YAMASHITA SUMITO

わたしのわたしなりの小説の書き方を書ける範囲で書きます。思いついたら形式なので章立ても…

YAMASHITA SUMITO

わたしのわたしなりの小説の書き方を書ける範囲で書きます。思いついたら形式なので章立ても何もできないですが、書き続けていきたいと思っています。質問等常時付けつけます。わたしはツィートを見ていただけたらわかりますが質問応答みたいなことをやってます。質問そっちに聞いてくれても構いません

最近の記事

わたしの小説のやり方08(その3)

 トーク会の次の週末ラボをやった。そこでわたしは『わたしハ強ク・歌ウ』の九章(noteの『番外編04』に無料であげている)を朗読した。  わたしはこれまで何度か「朗読」をして来た。トーク会の中でも二章を読んだ。  あなたは俳優だから朗読は、ね(そこそこ上手でしょ)、という人がいるがだいたいそういう人はわたしの朗読を聞かずにいっている。わたしの朗読はいわゆる俳優がするものとはまったく違う。わたしは朗読で「すべきこと」とされていることのいくつかの多くをしない。音は出すし、言葉も

    • わたしの小説のやり方08(その2)

       担当編集者イワモトくんとの対談を終えてしばらく、何となくあれこれ考えている。やる前から「一読してもわからない」とこれはイワモトくんの言葉で「それをきっかけに何か話せないか」とはじまったのがあの会だったので、読んでわからないとはどういうことか、が話せると思ったのだけど話せていたのかどうかはわからない。しかしあの会の中で「初対面、初読、とにかくはじめての感触感想を大事にする」というような言葉をイワモトくんが先輩に言われた言葉として持ち出して来た時から、どうやらわたしの頭は動いて

      • わたしの小説のやり方(番外編04)

        『わたしハ強ク・歌ウ』の9章。書いていて楽しかったところ。ここらについてはまたあらためて書く 9  小屋は壁に木の板が何枚も横に並んだ、釘を打たれて、外目は小さなものだったが中に入るとけっこう大きかった。小さいけれど二階席もあった。人がたくさんいた。がやがやと町の人たちは静かに、しかしそれぞれが話をしていて、ぼくは畳を何枚も重ねて作ったベッドに横にされていた。ネルは真ん中の前の方で振り返りぼくを見ていた。ママは王様のようだった。みんなまだがやがやいっていた。誰もマスクをして

        • わたしの小説のやり方08(その1)

           もう何日かすると新作について担当編集者と公開でトークをする。何を話すかの打ち合わせをしようと先日その担当者と会った。会わずに言葉にせずにためて発酵させておくべきだったと、まだ書き出してもいない小説のちょっとしたイメージを人に話してしまった後と似た後悔があるがもう会ってしまったし話してしまった。もやもやはもやもやのまま持っておくべきだ。「べき」とまでいうのがわたしがするようなことをする人間の奇妙なところだ。話してしまった。もう話す必要がない。  小説についての話をその小説の担

        わたしの小説のやり方08(その3)

          わたしの小説のやり方(番外編03)

          3章。わたしが書いていて好きだったティート(仮)が話します 3 「私は殺し屋を見たことがあるんです。駅で切符買ってました。釈迦が象に化けた悪魔に脅かされる場面がありますが、それに釈迦が何といったかはおぼえてませんが象には失礼なものいいを釈迦はした。あらわれたのは象ではあるがそれは象ではないから悪魔だから、そのことは釈迦はわかっていたから釈迦はそういった。どういったかはですからおぼえてません」  ママは昨夜は遅くまで起きていた。電話が鳴るのが聞こえて話すのが聞こえて、それから

          わたしの小説のやり方(番外編03)

          わたしの小説のやり方 番外(02)

           そして2章となる。先日死んだ猫である「ごえもん」はここで登場する。わたしはまだ読み返せない。みなさんには関係ない。ここらあたりからすこしややこしくなる、らしい。しかしここで引っかかっていたら先へはいけない 2  前の晩は九時ぐらいに寝て次の日の昼前の十一時すぎにママとママのパパは起きた。すぐに昼になりお腹がすいたので電子レンジで熱くした白米にレトルトカレーをあたためずにかけて食べた。パパは二杯食べたとママは書いていた。クィルは四杯食べて五杯目はがまんしたとママのパパは書い

          わたしの小説のやり方 番外(02)

          わたしの小説のやり方 番外

           担当編集者の許可が出たので新作の1章と2章を載せます。まず1章 『わたしハ強ク・歌ウ』 Be water my frieeeend 1  起きたら寝る前に読んでまくらもとにおいていた本がなくなっていたからキティーを読んでいた。キティーというのは「アンネの日記」のほんとうの名前でアンネは日記にキティーという名前をつけていた。そういう名前の友だちがいたのでも、架空の誰かというわけでもなかった。日記が、キティーだった。本の名前はだからほんとうは「アンネの日記」じゃなく

          わたしの小説のやり方 番外

          わたしの小説のやり方07(その4)

