藤田 功博(株式会社のぞみ 代表取締役)

藤田 功博(株式会社のぞみ 代表取締役)

最近の記事

副業という戦略

「好きを仕事に」のキャッチフレーズが広がり、自分の好きなことを仕事にするにはどうしたらいいか?という質問を受けることがあります。僕の答えはシンプルで、好きなことは本業でなく副業にしたらいいと思っています。 本業にしてしまうと、きちんとお金を稼がないといけないから、稼げることしかできないし、毎月毎月、ノルマのように売上が伸しかかってしまいます。そうやってお金とのバランスをはかっていると、お金のためにやりたくないことをしなければいけません。 それよりも、どんな仕事でも良いから

    • 旅行代理店が凋落する本当の理由

      関西で街遊びに興味のある人なら誰でも知る人気の編集部で働いていたときのこと。 「藤田くん、誰かおもろいやつおらんか?」と社員さんによく聞かれました。 その編集部は当時とても人気で、求人でもすれば文字通り山積みの履歴書が届いていました。 一般的には、街でどれだけ遊んでも、クラブにどれだけ出入りしていても履歴書には載りませんから、雑誌作りに巻き込んで面白い人かどうか? は履歴書ではわからないわけです。会社の手順として旧来型の求人をしていましたが、その限界が見えていたのです。

      • 今井食堂  鯖煮といえば、の代名詞。神社に寄った後だからこその旨さがある

        
神社に行くなら朝に限ります。昨日までそこに誰が行き来したと思えない、凛とした空気。気持ちも清らかなまま参拝できるからです。観光バスが来始める時間より前に到着すれば、人も少なく、由緒をじっくり知ったり、写真を撮るにも都合良しです。京都最古の神社として知られている上賀茂神社は、いわば京都の鎮守として平安京が創建されるより前から庶民の信仰を集めていました。
 ということで気持ち高らかに訪問してみたいところですが、境内の動線はシンプルで、整った社殿は意外とコンパクト。早ければ15-

        • monk  「レストラン」を完全に超えた料理の劇場。立地も素晴らしい演出のひとつ

          穏やかでありながら耳に残る音楽を聞き、窯の中で燃え盛る薪を見ながら料理を待ちます。大原の野菜をはじめとしてその日に食べるべき材料が、見事な手際で調理され、目の前に。巧みに引き出された味の力強さ、みずみずしさが余す所なく伝わる素晴らしい料理たち。

センスの良い方なら店内に一歩入っただけで、今夜は良い夜になると直感することでしょう。空間全体の調和は料理と器にもおよび、コーディネーションのセンスに感心するばかりです。2名で行くならぜひとも予約時にカウンター席の確保を相談してみてく

          飲食店生き残りのための打ち手(2020年3月版)

          まさかの斜め上からのコロナ騒動で、飲食店の経営が厳しさを増しています。2-3月の送別会・卒業パーティーが消え、このままだと4月の行楽・花見・歓迎会需要も流れていきそうです。特に大企業を中心に、組織的に「宴会自粛」を呼びかけていますから、需要が戻るまではかなり時間がかかると読んだ方が良いでしょう。 SAKE Springにもたくさんの飲食店の方が出てくださっていることから、自分なりの企業経営を振り返って、このような緊急事態をなんとか生き抜く上でのマニュアルをまとめてみました。

          飲食店生き残りのための打ち手(2020年3月版)

          レストラン・居酒屋の改善ポイント

          ピンチをチャンスに変えていくために、お店が暇な時こそ見直しと新しい挑戦をするのに最適だと考えます。過去のコンサルティング経験から、結果が出やすいポイントを挙げていきます。ぜひ参考にしてみてください。 意外と、レストランだけでなく企業でも使える要素もあります。 1)売れ筋、死に筋の選別を行いメニューを「減らす」 不安になって増やしすぎたり、お客さんの要望を聞きすぎたりした結果、メニューがとても増えているケース。 居酒屋だからといって「冷奴」「きんぴら」「漬物」などの突き出し系

          レストラン・居酒屋の改善ポイント

          「観光公害」の是非を論じる難しさ

          京都は年中混雑するようになり、清水寺や金閣寺、伏見稲荷などの主要観光地は日本人観光客が減って結果として外国人観光客ばかりになったというのは体感的には明らかだ。記事中でインタビューを受けている大学の先生のようにこれが「問題だ」と指摘する人は多い。 そして、実際に春や秋のピーク時の交通渋滞もかなりのものなので、そういうったエリアに居住地がある方などは、公害だと嘆く声も多い。 しかし、課題に対しての対応策や有効な具体策というのは、京都のみならずほとんどの観光地で採られていないの

          「観光公害」の是非を論じる難しさ

          小売に王道なし

          音楽のセールスがCDから配信に移り変わっていく中で、音楽ファンを集め続けるタワーレコードに関する記事。読めば読むほど、特別なことをやっているのではなく、リアルな場を生かしてできることを愚直なまでに、店長や担当者自身が「いちファンとして」取り組んでいることがわかる。 インストアライブやトークショー、握手会など、あの手この手で場としての機能を高め、アーティストにとっても重要なコミニュケーションの場になるための努力が書かれている。 そして、記載内容のほとんどは、同じくコンテンツ

