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人事系コンサルタントをしております。 保有資格は、中小企業診断士、キャリアコンサルタント、社会保険労務士。 キャリアについて考えることを中心に書いていきます。

マガジン

  • キャリアを創る(癌と学びと仕事について)

  • キャリアコンサルタントの学び

最近の記事

「衝動」で、キャリアの蓋を外す

二つの異なる場所で、「衝動」という言葉が使われているのを見て、 その持つ意味について、考えさせられました。 それまで、「衝動」というと、私は何かしら良くない意味を連想していました。 たとえば「衝動的に」というと、あまりよく考えずに行ってしまう行動を表し、悪い結果に結びつきそうなイメージを持ちます。 しかし、それが行動に移すための有用な原動力だと考えると、自律的なキャリア形成にとっても重要な視点かもしれません。 一つ目の「衝動」は、ボランティア活動と行政の取り組みの違いを説

    • 人出が減らないことに、少し安心感も感じたという話

      最初にお伝えしておきますと、最近の変異型の拡大や第4波について、早く収束してほしいと思いますし、そのために自分のできることはしているつもりでおります。 個人的な話として、現在療養中ということもあります。 自分が通っている病院も影響を受け、すなわち自分の治療についても影響を受けています。 自分がコロナにかかったらヤバそうなので、感染につながりそうなことは、これまで以上に避けています。 さらに言えば、コロナの影響で大変な生活を強いられている方。 経済的、肉体的、精神的な負荷が

      • 目標を実現してから、ようやく気が付いた自分のキャリアアンカー

        キャリアコンサルタントとして「自己理解が大事!」と言いながら ようやく昨日、自分のキャリアアンカーに気づいた、という話です; 私は目標としていた三つの資格を取り、2019年に退職して組織から自由となり、40代後半になって、ようやく自分で選択したキャリアを歩み始めることができました。 中小企業診断士、キャリアコンサルタント、社会保険労務士という三つの資格は、私の興味・関心の対象領域をカバーし、自分の強みを活かした仕事につながります。 幸いなことに仕事もあり、加えてプロボノ

        • ジョブ型雇用における人材の適合性とはー企業に求められる雇用管理の転換の視点

          コロナ以降、ジョブ型雇用が本格的に検討されるようになってきた感がありますが、日経ビジネス(4月5日号)を読んでいて、気になった記事があったので取り上げます。 「日米中の組織と日本企業の強み」というテーマで、慶應義塾大学の王英燕教授が連載しているシリーズです。 日本企業は、これまで「個人・組織適合」を重視した人材育成を行ってきたのに対し、 米国では「職務」への適合を、中国では「変化」への適合を重視してきた。 日米の雇用管理の比較はよくありますが、「適合」性をこのように整理

        「衝動」で、キャリアの蓋を外す

        • 人出が減らないことに、少し安心感も感じたという話

        • 目標を実現してから、ようやく気が付いた自分のキャリアアンカー

        • ジョブ型雇用における人材の適合性とはー企業に求められる雇用管理の転換の視点

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        • キャリアを創る(癌と学びと仕事について)
          3本
        • キャリアコンサルタントの学び
          11本

        記事

          不要不急でも、やっぱりこれだけはと思う「言葉の壁打ち」

          私は、一人で過ごすことが全然「苦」ではないタイプなので、 コロナ禍でもわりとストレスを感じていないほうかと思います。 ただ、仕事もほとんど家でしていますし、息抜きも家の中だけでは飽きてきます。 こんな刺激の少ない環境では「頭も心も固まってしまいそう!」と思うので、たまに外に出かけますが 一人でお茶を飲むのも酒を飲むのもまったく平気なので、一時期だけのことと思えば、特に問題ありません。 ただ、それでもどうしても、「人とのコミュニケーションが必要だな」と感じるのは、「言葉の壁