           わたしは昨日夢を見た。それをXに書いた。以下がそれ。   夢に死んだ猫が来た。外から来たのか濡れている。見たら確かに雨風で台風のよう。窓からはみ出したカーテンが風でバサバサ音を立てている。わたしは夢だとわかっていて、やはり死んだのか、とも思っている。でもまずはご飯だと冷蔵庫をあけたらマグロの刺身がある。そんなものは家には普段はない。食べた。少し撫でる。猫がわたしを見る。目も見えるようになったのかとわたしは思う。よく見ていると柄が少し違う。違うというか黒猫だ。死んだ猫は、ご

          わたしの小説のやり方07(その4)

          わたしの小説のやり方07(その3)

          さっきXにこう書いた。 『わたしハ強ク・歌ウ』にある映画のまるまますじを書いているところがある。昨日もらったまっすぐな感想の中に「映画は見ていない、見てないからそこらが読めていないと思うから見ようと思う、というようなことが書かれてあったが、見なくていいと思う。そうならないようまるまま書いた、というわけで はないけど、小説の中でまるまま書いた人には意味があったのだろう、そうする、そうしたい衝動があった。今までなら「そういう人」と書いて終わっていたもの。それがわたしは横着に外

          わたしの小説のやり方07(その3)

          わたしの小説のやり方07(その2)

           新作が掲載された雑誌を担当編集者が持って来てくれた。団体客が大声を張り上げる店のすみで食事をしながら話した。「何か杖のようなもの、補助線?のようなものがいる」と編集者がいった。「補助線?」とわたしはいった。「はい。これ(新作)を一読して読める人はいないと思うんです」と自信ありげに編集者はいう。「わたしの知り合いというか友だちに、あてにしているものがいて。超インテリで、いつも的を射た意見をいってくれる。ゲラのコピーをわたして読んでもらったらわからないと。人称が変わるのに混乱し

          わたしの小説のやり方07(その2)

          わたしの小説のやり方 07(その1)

           放置しているのには理由があって、まずここを書いていたときに書いていた小説がひとまず書き上がってしまったことと、別の新しいまた小説を書こうとしていたこと。それ以外のあれやこれやと、長い間近くにいた猫の調子が悪くなり、気になって仕方がなくなったことだった。   再開してみようとなったのは書き上げて少し時間が経ち、といっても発表前なのでまだ小説がわたしには生々しいのと、あらたに書き出してみた小説が停滞しているのと(おそらくこれは続けるとしたら形を変える)、あれやこれやは継続中だが

          わたしの小説のやり方 07(その1)

          +8

          落書選10(2023 10 〜

          落書選10(2023 10 〜

          +8

          わたしの小説のやり方 06

           わたしの家には猫がいて、18年いるのだけど、わたしになついているとはいえないが逃げるわけではない。ご飯を出せば食べるしたまに撫でろと鳴く。歳をとって病を得たりしてからとくにそうなった。するとわたしは何をしていても「はいはい」と撫でる。「はいはい」はとくに猫撫で声でというわけではない。そういう芝居がかった優しさがわたしにはない。そういうのを「芝居がかった」とかいうところがわたしにはあるから猫がなつかない。  しかしどの猫もなつかないというわけでもない。なつくものもいる。これま

          わたしの小説のやり方 06

          わたしの小説のやり方 05(そのニ)

           前回前々回書いたように、ある「ひと組の親子」からわたしは書きはじめた。「ブルース・リー物語」という【場】によぎった「親子が旅をする」を接続させて。しかしわたしにはずっと奇妙な違和感があった。違和感の意味はわからなかった。わからないから違和感だ。ただわたしはその違和感に慣れていた。それはたぶんこれまでもずっとあった。あったのにわたしは注視して来なかった。今思うにそれは  これはいったい誰が書いているのか  というものだった。だから注視して来なかったともいえた。「これはいっ

          わたしの小説のやり方 05(そのニ)

          わたしの小説のやり方 05

           前回わたしはこう書いていた。 旅立ちの朝には父と子がいる。父は「おれ」といい、子は「ぼく」という。しかし最初の書き出しが  二人は前の晩は九時ぐらいに寝て十一時すぎに起きた。  これは変わらずそうだった。変えようとしなかった。しかし変なのだ。ひとまず出て来ていたのは一組の親子。おれというパパとぼくという子ども。なのに「二人は」とわたしは書いていた。二人は、とそれぞれのどちらかかがいってもおかしくはないが普通に考えればおかしい。  しかし違った。脱稿したものを見るとこ

          わたしの小説のやり方 05

          わたしの小説のやり方 04(そのニ

           他の人はどう書きはじめるんだろう。  わたしは今回とても時間をかけている。しかし何に時間がかかっているのか今もよくわからない。   ここをやり出して今執筆中のものの場は「ブルース・リー物語」だと気づき、しかしそのことに気がついてなかったときに「親子が旅をする」が来て、わたしはだから「親子が旅をする」で書きはじめた。  それでしばらく書いていたが、いくら書いてもしっくり来ない。今思えば違ったからなのだけどそのときは理由がわからない。ただ不思議とやめたともならない。いつもはす

          わたしの小説のやり方 04(そのニ