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存在に輪郭を与える寒さ(三秋縋スターティング・オーヴァ書評)
この文章は投稿日にかかわらず、2023年のクリスマス後、12月の末に書かれたものになります。皆さんはどう過ごしましたか?大学1年の私は、ホールケーキなんかを買うことはなく、凍えながら海を見たり、アルバイトのことを考えたりしながら過ごしました。
そうしているうち、サンタさんーーーーーアンチサンタクロースのことを思いだしてこれを書こうと思いました。
この記事には三秋縋・スターティング・オーヴァーの
君の煙草の匂いになりたかったんだ、私は。
煙草は全部未熟な私の憧れだった。
私の神様は皆煙草を吸っていた。神様は実際には居なくて、みんな小説の中とか、漫画の中にいて、居たんだ。確かに。
私は今17歳、もうすぐ18歳になって、周りの子達に比べて遥かに子供っぽいのだと思う。受験勉強に集中しないで、こんな文章を書いているし。煙草に憧れることだってきっと中学を卒業する頃に卒業するべきなんだと思う。
リリイ・シュシュのすべてみんなみたいな感情に
私が好きになる人はなんですぐいなくなっちゃうんだろうって零したあの娘の行方を知りたい
三秋縋さんのいたいのいたいのとんでゆけに出てくる隣の部屋の美大生の女の子、三枝栞。
私はあの子が大好きだ。彼女のなかにある影とか、どうしても主人公になれない、どこか一歩引いている寂しさが自分に似ている気がする。主人公はヒロインは正面から見ることが多い気がするけどあんな感じの横顔ばっか見て、あんまり顔が思い出せないような人間になりたいんだと思う。主役は荷が重くて、無意識に避けてしまうような人間だか