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期せずして聖地巡礼

ーオレとアチキの西方漫遊記(39)

東京を出て高知・四万十川、仁淀川、桂浜、高知城を巡り、兵庫・明石を経て、京都・嵐山に立ち寄った今回の旅行。奥さんが大好きなNHK大河ドラマによくよく縁がある。京都・嵯峨野巡りで乗った嵯峨野トロッコ電車(下り)の終点、トロッコ亀岡駅(京都府亀岡市)の周辺は、現在放送中のNHK大河『麒麟がくる』(※)の主人公・明智光秀が治めた亀岡城とその城下町があったところ。奥さんの快気祝いのつもりが大河の聖地巡礼にすり替わったみたいだ。期せずして、こうなったことに悔しさも湧く。

前回のお話:「景色で腹は膨れない」/これまでのお話:「INDEX

偶然のつながり

NHKオンライン

メガ盛り鰹のタタキ(※)」の民宿目当てで訪れた桂浜(高知県高知市)は、大河『龍馬伝』(主演・福山雅治)の舞台。このまま高知を後にするのがもったいない(※)という発想で立ち寄った高知城(同)は、大河『功名が辻』(主演・仲間由紀恵)に縁が深い。その上でのトロッコ亀岡駅と大河『麒麟がくる』(主演・長谷川博巳)。ここまで来ると、いつの間にやら脳内を操作されたのではないかと疑いたくなる。

"偶然"の大河つながりにご機嫌な奥さんをよそに、この大河の連鎖をこちらから仕掛けた"必然"にできなかったところが、どうにも悔しかった。ポーカーに例えると、フルハウスが完成できるのにもかかわらず、見落としてツーペアにしてしまった気分だ。もっとも、大病から快復した奥さんが今回の旅行の主役。奥さんが満足そうであれば、湧き上がる悔しさも落としどころがある。何も言わずに笑顔を返す。沈黙は金言なりだ。

嵯峨野トロッコ列車

嵯峨野トロッコ列車(嵯峨野観光鉄道嵯峨野観光線)は、乗車したトロッコ嵯峨駅(京都市右京区)からトロッコ亀岡駅まで25分程度の距離を走る。森の木々に囲まれる中、保津川を見下ろしながら通過する場所もあり、保津川下りの観光客に手を振ったり振り返してもらったりすると、とても楽しい。

鬼に扮装した関係者

途中駅で信楽焼のたぬきが迎えてくれるほか、鬼に扮装した関係者が車内にやってきて、子どもたちや若い女性観光客を狙ってちょっかいを出す。これが雰囲気の盛り上げに一役買っているようだ。この鬼はなかなか人気者らしい。駅に着くと記念撮影攻めに遭い、揉みくちゃにされていた。

敢えて黒部峡谷トロッコ電車(黒部峡谷鉄道本線)と比較すると、周囲の秘境感は物足りないものの、乗り心地などの快適感は上回っている感じ。そもそも嵯峨野のトロッコ列車は乗客用、これに対し、黒部峡谷のトロッコ電車は資材運搬用が起源。この違いがはっきり出ているとも言える。

ただ、ともに楽しい体験になったところは同じだ。(続く)

(写真〈上から順に〉:途中駅では信楽焼のたぬきたちのお出迎え=りす、大河ドラマ『麒麟がくる』で主人公・明智光秀を演じる長谷川博巳=NHKオンライン、鬼に扮した関係者がトロッコ列車の思い出づくりに一役買っている=りす)

関連リンク(前回の話):

「オレとアチキの西方漫遊記」シリーズ:


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