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短歌

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記事一覧

短歌と写真

血圧も血糖も低いけど春の微熱が生きろと嘯いてくる

そういえば図書室の君の横顔が初恋だった気がする、はらり

焼きたてのパンは香って、でもシベリアへと飛んでゆく白鳥の群れ

地元の海へ行った。北国の海はやっぱり黒い

短歌log 質量のある恋

短歌log 質量のある恋

僕はまだ この街からは出れなくて
それは少しだけ 愛に似ている


ネモフィラの青に突き落とされたこと
手首に透けるぬるい静脈


11時珈琲を飲む 陽だまりで
ぬくたくならないシルバニあの子

なぁニーチェ、曇ってるよね窓ガラス 白いだけだよ呪いも自殺も


君の息二酸化炭素の味がする
鯨が空を泳いで視える


嫌われたくない、のだろう。
発火をしない カップヌードルのかやく

沢山の

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短歌log

短歌log

リノリウム5時の無線が染み込めば
爆撃はそこに 祈りはここに

僕達はこころがよわい今日もまた
液晶の割れぐあいを競う

「花を供えてくださいね。」艶ぼくろ、
喫煙所で見た微かな震えと

大人でもクッキー齧る
また明日僕は貴方の柔さを想う

拒絶を許と是と睹にわける
レンドルミンを5粒放って

夕立、唾液を結ぶ僕たちは
夏の終わりの言葉を選ぶ

遅延列車、優しい春が欲しい
乳酸飲料の並ぶホー

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短歌習作vol.2

短歌習作vol.2

VHSは昨日人殺せなく透明なエーテルは処女膜

ファッションをインターネットと定義して身につけていく祝福の花

好きな子の自意識だけを食べている古細菌です(アーキア)

春近く一番星は寸前に平積みされた本のいっちゃん下

白い紐みたいな肉だ のにもぬにもねにもなれる

ミスiD選考落ちの私でも好きだと言ってくれた風呂栓

雪虫は羽音も立てないバス停の そうだね、としか言えない拒絶

短歌

短歌

コーラ味ラムネのような夏でした 君がいないとリアルじゃないね

霞ヶ関のガラス磨いて割ってルビーを作る仕事をしてます


あっバナナボートあっ一人落ちた僕は今神様でいる

苔にまみれた雨樋で武装してゐる 改造学生服専門店

ホワイトボードに油性で書いたあいらぶゆーお前に消せない消されたくもない

老人が老害となって今何年? 2021ちょーべりーばっど

絶望をストックするため登校し 今日の世界史

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