを食っていたせいで、また間がどっぷり空いてしまった。
おっぱいが4つ生育されるという快挙を成し遂げた今、これ以上誇れることなんてあるんか自分に?とブルブルマシンに乗って商店街を練り歩きたい気分だ。
しかし日々薄れゆく記憶を留めておけるのはこのnoteのみであり、案外50年後とかに貴重な資料として落札される可能性も無きにしも非ずなので前回の続きを書いてゆく。
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・5月
痙攣のような参拝欲に抗えず乗り込んだ鶴岡八幡宮。源頼朝ゆかりの地だ。頼朝とは控えめに言っても赤の他人以上の何モノでもない上、誰やっけ?ああ!いい国(1192年)メイキングの人?程度の浅い知識がゆえ、日本史の教科書で撲殺されても仕方のない俺であり、勝負運・仕事運・健康運・家庭円満・縁結びといった諸々のご利益も、期待した瞬間灰にされることがすでに決定しており、許されるのはただ黙々と参拝し、せめてもの賽銭を方々へ投げ入れるのみであった。

俺がスマホを掲げるたびに殺気を感じたカップルが振り返るので、
“みんなの顔を写さない配慮のできるかっこいい俺”という設定を捨てた
【縁談:きっとまとまる】しか日本語が読めなかった(のでしかたない)

なんと一年ぶりに髪を切った。
ほぼ面会謝絶のまま流れた春夏秋冬であったため、伸び続ける髪を整える必要すらなく、加えて、ここまで伸ばしたんだから元を取らねば…そう、スーパーロングになって渡米、ジャパニーズビューティーで一発逆転!というサンクコスト効果が働き、毎夜俺は全盛期のナオミキャンベルよろしく己の長髪にララララブソングをかましながら眠りについていた。
だが事態は急変する。ある時から突然原因不明の倦怠感・もやもや・頭痛・希死念慮に襲われる日々が続いたのだ。
え?!もしかして閉経?!
思わず身構えたが生理はきちんとやってきた。
やだ!!じゃあ更年期?!
婦人科で診てもらったがどうやら違うらしい。
じゃあ何、もしかして俺死ぬまでこのメンタルで生きる感じ?!やだ待って無理、鈴木亮平かヒュージャックマンに抱かれない限り到底受け入れられない待って無理、横断歩道を渡ろうとしている青年にダンプが突っ込んで来るのを大の字で守った俺に感謝する青年(実はアラブの石油王Jr.)が懐から差し出した小切手100億円を謙遜しつつ受け取る昼下がり、じゃないと無理、到底無理だよ。
友人に相談する。
や「てなわけで謎の怪物と闘ってんねん」
友「こどおば(子供部屋おばさん)が何言うとんねん、順調な加齢やろ」
や「ちゃうわ、ちゃんと自分で家賃払とる自分部屋おばさんや、って言わせんなや、まだおねえさんや」
友「じゃああれやん?除霊かお祓いしてもろたらええやん?」
や「え?恐山とか行かなあかんやつ?」
友「それイタコな、しかも霊降ろしてくる方な」
や「そっか、でも俺毎月神社とか行ってんで?いちおう祈祷もしてんのに」
友「それちゃう?神社とか行ってるからやん逆に。もろてきてんちゃうの?」
や「え?!下々の邪気を?!この俺様が?!」
友「おいこらジャイアンwww貴族ぶんなよ引きこもりがwww」
や「せやけどそれあり得る、うん、あり得るあり得るアリエール生田斗真やん!」
友「ちょ、かましてくんなおばギャグwwwあ、ほら書いてんで、自宅でできる邪気の払い方、落とし方….」
送られてきたURLを開くと、様々な除霊や邪気の払い方が載っていた。
友「あ!これちゃう?“願掛けをする際にも髪の毛を伸ばしたりする方法があるように、髪には邪気や思念が殊更溜まりやすく、そのため散髪などで気軽に邪気払いが出来ます”やって!」
や「待って無理、じゃあ一年も伸ばし放題の俺の髪についた邪気って…ギガ…いや、テラバイトやん…っ!!」

そして冒頭に戻る。
や「ベリーショートにしてください」
担当のお姉さんは心なしか不安な様子で、何度も「ほんとにいいんですか?大事に伸ばしてきたんじゃないですか?いいんですか?」と声をかけてくれたがいいのである、欲を言えば坊主にしたいのでこれでも妥協したオーダーなのだ、いいのである。

