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【ファジサポ日誌】91.我が予想に一片の悔いなし~2024 J2リーグ J1昇格予想~

FUJIFILMスーパーカップを「ゼロックス」とつぶやいてしまった雉球です。近年のサッカー界の変化は激しく、知識をアップデートしているつもりでも習慣はなかなか変わりませんね。今年も元日になんとなく「今日は天皇杯かあ」と無意識に声に出してしまったことも…。

さていよいよJ2予想編です。
一言で表現するなら、今シーズンは上位拮抗となるのではないでしょうか?

昨シーズンの予想記事でもJリーグの格差化について少々触れましたが、具体的には、この動きを見越し、早期のJ1昇格・復帰を狙って今オフ積極的に戦力補強を行った数クラブの争いになるとみます。
ですので、今シーズンの予想は奇をてらったものにはなりませんが、これらの数クラブの序列を予想するのが非常に難しいと感じています。

まずは昨シーズンの予想のおさらいからです。

1.2023昇格予想のおさらい

①②が自動昇格圏予想、③~⑧がプレーオフ圏予想でした。

① 清水エスパルス ⇒4位
② 徳島ヴォルティス⇒15位
③ ベガルタ仙台  ⇒16位
④ ファジアーノ岡山⇒10位
⑤ モンテディオ山形⇒6位
⑥ FC町田セルビア⇒1位
⑦ ジュビロ磐田  ⇒2位
⑧ ツエーゲン金沢 ⇒22位

J3編と比べますと良くなかったですね。
町田が独走した訳ですが、その陣容の豪華さは編成の段階でわかっていたものの、実際にどのようなサッカーになるのか読めない部分はありました。
そんなことを記事でも書きましたが、ひょっとしたら他クラブも町田の傾向を把握しているうちに走られてしまった。そんな感じかもしれません。
岡山はホームで1-3で敗れましたが、試合中、岡山の選手が特段さぼっていたようには見えず、危険なシーンにも上手く対応していたように見えました。しかし、町田が狙っていたのは対戦相手が危険と察知していない、または危険な場面を回避した直後であったりしたのです。例えば、繰り返しクリアし、難を逃れたと思った瞬間のこぼれ球を撃たれるとか、距離があるロングスローでボックス内の準備が出来ているように思える場面です。

そうした相手の隙を突く、強度で相手を圧倒することに集中力を割いているため、ボール運び等はシンプルな印象でした。では、他チームも町田のようにやればいいのかというと、やはり戦力的な面で町田の強度の真似はできないので難しいと思うのです。

町田の充実した戦いぶり、そして千葉の台頭に代表されますように、「インテンシティ」の高さがJ2でもトレンドとなり、今オフは多くのクラブがその点の強化に心血を注いでいるのですが、それだけでも勝てないリーグが今のJ2です。インテンシティの高さ+αを持つチームがより上位にくると予想しました。

それでは予想に移ります。

2.ファジアーノ岡山、悲願のJ1初昇格!

(1)自動昇格圏内(2位以内)

① ファジアーノ岡山
大方の予想はプレーオフ圏内、またはそこに近いところかと思いますが、筆者は優勝と予想しました。その根拠は前章で述べました観点から、有力と目される数チームの中で最も「新味」が出る。つまり相手が対策しにくい面が多く出てくるのではないかと考えたためです。
木山監督がつくるチームというのはサッカーをよく知っている人ほど、その評価が定着していて、チーム像が固まっていると思うのですが、サポーターとしての贔屓目はあるにせよ昨シーズンから観察していて、良い意味でちょっと違うところが出てきたなとみています。そのひとつが「保持」に関する考え方であったりするのですが、この部分はインテンシティ+αといえそうというのが筆者の見立てです。
更に選手の特長、質とシステムが合っていると思います。このシステムがWBの裏を狙われたりと諸刃の剣にもなりそうですが、TMの動画をみる限りは守備面での約束事もしっかり整備されているようにみえました。

② 清水エスパルス
戦力面のみで考えるなら、今シーズンも清水が昇格最右翼であるとは思います。一方でチアゴ・サンタナが昨シーズン思ったより得点が伸びない、決定率が上がらない面はあったもののフィニッシュで終えていた点というのは大きかったと思っていて、彼の移籍はやはりそれなりに穴になるとみています。
後釜にドウグラスタンキを獲得しましたが、母国では好調も日本時代の実績がイマイチで読めない面もあります。
あとは秋葉監督の続投がどう出るかというところでしょう。
「戦う個」を強調するスタイルが昨シーズンの清水を救ったともいえますし、乾貴士をはじめ個性派揃いの選手層で戦うにはこれで良いのかもしれませんが、熊本や秋田のように攻守にしっかりした組織を構成するチームに足をすくわれる弱点も昨シーズンは抱えていました。
それでも、十分自動昇格圏内に到達する星勘定は可能です。

(2)プレーオフ圏内(6位以内)

③ ジェフ千葉
優勝に推す声も多い千葉。昨シーズンの試合内容、今シーズンの陣容をみれば当然そうなるのですが、1年を通してあの強度が高いサッカーを相手の対策も進む中で発揮できるかがポイントであると思います。
今年はひょっとしたら自陣で持たされる場面も増えるかもしれません。そこで「保持」をどのような形で考えるか、田口泰士のポジショニングとセットで注目しています。
戦力面ではCBの層は少々不安に感じます。新井一耀を放出した影響は出るかもしれません。