          不要不急でも、やっぱりこれだけはと思う「言葉の壁打ち」

          病によるキャリアの再構成② ー3回の治療の過程で変化していった病の意味

          癌の再発の過程(いま3回目)で、私のキャリアにどのような影響があったか、その影響を通じて、「病」の意味がどのように変化したか、を書いています。 最初に発覚した時の記事は、こちら↓ご参照ください。 では続きを。 <2回目の発覚 ー医薬の発展に感謝し、フリーの良さを実感させた病> 先の記事で、「完結した過去の物語」になったと書きましたが、私は、1回目の治療が終わった時に、「治った!」と思ったのです。 もちろん再発の可能性は説明されていましたし、月1回検査を受けて経過観察を

          病によるキャリアの再構成② ー3回の治療の過程で変化していった病の意味

          病によるキャリアの再構成① ー3回の治療の過程で変化していった病の意味

          先週の月曜日(3/29)が1回目の抗がん剤投与でしたが、その後、副作用は心配したほどひどくありません。寝込んだのは1日だけ、体の痛みや吐き気などもありますが、我慢できる程度です。 これまでの治療では、だいたい三日目から五日目ぐらいをピークに、食事もとれずに寝込む日があったのですが、薬がよくなっているのでしょうか? まずは、1回目の副作用期間を乗り越えられて、ほっとしています。治療のたびに、医療関係者の方々、医学の発展や薬の開発に貢献されている方々へ感謝です。 では、本題

          病によるキャリアの再構成① ー3回の治療の過程で変化していった病の意味

          キャリアを創るー3回の癌治療と学びと仕事。見えてくるライフテーマとは。

          改めまして、こんにちは。 キャリアコンサルタントの ande です。 人事系コンサルタントで、癌患者でもあります。ここ数年言われるようになっている、治療と仕事の両立という、あれな状態です。 2017年の秋に卵巣癌が発覚し、2回の手術と抗がん剤治療でいったんはよくなったものの、2019年9月に再発。この時は3カ月の抗がん剤投与によって、腫瘍はきれいになりました。まだ血液中に癌細胞が残っている可能性があるが、再発防止のための新しい薬があるということで、抗がん剤をやめて飲み薬に

          キャリアを創るー3回の癌治療と学びと仕事。見えてくるライフテーマとは。

          小話③ キャリアコンサルティングと文化人類学(2)ーカウンセリングに対する日米の違い

          前回もこのテーマで書きましたが、今度はちょっと違う角度からの話となります。 今の日本では、キャリアコンサルタントは供給過多の状況です。 というより、需要が少ないといったほうが適切かもしれません。 そもそも欧米のようにカウンセリングを受けるという文化がなく、カウンセラーやコンサルタントに対する懐疑的な見方も強いのではないでしょうか。 渡辺(2002)「新版カウンセリング心理学」を読むと、社会の複雑化などによりカウンセリングの役割は重要になるとし、アメリカにおける次のような現

          小話③ キャリアコンサルティングと文化人類学(2)ーカウンセリングに対する日米の違い

          小話② キャリアコンサルティングと文化人類学(1)

          キャリアコンサルタントが学ぶべき理論のうち、カウンセリング理論は心理学の領域ですが、学際的な関心を持つことも大切と考えられます。 コーヒーカップモデルでおなじみの國分康孝先生は、「カウンセリングを支える主たる学問は、心理学、社会学、文化人類学である」としています。 心理学、社会学まではいいとして、「文化人類学??」と最初はぴんときませんでしたが、異文化圏の方を対象にしたカウンセリングについての説明があり、「なるほど」と理解しました。 偏見など持つことなく、文化の違いを認識

          小話② キャリアコンサルティングと文化人類学(1)

