ゴキブリ教授

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  • 折原裕の著作

    爆笑/微・苦笑エッセイ『続・ゴキブリ教授のエプロン』 損ばかりしているあなたに贈る『お人好のすすめ』

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お人好しのすすめ(刊行のお知らせ)

当サイトに断続的に投稿しておりました『お人好しのすすめ』は、風詠社から刊行されました(全12章、218頁、定価1430円)。ご愛読ありがとうございました。 当サイトに投稿した分は全体のごく一部でもあり、削除しないことにしました。続きをお読みになりたい方は、是非ご購入をご検討下さい。 折原 裕

    • 続・ゴキブリ教授のエプロン20(男女平等が少子化を止める)

       すいぶん昔から意識されてはきたが、まともに対策が取られてこなかったのが、少子化問題である。出生率さえ向上するなら、特に対策を取らなくても、自然に解決に向かう問題と、楽観的に捉えられてきた嫌いがある。  ところが、出生率が減少の一途をたどり、将来人口の減少がほぼ確実になると、問題は楽観を許さなくなってきた。そこで、近年にいたり、様々な施策が行なわれるようになり、さらにそれらの施策が強化されようとしている。  それらの施策の中心は、保育施設の拡充と、子育て世帯への経済的支援。こ

      • お人好しのすすめ4(正義を大切に 第一節 嫌われる「正義」という言葉)

        第一節 嫌われる「正義」という言葉  あなたは「正義」という言葉が嫌いかも知れない。「正義」は、押し付けがましかったり、権威をかさに着ていたり、独善的だったりする。そういう「正義」が世の中にはびこっていて、面と向かって誰かを攻撃したり、SNS上で炎上を起こしたりする。「正義」という言葉は、どことなく尊大で、居丈高な、そういう印象を、あなたに与えているかも知れない。  もしかしたら、お人好しであるあなたは、すでにそういう「正義」の被害者であったかも知れない。そうでなくとも、被

        • 続・ゴキブリ教授のエプロン19(ふるさと納税の奇形性)

          「ふるさと納税」という変てこな制度ができて、もう十数年になるらしい。近年では、「ふるさと納税」の返礼品を紹介する宣伝が盛んに行なわれており、これを利用しない者は時代遅れになってしまったようだ。  その時代遅れのひとりが筆者である。  最初からこの制度には違和感があった。本来、住民税というものは、その人が住む自治体に納められるべきものである。なぜなら、住民税は、その人が住む自治体が提供する、教育、水道事業、道路整備など、その人のために使われる経費をまかなう原資であるからだ。住民

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        • 折原裕の著作
          8本

        記事

          続・ゴキブリ教授のエプロン18(しめさば)

           しめさばに、思い入れがある。  大学院博士課程とオーバー・ドクターを合わせて九年間も無業者の時代があった(最初の何年かは学習塾の講師をしていたが、博士論文を書くためにやめた。やがて、博士の学位を取ると、学習塾の講師の口がなくなっていた)。妻(会社員)と幼い娘との三人暮らしは、それなりに楽しいものではあったが、極度の貧乏でもあった。そういう赤貧生活の中で、筆者は料理の腕を上げ、色々工夫して、食生活の楽しみを確保するよう、努力していた。牛すね肉のシチューや、東坡肉(トンポ―ロー

          続・ゴキブリ教授のエプロン18(しめさば)

          続・ゴキブリ教授のエプロン17(sustainable)

           最近、テレビなどで「サステナブル」という言葉をよく耳にするうようになった。SDGs(sustainable Development Goals〔持続可能な開発目標〕)のsustainableであろう。  だが、この語は、サステイン(sustain〔səstéɪn〕)の形容詞化した語なので、サステイナブル〔səstéɪnəbəl〕と発音すべき語である。しかも、テレビなどで聞く「サステナブル」は、日本語特有の平板アクセントになっており、サステインの「テ」のアクセントがほぼ無視さ

          続・ゴキブリ教授のエプロン17(sustainable)

          続・ゴキブリ教授のエプロン16(なんちゃってシュニッツェル)

           ずいぶん昔の話である。妻が勤続15年だかの特別休暇をもらえたので、一人娘と3人でオーストリアを旅した。5泊7日のせわしない旅だったが、ウィーンに滞在し、ウィーンの街を散歩したり、日本語ガイドさん付きのバスツアーに参加したり、列車でザルツブルグに日帰りで出掛けたり、ウィーン・フォルクスオーパーでオペレッタを見たり、数々の思い出がある。  しかし、それらの思い出は、この稿の主題ではない。筆者の創作料理の紹介を試みたいのだ。  ウィーンで口にしたウィーン名物の中で、忘れられないも

          続・ゴキブリ教授のエプロン16(なんちゃってシュニッツェル)

          続・ゴキブリ教授のエプロン15(レンコンの本人)

          レンコンの本人  妻の好物であるレンコンのきんぴらを作ってやったら、うまそうに食べつつ妻が言う。 妻:「レンコンうまいね。どこがうまいのかな? 歯ざわりがいいからだよ       ね。あと、本人に(余計な)味がないからかな。」 私:「レンコンの本人って誰?」 先生の勝ち  漢字の点が落ちていたため、解答を×にされた生徒がいた。 生徒:「先生けちじゃねえ。点がないだけじゃん。」 先生:「けちじゃ、ありません。太いと犬とは違うだろ。点があっても、どこにつくかで意味が違うんだ

          続・ゴキブリ教授のエプロン15(レンコンの本人)

          お人好のすすめ3(約束を守ろう)

