毎月短歌11 自由詠部門選
はじめまして
はじめまして。今月はじめて毎月短歌の選者をやらて頂いている夏凪です。現在は北陸で大学生をしながら地元の短歌会に参加をしたり、同人誌を出版したりしています。最近は小さめのぬいぐるみをインターネットで調べることにハマっています。
選について
私の選は特選1首、準特選1~2首、入選2~5首で選んでいこうと思います。
今月の評
特選
ひらがなのみで紡がれる、官能的な歌。すべての歌の中でもひときわ目を引く歌でした。最後の「ねえ」の部分におおきなおおきな執着を感じます。この歌が誰に向けて作られた歌なのかが気になりますね。仲のいい夫婦や恋人の歌なのかもしれないけれども、それにしては少し粘度や湿度が高すぎる気がします。もしかしたら、不倫や浮気相手からの宣戦布告の歌なのかもしれない。
リフレインの中で、情景や感情が想像しやすいいい歌だなと思いました。
準特選
美しく優しい歌だなと思いました。たしかに犬、よく何もなく見えるところの匂い嗅いでる。わたしたちにはわからない匂いがあるのかもしれないですね。校庭にはもう戻らない思い出が存在して、その匂いが土にしみこんでいることを犬は教えてくれているのかもしれない。
上句のインパクトと面白さが異様でした。下句は上句に対してのアンサーとしては適切ですが、少し凡庸であるかもしれない。けれど、今回送られていたストーリー的な歌の中では一番面白いと感じました。もし私がこの人を見かけたらどうしよう。倒れている人がいたら救急車を呼ぶけれど、そういえば精神科で救急車を呼ぶことってできるんでしょうか。
入選
とろ火と胸の炎の表現のコントラストが大きくてとてもいいと感じました。くつくつと沸くという表現も素敵です。
学校で謝る、自分に視線をよこさない母。とても恐ろしいですね。帰りの車で何を話したのかとか、先の展開が思い浮かびますね。
むすびに
以上夏凪による毎月短歌第11回自由詠の選でした。
梅雨入りしてからというもの、常にスチームサウナの中にいるような気候が続いており気がめいり切っています。皆さんも身体、心ともに大切にお過ごしください。にんげんがさき それ以外は全部後から!