          理論概要⑥ カウンセリングと隣接領域

          これまで見てきたように、カウンセリングの理論は臨床心理の領域で発展してきた経緯もあり、そもそも「カウンセリングとは?」「心理療法との違いは??」ということは繰り返し問われてきた歴史があります。 1.カウンセリングと心理療法ロジャーズはこの二つを区別せず、両者の混乱の一因を作ったと言われています。わかりやすいと思うのが、渡辺(2002)の整理です。 カウンセリングと心理療法の相違点は、一般的に、①対象者、②問題の重さ、③費やす時間の長さ、で区別できるとされます。 上記の表

          理論概要⑥ カウンセリングと隣接領域

          理論概要⑤ 職業指導からカウンセリング心理学へ

          前回、カウンセリングの誕生の過程を書きましたが、もう少し詳しく、 カウンセリング心理学として成立していく過程をまとめます。 1.ウィリアムソン派とロジャーズ派の論争伊東(1995)は、1949年にアメリカへ留学した時の様子を記しています。 「当時のアメリカのカウンセリング界を支配していたのは、ミネソタ大学であり、・・・(中略)。カウンセリングの理論としては、その大学のウィリアムソンの唱える「臨床的カウンセリング」が広く全国に浸透していた。ミネソタ大学出身者にあらざればカウ

          理論概要⑤ 職業指導からカウンセリング心理学へ

          理論概要④ カウンセリングの誕生と発展

          カウンセリングは社会的・経済的な変化を受けながら発展してきましたが、その主なルーツは1900年代前半のアメリカにあります。①職業ガイダンス運動、②心理測定運動、③精神衛生運動、という3つの社会的な動きです。 1.3つのルーツ①職業ガイダンス運動「職業指導運動の父」といわれるパーソンズの職業相談です。   19世紀末のアメリカでは、急速な工業化にともない経済的な発展が進む一方で、大規模な移民流入、過酷な労働条件で働く工場労働者の急増、失業や貧困の増加などにより社会的な混乱が起

          理論概要④ カウンセリングの誕生と発展

          小話① なぜキャリア「コンサルタント」なのか

          ちょっと寄り道にそれて、もう一つ私が気になっていたことについて。 なぜキャリア「カウンセラー」ではなく、キャリア「コンサルタント」なのか、という疑問です。 カウンセラーもコンサルタントも相談にのるという趣旨では同じかもしれませんが、問題へのアプローチ方法や使用するスキルがまったく異なります。 私はスタートが中小企業診断士=企業コンサルタントのため、最初はその違いに非常にとまどいました。(*1) 1.相談プロセスの違いたとえば相談のプロセスを比較してみます。 一般的には、

          小話① なぜキャリア「コンサルタント」なのか

          理論概要③ 経営学におけるキャリア理論(HRMでの位置づけ)

          キャリア発達の理論は、産業・組織心理学においては人事心理学の中にあり、経営学では人的資源管理(HRM)システムに組み込まれています。 その深い関係性について見ていきたいと思います。 1. 産業・組織心理学と組織行動論の関係性人事心理学とHRMは、その対象領域がほぼ同一ですが、同一学問ではありません。 前者が基礎科学であるのに対し、人的資源管理論は組織に資する管理制度構築のため人事心理学の知見を取り入れた応用科学という位置づけです。 経営学者テイラーの科学的管理法(191

          理論概要③ 経営学におけるキャリア理論(HRMでの位置づけ)

          理論概要② 人事心理学におけるキャリア理論

          人事心理学のキャリアに関する理論は、職業心理学(*1)からの流れと組織心理学からの流れがあります。 1. 職業心理学の成立職業心理学については、コロンビア大学のキトソン教授が、1925年に「職業適応の心理学」を出版したのが始まりです。「職業指導の熱烈な主張者であり擁護者」だったそうです。 彼の著作が、心理学を用いて職業指導を解説し、職業適応を論じた最初の総合的著作とされています。 このキトソン教授の指導を受けたのが、スーパー(Super,D.E)です。キャリアコンサルタン

          理論概要② 人事心理学におけるキャリア理論