natorifuton

自由に気楽に好き勝手に書きます。ラジオがすき。欲しいものは良い枕。

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マガジン

  • ふとん日記(B面)

    裏でなくB面です。気ままに日記を書きます。日記だけど嘘も書きます。というかほとんどフィクションです。よろしくお願いします。

  • Plan Bee

    今、この星のために知りたいこと。なんかいいなって感じの環境、カルチャー、社会の話。怒りの感情が昇華した、開放的で清々しいアクションや人々を見たい知りたい。

  • シリアル・キラーシリーズ

  • #私の2010s

    今年発売された書籍『2010s』を読んで、私にとって青春時代のほぼすべてだった2010年代のエンタメは、どうだったかを振り返ってみるwebファンジン。 社会や自分のコンフリクトや葛藤、不満を昇華して、既にやってきてしまっている2020年代にギリギリセーフで滑り込む事が目的です。

最近の記事

2020年代、音楽ビジネスと視聴体験はどう変わっていくか? ディストリビューションとコンテンツの風を読む

メディアと文化と'20s 2010年代後半は、あらゆる文化にとってディストリビューターの時代だった。 コンテンツが受け手に伝わるまでのサプライチェーンで、ディストリビューションについて考えることは必須だ。 ディストリビューションを日本語に訳すと、流通。音楽ならば、レコードやカセットテープ、CDなどのフィジカルなメディアを通じて受け手に流通されていたコンテンツが、今やApple MusicやSpotify、YouTubeなどのデジタルメディアへと移行したのが、ここ数年の大き

    • ちゃんと書くか。 ちゃんと書きますわ。

      • 辛い顔はしちゃいけない

        小学二年生の時に買ってもらったゲームボーイアドバンスの電池を替えたら、現在も問題なく動いてくれた。中古屋さんで買ったゲームボーイカラーのポケットモンスター銀をセットして遊んでいたら、続きはセーブできずに毎回最初からになってしまう。調べてみたら、どうやらソフトのバッテリーを交換しないといけないらしい。全クリするまで一生休憩ができないので、ポケモンは諦めて正規ソフトのキングダムハーツをやることにした。 初対面のオンライン会議を終えて、お腹が空いたので冷蔵庫を開けたら何もなかった

        • Interlude#223

          彼女はいつも食事を最後の一口だけ残す。 どうしても最後の一口が食べられないのだという。 かわりに、グラスに半分残った水を飲み干す。その一口が入るなら、スプーン一杯分の残りの食事も簡単に平らげられるだろうに、その一杯が大変難しいのだという。 彼女は一人で食事ができないらしい。理由はわからないという。 ただ、お腹はずっと空いている。なにか食べたいのに、食べたいものが思いつかない。コンビニの弁当のコーナーで、5分ほど立ち尽くしてしまったこともある。でも、こうして誰かと一緒に

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        • ふとん日記(B面)
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        記事

          神保町で会いましょう

          体があいたから、気になる展示に行ってみた。平日だったのでネットの予約優先チケットを買わずに美術館を訪れたら、かなりの混み具合で、チケット売り場には20分待ちの札がかかっている。携帯を見ると、ちょうど1時間後からの入場予約に空きがあったので、チケット販売窓口には並ばずにネット予約し、近くで1時間ほど暇をつぶすことにした。 歩いて15分のところに、喫茶店を見つける。美術館を離れて少しすると、川が流れていて、西陽のきらきらを眺めながら橋を渡り、お店を目指す。 喫茶店は古き良き空

          神保町で会いましょう

          名付けるほどでもない1日

          冷蔵庫に余りモノの白菜が転がっていたので、ほそく刻んで明太子とまぜてチヂミを焼いた。この前は残り物の春菊を、さらにその前は水菜2束をチヂミにした。 生地は小麦粉と片栗粉と水だけだから、とても簡単だ。フライパンでこんがり焼いたら格子状に切って、ポン酢で食べる。たまにキムチがあるときは、ちょっと乗せて食べる。重すぎず、かといって満足感もあるので、遅い朝ごはんにもランチにも間食にも夕食にも夜食にもなる。 チヂミはとても優秀である。 今日は雪が降っている。 寒いけど、買ったば

          名付けるほどでもない1日

          チョコレートのブックマーク

          ある夜、さて寝ようかと思いベッドに転がると、いつもと違ういい匂いがぷーんとしてきた。その香りのおかげで今日はよく眠れそうだなあ…と思ったら、さっきまで食べていたチョコレートの箱を枕元に置きっぱなしにしていたことに気づく。市販のよくあるカカオの配合が多いダークチョコレートで、タブレットタイプを買おうとしたら最寄りのコンビニには置いておらず、キューブ型で妥協するか迷ったあげく見つけた、新商品?のマカダミアナッツ入りのやつだった。 チョコレートは小さいころから好きだ。今ふと思い出

          チョコレートのブックマーク

          シリアル・キラーと輸入雑貨店の休日

          今日のところはもう、奴らは追ってこないだろう。 太陽が沈んでからずっと、路地という路地を辿ってきた。ここで一息、というところで、偶然見つけた灯に吸い寄せられるように、ここにたどり着いた。今夜は、いったん、ここでやり過ごすことにしよう。 地下に降りていき、カウンターの席に座る。オールバックで初老のバーテンは何も言わずにグラスを拭いている。さて、バーボンを…… 視線を感じた。しっ、静かに。ここからはよく聞いて。じっと、注意するんだ。ここで捕まったら一貫の終わりなんだから。