          「あいさつの次には約束かよ、小学生じゃあるまいし」とあなたは思うかも知れない。小学生っぽくていいのである。  不道徳な小学生というものは、たぶんいない。小学生ぐらいの年頃では、金銭欲や名誉欲など、人を不道徳に導くことどもに縁がないからである。  だから、並みの小学生は、並みの大人より道徳的であるとみなしてよい。小学生として立派な子供は、道徳的には、そのままで立派な大人として通用すると考えてよいのだ。  だから、小学生を馬鹿にしてはならない。  あなたが小学生の頃、友達との約束

          お人好のすすめ3(約束を守ろう)

          続・ゴキブリ教授のエプロン14(教育勅語は「勅語」)

           広島市長が、職員研修の場で、教育勅語を引用していたことが新聞で報道された。「またか」という印象を否めない。同様のことが、何度も繰り返されてきた記憶があるからである。  教育勅語の引用が問題視されるたびごとに、引用者が言い訳として述べるのは「教育勅語にはいいことも書いてある」というものである。広島市長も、そういう言い訳をしているようだ。  いいことも書いてあるのは、言わば当たり前である。親に孝行せよとか、兄弟仲良くしろとか、学問をおさめよとか、世の中のためになれとか、教育勅語

          続・ゴキブリ教授のエプロン14(教育勅語は「勅語」)

          続・ゴキブリ教授のエプロン13(アンコール良し悪し)

           イタリアの有名な合奏団がわが町を訪れたので、聞きに出掛けた。CDから予想されるものとはまったく異なると言っていい、飛び切り美しい音色に聞きほれた。  無事メインの曲目が終り、万雷の拍手。お決まりのアンコール。また万雷の拍手、そして再びアンコール。何と、都合4曲のアンコール。楽団のサービス精神に敬意を持った。観客も大喜びで、スタンディング・オベーション。  しかし、これはやり過ぎの感がある。わが町の観客はおねだりし過ぎなのではないか。  もちろん、合奏団の側が4曲目まで用意し

          続・ゴキブリ教授のエプロン13(アンコール良し悪し)

          お人好しのすすめ2(あいさつを惜しまない)

           あなたは「あいさつとお人好しとは関係ないだろ」と思うかも知れない。しかし、大ありなのである。損ばかりしているのがお人好しである。あいさつにも損得の要素はある。だから、あいさつとお人好しとは無関係ではない。  あいさつをするのが支出で、あいさつを返してもらうのが収入だとすれば、あいさつはギブとテイクのやり取りである。ギブとテイクが等しいならば、損得は生じない。ところが、往々にして、ギブが多くてテイクが少ない人や、ギブが少なくてテイクの多い人が、生じてしまう。それが世の中という

          お人好しのすすめ2(あいさつを惜しまない)

          続・ゴキブリ教授のエプロン12(言葉に埋め込まれた男女差別)

           平野卿子さんの『女ことばってなんなのかしら?』(河出新書)という本を読んだ。男女の言葉の違いに、男女差別が埋め込まれている、というのがこの本の大意である。  たとえば、女ことばでは悪態がつけない、という指摘がある。私が補足的に言うなら「てめえ、どこに目をつけてやがるんだ、馬鹿野郎」とか。「お前、おれの言うことが聞けねえってえのか、なら出て行きやがれ」とか。同じようには女ことばでは言いようがない、というわけだ。  もっと驚くべき指摘もある。日本語には人称代名詞がない、というの

          続・ゴキブリ教授のエプロン12(言葉に埋め込まれた男女差別)

          続・ゴキブリ教授のエプロン11(アトピーはユートピア?)

          アトピーはユートピア?  私は、長年気管支ぜん息に悩まされてきた。風邪を引いたりすると、ひどい発作が続いて、眠れない。寝床に身を起こし発作に耐えていて、少し楽になり仰向けになると、また咳が止まらなくなり身を起こすのを余儀なくされる。仰向けになると言わば胸がつぶれて、呼吸能力が落ちるためのようだ。  また、長年アレルギー性の鼻炎にも悩まされてきた。いわゆる花粉症がひどいのである。春の杉花粉は言うに及ばず、秋のブタクサなどにも反応してしまう。寒暖性の反応とういものもあり、年がら

          続・ゴキブリ教授のエプロン11(アトピーはユートピア?)

          続・ゴキブリ教授のエプロン10(詐欺に遭う方が悪いのか)

           NHK総合テレビ午後6時台の「首都圏ネットワーク」の中に“ストップ詐欺被害私達は騙されない”というコーナーがあり、ほぼ毎日放送されている。  内容は、「オレオレ詐欺」に代表される特殊詐欺の様々な手口を紹介し、こういった詐欺にかからないよう気を付けましょう、というものだ。   その趣旨は理解できなくもない。だが、果たしてその実効性はどれほどあるのか。  「オレオレ詐欺」にかかる人たちは、電話の詐欺犯の声を息子(あるいは娘、孫など、以下略)と信じるから相手の言いなりになる。そう

          続・ゴキブリ教授のエプロン10(詐欺に遭う方が悪いのか)

          続・ゴキブリ教授のエプロン9(マイナンバーカード?)

          「マイナンバーカード」という言葉に違和感を感じてならない。  いささか昔話ではあるが、スーパー・マーケットのレジで「マイバッグお持ちですか?」としばしば聞かれて、ややとまどった記憶を思い出すのだ。 「マイバッグお持ちですか」という問いの趣旨は、「レジ袋が要りますか」というものである。買い物袋を持っていればレジ袋は要らないだろうから、「マイバッグお持ちですか」という問いに代えているのであった。  私がこの問いにややとまどったのは(英語で聞かれたらどうか)ということをふと思い付

          続・ゴキブリ教授のエプロン9(マイナンバーカード?)