④ モンテディオ山形
毎年、同じこと書いていますが、2022シーズンが3勝3敗4分、2023シーズンが2勝8敗であった最初の10試合、つまり春先をどのように乗り越えるかが鍵となります。
主力であったチアゴ・アウベス、デラトーレを放出しSHに本職かつ得点能力が高い選手を数多く獲得したことからも、狙いは相手サイドの背後のスペースにあり、逆サイドのSHがボックス内に侵入する動きが目に浮かびます。
昨シーズンのプレーオフ清水戦のような戦い方がベースになるのではないでしょうか。一方で中盤の守備の強度がライバルクラブと比べると若干落ちる面があります。その分、自陣内に侵入される回数や時間が長くなる傾向もデータは示しています。この点からも自陣から繋げるCBは絶対に必要で安部崇士の獲得は、個人昇格した野田裕喜の穴埋め以上に理に適っているといえます。

⑤ V・ファーレン長崎
今年もカリーレ前監督のままであったなら、評価を上げなかったチームです。陣容のみをみれば自動昇格圏内を狙えても不思議ではないのですが、ファンマ・デルガドのような圧倒的得点王を輩出しながら、昨シーズンはデータをみても各チームスタッツが軒並み低調でした。
これは各局面でおそらく個の能力任せになっている点が影響していると考えます。
下平監督への交代により攻守にこれまで以上の組織化が図られると予想されますので、陣容をほぼ維持したことを踏まえれば、昨シーズン以上の成績は期待できます。
J2では数少ない4-1-2-3が想定されていますが、アンカーに配置される見込みの山田陸はJ2全体でも今シーズン注目のプレーヤーです。

⑥ 横浜FC
ここは、やはり福森晃斗の加入が大きいですね。これだけで10点ぐらいは約束されたようなものといっても過言ではないでしょう。
J2の勝ち方をよく知る四方田監督の続投は手強く感じる反面、4バックが通用せず1年でJ2に帰ってきてしまった経緯を考えると、選手にとっても戦術的にも「新味」がどれぐらい出るのかが鍵と考えます。

⑦ ヴァンフォーレ甲府
アダイウトン、ファビアン・ゴンザレスの加入を考えれば、もう少し上の評価でも良いような気もするのですが、やはり保持しないゲームプランのみで今のJ2で一年通して上位を窺えるのかは微妙と考えています。
更には蓮川壮大の移籍はかなり痛かったのではないかとみています。

⑧ベガルタ仙台
昨シーズンも16位まで低迷する実力ではないと思います。
伊藤彰監督の下では4バックと3バックを併用していましたが、何のために可変するのかという目的と手段の部分があまり見えないという印象は、岡山と対戦したアウェイ戦からも感じました。
森山監督に代わり、戦う部分で良いムードを取り戻していると聞きますし、鎌田大夢が残ったのは大きいですね。中山仁斗が戻ってきそうなFWは少々手薄な印象ですが、本来の実力を発揮すれば当然プレーオフ圏内に入ってきても不思議ではないと思います。

本来は8チームまでの予想なのですが、どうしても気になるチームをもう一つ挙げます。

⑨ 藤枝MYFC
大穴ですね。
一昨シーズンの熊本のように、チーム人件費がリーグ下位であっても確固たるスタイルを持っているチームが上位の一角を崩すことがあります。
今年に関していえば、いわきFCも気になったのですが、中島大嘉の存在が決め手となり藤枝を推すことにしました。
昨シーズンは夏のマーケットで数多くの主力を抜かれてしまった点も響いたのですが、その点も含めて一年を通して調子の波を失くすことが出来れば、プレーオフ進出も十分あり得ると思います。
守備の弱点は更なる攻撃強化で補い得る。
弱点を補い、強化し続ける岡山とは対照的なチームづくりともいえます。
これもサッカー、いやこれがサッカーの本筋なのかな?

以上、今年も駆け足でしたが、予想記事を作成してみました。

岡山が優勝?!笑わせるなと思われるかもしれませんが、岡山サポであるという点を割り引いても筆者は「あると思います!」

「我が予想に一片の悔いなし」です。

今回もお読みいただきありがとうございました。
次回は開幕戦のレビューです。いい試合にしましょう。

※敬称略

【自己紹介】
雉球応援人(きじたまおうえんびと)
地元のサッカー好き社会保険労務士
日常に追われる日々を送っている。

JFL時代2008シーズンからのファジアーノ岡山サポ。
得点で喜び、失点で悲しむ、単純明快なサポーターであったが、ある日「ボランチが落ちてくる」の意味が分からなかったことをきっかけに戦術に興味を持ちだす。

2018シーズン後半戦の得点力不足は自身にとっても「修行」であったが、この頃の観戦経験が現在のサッカー観に繋がっている。
レビュアー3年目に突入。今年こそ歓喜の場を描きたい。

鉄道旅(独り乗り鉄)をこよなく愛する叙情派。

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