誰かを(精神的に)殺したくなった時のために持ち帰ってもいいですか?
とは聞かなかった(し聞けなかった)
1年間ぶら下がっていてくれてありがとう。

途中地震がありサロン内がザワつくというイベントがあったようだが、あまりにも俺が無反応なためお姉さんが“髪を切られてショックを受けているのでは…”と心配になり、「やんさん!大丈夫ですか?お辛いですか?地震もおさまったので安心してくださいねっ!」と鏡越しに小さくガッツポーズをした。寝耳に水だった。
「まじすか!普段部屋でよく揺れてるんで俺だけの揺れかと思ってました!あれみんなの揺れだったんすね!!!髪もいい感じです!ざす!」
そう言ってうなじを撫でると、この日一番の笑顔がお姉さんから溢れた。

・6月
梅雨の記憶がまるでない。ジューンブライドのオファーも勿論なかった。
頭がスースーしていたことだけは覚えている。
母の推しが松坂桃李から松下洸平へ変わった。
や「なんで推し変したん?」
母「だって桃李君、既婚者だもん」
や「え?だいぶ前に結婚せえへんかった?」
母「子供できるまでは頑張って推してた。でも無理、疲れたの。今は洸・平・君。なんたってまっさらなド・ク・シ・ン、だからね!」
推しには結婚しないでいてほしい(子供なんて尚更)というファンの心理は幾つになっても変わらないのか…と寒気がした。
や「自分は結婚して旦那も子供もおるのに洸平君には独身求めるやなんて…卑怯すぎんか?」
母「だって相手のいる人好きになったら…W不倫じゃない!」
へっ…屁理屈っ!!!ババア、屁理屈が過ぎるぞ!!!!
されど推しのいる生活は楽しそうで、機嫌よく長生きしていただけるなら本望っちゃ本望だ。“松下洸平さん…どうか…頑張っ….て…!”と心の中でエールを送った夕方であった。

翌週、とうとう口内のジルコニアを新調しなければならない日が来た。
締めて11万円。一体自分の口座のどこにそんな金があったのか分からないが、今回はATM…じゃなかった両親に頼らずにキャッシュでお支払い。「ほんまに11万ですか?肩たたき券100枚で5万くらい値引きできませんかね?じゃあもみもみ券は?シコシコ券なら…」と最後まで粘ったが全然無理だった。主治医が真っ当な人で犯罪者にならずに済んだのでそれはよかった。

・7月
楽しみにしていたドラマが始まったが、【推しが1話で水死体】というただならぬ展開に慄然とし、どうやってテレ朝を爆発させるかに余念がなかった。ただ、今後推しが生き返るという展開もなくはないのでミサイルは丁重に押し入れに仕舞い込んだ。
翌週、数年ぶりにマッチングアプリで知り合った人と面会した。これまでアプリ活動はしても途中で挫折してしまい実際にお目見えするまでには至らなかった。事前に※ママ活はしておりませんと断りを入れないといけない程の年齢差であったため、そこは入念に問うたが大丈夫そうだったのでカフェで15時に待ち合わせ。アドバンテージゼロと理解しつつも、当日の猛暑で汗だくになり拭き取り作業に時間を要して10分遅刻するという失礼をのっけから働いてしまう。もう帰れよ汁BBA。彼は優しいのでアイスコーヒーを頼んで涼しげに座っていてくれたが、ポロシャツ・短パン・ビーサンの軽装と、己のめかし込んだセットアップ・アクセサリー・ヒールサンダルとの温度差が激しく、引き続き汗が止まらないままの歓談と相成った。カフェなのにグラスワインをお代わりしまくり、どうにか共通の話題を地底まで掘り下げて2時間、「いちおうこの後お店予約してあるけど…どどどどうする….?」というセリフをゲロを5回飲み込んでやっと吐き出せた。「あ、いっすね行きましょ行きましょ~」だいぶ軽い。さすがジェネZジー…(←Z世代の事はこう言えと習った)。 2軒目のスペイン料理屋でも盛大にワインを飲み干した俺は、あとひと絡みしたら訴訟沙汰のウザいBBA日本代表としての貫禄を大いに見せつけムール貝ばかりをやたらと食した。