          シリアル・キラーと輸入雑貨店の休日

          ドアは開けっぱです

          教えて ね、いま何してんの どこらへんにいるの? あ、予定ある? いいよ言わなくて(言わんで!) こっちはワインに口つけたところ ローブとか着て 結構いけちゃってて 1人でいるにはちょっともったいないくらいなのよ 家はきれいになってるし プールはあったかいし まるで生まれ変わっちゃったくらいにはすっきり髭も剃ったばっかだし ぼくら 一緒に踊ったりするべきじゃない? 家ん中で 何かあった? 別に駆け引きとかする気はないのよ 俺の言葉は全部、心からの本音だし

          ドアは開けっぱです

          青色迷路

          こんな夢を見た。気づいたら私はひとり波打ち際にいて、海の反対側を振り返ると巨大迷路の入口があった。波がゆるやかに高くなってきて、その場にいても仕方なさそうなので、巨大迷路に入ることにした。ハリーポッターとかシャイニングで出てくるような、自分より大きな壁で覆われた迷路。その全貌は、まったく分からなかった。 ただ、歩いていてそこまでの恐怖心はなかった。波の音が案外近くに聞こえて、風もそよいでいる。たまに能天気なカモメの声も聞こえる。観光地のひまわりの迷路と違うのは、奥が見通せな

          二日酔いの短い言い訳

          二日酔いってこんなに辛いものなんですか。 お酒が弱いので、そもそも二日酔いになるほど量を飲めない。なので、翌日起きた時にうぅ。となる感覚がよくわからなかったけれど、今日はその辛さをとことん味わった。 昨日だってたいして飲んでないのに。瓶ビールを二人で開けて、私の方がちょっと多く飲み、あとはそんなに濃くないハイボールを二杯だけ。その後アイスクリームを食べていつも通り帰った。いつもと違ったのは、お店で煙草が吸えるというのでそこで買ったタールがちょっと重い銘柄のやつを2、3本吸

          二日酔いの短い言い訳

          チェックアウトにうってつけの日

          人間って意外ときちんとカレンダーや時計に管理されているのかもしれない。 去年を振り返ってみようとしたけれど、あんまり振り返らなくていいかなと思った。今日は起きて、昨日から予定していたスケジュール帳を買いに出かけた。毎年新年一発目にやっている、大好きなスゴロク企画のラジオを聴きながら駅前の本屋へと向かう。それらしいやつを選び、帰りがけにローソンで赤玉パンチとソーダと、ずっと探していたマサラチャイのピノみたいなアイスクリームを買って家に戻る。 スケジュール帳でカレンダーを眺め

          チェックアウトにうってつけの日

          酸化した月のクレーターみたいな踵

          この間、誕生日を迎えてやっと「最もよく言われる年齢」に同期した。ただ一度30歳と言われたこともあって最近の関心事はとっくに30代なので、実感することはあまりない。 おろしたてのブーツを履いていたら靴擦れして、両足のかかとがすりむけた。酷かったのは左足の内側で、皮がむけてぷりぷりのピンク色のまましばらく治らなかったのだけれど、こういう時いつも綿矢りさの「ピンクグレープフルーツ」を思い出す。ルビー色の果肉と靴擦れを重ねた表現が高校生の頃からお気に入りだった。お風呂でめちゃくちゃ

          酸化した月のクレーターみたいな踵

          2021 My Best Album レビュー

          立派なタイトルのわりに、実はレビューを書くのが苦手だ。高校生の頃、君の読書感想文は読書感想文じゃないと現代文の先生に評されてから、ずっと感想文迷子になっている。私としては思ったことを思うままに書いたつもりでも、それは「思ったこと」ではなく「考察や分析」なのだという。ううむ、思いってなんなんだろう? そんなことを思い出して、なんだかそういう気分になったので、自分が好きだった今年リリースのアルバムレビューに挑戦してみる。 本はともかく、音楽の感想って言語化が難しい。素敵な音楽

          2021 My Best Album レビュー

          鉛の風船とジェット・ラグ

          私は移動するのが好きだ。久しぶりに飛行機に乗ってみたら、隣が父子の二人組だった。フライトは1時間、というアナウンスが流れて、お父さんは息子に「1時間は何秒だと思う?」と問いかける。息子はウーンとちょっと考えてから、暢気に「分からん」と答える。続けてお父さんが「1分は何秒?」と尋ねる。息子はまた間をあけてから、とっておきの小声で「59秒」。「なんでやねん」とすかさずお父さん。 きちんと「60秒」と答えた息子に、じゃあ1時間は?60分だから?とフォローを入れていくお父さん。その

          鉛の風船とジェット・ラグ

          海と睡蓮と赤、青、黄

          美しいものってなんだろうか。 小学生の頃、夜中に起こされてフリースと毛布をはおったまま、ベランダに出たことを思い出した。80年ぶりとかの流星群が見られるという日だった。 外は寒くて、外気に触れるほっぺたがつんと痛むような感覚があった。母は熱心に流れ星を探しているのだけれど、私はいつもと変わらない夜空を眺めながら、実際そんなに一生懸命な気持ちではなかったことを覚えている。 かすむような一瞬の流れ星を見た時も、そんなに感動しなかった。ぽろっと落ちていくような動きが、私の思っ

          海と睡蓮と赤、青、黄