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132の日記帳

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”消えたい”が”死にたい”になった時、私を救ってくれた言葉たち

死にたい気持ちになった時、同じように鬱々とした小説を読む。
彼らが実際に死を選ぶかどうかは問題ではない。ただ、この気持ちを静かに肯定してくれている気がして、身近で空虚な慰めよりもずっと心が軽くなる。
生きていても良いのだと思えるのだ。世界が、少し美しく思えるのだ。きっと私は生きたいのだろう。ただ、幸せになりたいのだ。

消えたいと思う時、私を救ったのは一つの檸檬であり、一反の夏の着物であった。彼ら

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探しもの

夢の中で、何かを探していた。
最初に追いかけていたのは頭にネズミをのせた虎であった。
しかし、その先に何か大切なものがある気がして必死になって虎を探し続けた。

ついぞ虎は見つからなかった。
目が覚めて、なんだか不思議な夢を見たものだと思いながらその日を生き始めた。
部屋の片付けをしていた時、ふと夢の中で私が探していたのは頭にネズミをのせた虎などではなく、今春旅立った愛犬であったと気がついた。

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月の綺麗な夜に

言葉では足りなくて
砕いた心のかけらを
口づけにのせてあなたへ贈る
月食のような時間
つめたくて、あつい
あなたの手と吐息から
私宛の思いを探す

真夜中

眠れぬ夜
消えてしまいたいと思うたび
見えない心の臓を貫く言の刃が
ぐさり、ぐさりと問いかける
なぜお前は生きているのか
何のために生きているのか
あぁ、このまま眠りが醒めなければ
あぁ、このまま夢をみたら
私は私を抱いてやれるだろうか