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続・ゴキブリ教授のエプロン13(アンコール良し悪し)

 イタリアの有名な合奏団がわが町を訪れたので、聞きに出掛けた。CDから予想されるものとはまったく異なると言っていい、飛び切り美しい音色に聞きほれた。
 無事メインの曲目が終り、万雷の拍手。お決まりのアンコール。また万雷の拍手、そして再びアンコール。何と、都合4曲のアンコール。楽団のサービス精神に敬意を持った。観客も大喜びで、スタンディング・オベーション。
 しかし、これはやり過ぎの感がある。わが町の観客はおねだりし過ぎなのではないか。
 もちろん、合奏団の側が4曲目まで用意し、練習もしてきたのであろう。だから、彼らは予定をこなしただけとも言える。
 だが、この合奏団は、二十数年ぶりとは言え、わが町を訪れた記憶を持っている。わが町の観客の貪欲ぶりを予期してきた可能性が高い。
 繰り返されるアンコールに、何だか恥ずかしくなってしまった。
 問題は、そういうマナーの問題にとどまらない。アンコールが何曲も演奏されると、メインの曲目の印象がぼやける気がするのだ。
 アンコールは、あまのじゃくかも知れないが、ない方がいい。まあ、やるとすれば、軽くて短い曲を1曲だけ。それで観客は満足するべきである。

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