友「ほんでそのあと潰れた…と?」
や「や、潰れてはない。3軒目に行った居酒屋も覚えてる」
友「てか何個やっけ?何個下?」
や「…13」
友「…ジェイソンやん」
や「え?なに?ステイサム?」
友「ちゃうわ、13日の金曜日」
や「あ~なるほど。まぁそうやな、扱い方の不明さではある意味ジェイソンやな」
友「ほんで居酒屋行って飲んで、で?」
や「気付いたら実家帰りたい言いながら泣いとってん、俺」
友「いやいやなんでやねん!まだらボケにもほどあるわ!」
や「すまんすまんだいぶ飛ばした、たしか俺のタトゥーの話になって、両親は知ってるか?みたいな。で、母は知ってるけど父には1年くらい前にバレて若干気まずい、と。ベリーショートにしてしまったから首とか丸見えでしばらく実家には帰れん、と。」
友「あ~(察し)。で、寂しなって泣いたんや?」
や「いや、そん時は泣かんくて、そっからジェイソンもぽつぽつ両親の話始めて、大学生の時に親が離婚して姉は一人暮らしで、自分は今母親と二人暮らしで~みたいな」
友「で、同情で号泣?同情するなら金あげんと…」
や「知らんやろ、ジェネZジーは家なき子、知らんやろ」
友「やな、安達祐実の軌跡も奇跡も知らんやろな」
や「なんか人の家庭の話聞いてると、改めて自分の幼少期の家庭環境思い出してん…親父のDV地獄やったなとか、おかんは何やっても褒めてくれん人やったなとか」
友「分かるけど。今のうちらの年齢で親やれって言われても無理な話やんか、それをあの人らはやってたわけやから…」
や「そ、今ならだいぶ理解はできる。仕方なかったんやって…」
友「で、泣いたんや」
や「それがちゃうんねん」
友「はよ泣けや!」
や「ごめんごめん、こっからは掻い摘んで話すわ。とりあえず何杯飲んだか分からんけどウイスキーガンガン飲んでだいぶ酔うとって、ジェイソンの話聞きながら昔思い出して、なんだかんだその地続きに今があるんやな~とかポエムひねりそうになりながら顔を見とってんジェイソンの。したら目がな、目が…誘うとったんや、ジェイソンの目が」
友「いやこわっ!!誘われてるってポジティブさがサイコパスすぎんかお前!!!」
や「酒飲んだ俺に正常さなんて1mmもあるかいな!」
友「えー待ってまさかとは思うけどこの流れ…」
や「接吻…かましてもうたんや」
友「なんたる蛮行ッ!!!」
や「そうや!悪いか!俺は酔いに任せて13も下のおのこに手を出す破廉恥な老害や!」
友「愛ゆえに殺す!私が山田浅ェ門佐切やったら今すぐに斬首やッ!!!」
や「なんも言えん!出来ることならしてくれや!」
友「しっかしまぁ嫌がられたんなら今頃お前は留置所やと思うから、そうではなかったんよな…?」
や「うん、むしろ“嬉しいです(ぽっ)”とか言われた….」
友「それも意味わからん返しやな…」
や「そんで1回トイレに立ったら少し冷静になって血の気が引いて、まじで自分の行動の不明さに眩暈がして、なんでキス!なんでいきなりキスした!せめて手握れや!アホ!この色情狂がぁぁぁ!って」
友「やっと自省出来るようなったか…長かったな」
や「どっちにしろやってしまったことはどうにもならんし、向こうも嫌がってないからええかなって」
友「お互い酔っぱらってるしな」
や「席に帰っても頭ん中色んなことがグルグルして、なんでなん×1000みたいになって、で、自己嫌悪の化身になって悲しくて…泣いた」
友「うわっ!!!一番めんどくさいやつ!!!ジェイソンからしたらなんでって感じの泣き方やん!!!」
や「やんな、急に涙出てもうたからな。せやから“実家帰りたいんだよね、ほんとは…”って呟いて、涙の理由付けはしてん」
友「いや、解せんやろそんなん、トイレから帰ってきて5秒で泣く女…」
や「それがジェイソン馬鹿なんかしらんけど解してくれてん。よしよしって隣に座って頭撫でてくれた…」
友「の、惚気やないか!!なんやねんこのくだり!!!落ちゼロでようここまで引っ張れたなお前!!!」
や「だいぶ図太くなりまして….ざす(照)」
友「いや褒めてへんよひとつも?!」
や「ほんで結局終電で帰って、そっからLINEはしてんねんけど関係は微妙なままで、進め方もよう分からんねん」
友「んー…こればっかりは本人ちゃうから何とも言えんな」
や「しかもちょいちょい“またイチャイチャしたいです…”って謎のセリフ呟かれんねん」
友「や、シンプルにセフレ枠確定演出やんそれ…」
や「え!好きが故のツンデレ発動じゃなくて?!」
友「ないやろ、そんなすぐ恋人モードなるか?」
や「たしかにな…出会って5秒で恋人!みたいな企画やない限り無理やな…」

一度異性に会っただけでこんなにも心が乱れるのか…と思うと、恋愛的に人と関わるしんどさに現世を投げ出したくなったが、もう何十ヶ月も休んでいた恋だもの、向き合うだけ向き合って、取り組むだけ取り組んでから呆れればいい、諦めればいい。懲り懲りするには、きっとまだまだ早いんだ。

ま、返信来ねぇけどな!!!!!!!
ごっつぁんです!!!!!!!!!!

(2023年上半期まとめ・おわり)

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