感傷マゾになりきれない
だって私は、未だに湯上瑞穂も天谷千尋もクスノキもみんないると思っている。東北のどこかで、近畿の田舎で、或いは東京の誰も見てないような路地裏でそれぞれまだ物語を紡いでいると思っている。それが私に見えていないだけで。
こんな夏を、部屋から出ないで、夜は不安で眠れない癖して昼間に馬鹿みたいに寝て、誰とも会わずに妄想だけする夏を救ってくれるのは私よりも悲惨で残酷な日々を送っていた人の悲惨なままの生活における幸福だ。
小学生の時は、スーパーヒーローの活躍する明るい話が好きだった。そ