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気ままな読書日記

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ジャンル関係なく、気ままに本の感想を書いていきます。
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2021年12月の記事一覧

永守重信『成しとげる力』サンマーク出版

永守重信『成しとげる力』サンマーク出版

永守重信氏は、日本電産の創業者であり、社長を後任に譲ったとはいえ、未だに会長として実権を握っているカリスマ経営者である。本書の題名のとおり、成しとげる力については、この方の右にでる人はいないのではないかと思っている。

「一番以外は、全部ビリだ」は強烈な言葉である。本書でも、平昌オリンピックで金メダル2個を獲得した高木菜那選手に、気合いを入れ続けたエピソードを載せていいるが、オリンピックも金メダル

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裙本理人『ミレニアム・スタートアップ 新しい価値観で動く社会と会社』BOW BOOKS(中央経済グループパブリッシング)

裙本理人『ミレニアム・スタートアップ 新しい価値観で動く社会と会社』BOW BOOKS(中央経済グループパブリッシング)

1982年生まれ、セルロース株式会社を創業3年11ヵ月でマザーズ上場させた社長の初の著書である。ミレニアム世代の新しい価値観による経営手法や考え方について書いた本である。

「幸せと成功」を定義し直すことから始めたという。そして、それは、次の3つの自由を得ることだと定義したと言う。                1 経済的自由                             2 空間的自由

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岸田奈美『もうあかんわ日記』ライツ社

著者の2021年3月10日から4月15日までの日記である。とても悲劇的なことを滑稽に笑わせる喜劇として書くことができるのが著者の得意技である。なお、著者は、東京パラリンピックのNHKのコメンテーターとして出演した。

4月2日、母親から「熱が下がらない」というLINEの連絡で、東京から戻ることから始まっている。友人などの助けも借りるが、ほとんど著者一人で、ドタバタしながら母親を入院させ、手術にも成

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ブロック・L・アンディ他『ディスレクシアだから大丈夫!視点を変えると見えてくる特異性と才能』金子書房

ブロック・L・アンディ他『ディスレクシアだから大丈夫!視点を変えると見えてくる特異性と才能』金子書房

ディクレシアという言葉は初めてなのに本書には説明がない。唯一、翻訳者のコラムに、「日本の法律では発達障害支援法にて発達障害の中でも全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力の習得と使用に著しい困難を示す、さまざまな障害であるLD(学習障害)の中の特に「読む、書く」の部分の困難さを示す」ものと記されている。

この本は、ディクレシアと診断された個々人が

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ズンク・アーレンス『TAKE NOTES! メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる』日経BP

ズンク・アーレンス『TAKE NOTES! メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる』日経BP

社会学者であるニクラス・ルーマンが編み出したツェッテルカステンというメモ術を紹介した本である。

ツェッテルカステンは、日本語に訳すことなく出ていることで、理解の邪魔になるような気がするが、正確性を期するためかもしれない。ツェッテルはドイツ語でカード、メモ紙であり、カステンは箱である。メモを書いてカード箱に入れる方法と言うと少し不正確となるかもしれない。

書籍や論文の執筆は白紙から書くものではな

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