          技術活用のセンス 〜最新技術を何に使うか?〜

          中国の養豚場で、画像認識のAIを活用して作業の効率化を図っているのだそうだ。 「顔認識」という時点で、人間のことと思ってしまうが、むしろ、人間が目で見ても見分けがつきにくいような、動物や虫などを画像認識で分類していくのが技術活用としては面白いのだろう。今回のケースであれば個別の豚の活動状況や、厩舎内の状況を分析するとのこと。 "「ロボットが豚の顔をスキャンすると、その豚の飼育期間や体重、防疫情報などが映し出される」と説明する。" 家畜や虫であればプライバシーについてうる

          技術活用のセンス 〜最新技術を何に使うか?〜

          固定概念を見直す重要性。花火大会は夏でないといけないのか?

          そもそも論として、花火大会には、警備費用や人手不足解消のためのコストをまかなうための、収益のモデルがない。ほとんどの場所から無料で見られることができるため、花火大会をしても儲かるのはお弁当を売るコンビニなどの一部事業者と、交通機関のみだろう。近隣のレストランなどは波及需要がありそうに思うが、花火大会が全て終わってから、人混みがはけるまでの時間に滞留してしまい、回転率が悪く儲からない。 真剣に継続を考えていくのであれば、企業協賛に頼るのではなく、しっかりと有料座席を設計して、

          固定概念を見直す重要性。花火大会は夏でないといけないのか?

          高く売るための努力

          モスが高級店「プレミアム」 1500円バーガーも https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47429600X10C19A7HE6A00/ 吉野家は超特盛で業績回復を果たし、不振にあえぐモスバーガーは高級ハンバーガーに活路を見出そうとしている。 マーケットがどこまでも成長するという神話がなくなり、「ゆるやかな右肩下がり」などを想定しなければならない時代。その中で、いかに価値を感じてもらって高く売るか。1人のお客さんの単価を上げていくか、そ

          見えない未来の答えはすぐそこに

          少し前の記事になるけれど、昨夏の甲子園を沸かせて今、プロ野球日本ハムに所属している吉田輝星投手のデビュー戦に3万人を超える観客が詰めかけた。 https://www.nikkansports.com/baseball/news/201906130000644.html 期待に見事応えてプロ初登板・初勝利をあげたというのがニュースなのだが、ここで注目すべきは、この数日前の各種スポーツ新聞の記事に、球団広報からの声として「観客が3万人を超える見込み」というニュースが流れていたこ

          見えない未来の答えはすぐそこに

          利用シーンは何か? ボウリングがいつまでも生き残る理由

          東京や大阪などの都会はともかく、飲み会などの後、2次会でも行こうか?という流れになった際の選択肢は意外と少ない。特に6人とか10人とかの大きめのグループになったときはなおさらだ。 居酒屋で飲み直すか、カラオケか。 ボウリングが根強くアミューズメントとしての地位を確保しているのも、そんなシチュエーションにおける貴重な選択肢だからではないだろうか。 単体として見てみれば、時代遅れのコンテンツであっても、利用するシチュエーションがなくならない限りは生き残ることができる。裏返せば

          利用シーンは何か? ボウリングがいつまでも生き残る理由

          リモートワークこそ規律が重要

          さらっとした記事だが筆者が最も重要だと思うのは4つめの「4. 毎日同じ時間に起きるなど、1日のスケジュールを決めておく」である。リモートワークは、集中しようがサボろうが、誰も見ていないし完全に自由である。逆に言えば、真剣に仕事を取り組むこと、それを続けることは実はオフィスワークよりも難しい。 人はそれほど強く自分を律することができないからだ。 だからこそリモートワークであっても、仕事をする場所や、時間は決めておいたほうがうまくいく。特に、昼間はチャットやEメールなどが届きそ

          ビールのゆくえ 何がライバルなのか?

          スーパードライがマーケティング戦略を見直し、若者をターゲットにするというニュース。若い頃に飲んでもらえたら、生涯に渡ってファンになってくれるだろう……という狙いなのだが、果たしてそんなシンプルにうまくいくだろうか。 記事中には統計に触れられているが、スーパードライは平成元年の1989年に1億ケース(1ケースは大瓶20本換算)を初めて突破し、ピークの00年に1億9000万ケースにまで成長。ところがビール市場は縮小が進み、スーパードライも17年に1億ケースを割ったとのこと。つま

          ビールのゆくえ 何がライバルなのか?

          乱立するプラットフォームの使い分け

          アメリカ人が日本を訪れ、コーヒーを飲みたい時、日本の喫茶店ではなくスターバックスやブルーボトルを利用する傾向が強い。理由はシンプルで、母国で使い慣れていて、馴染みがあるからだ。 インターネットのプラットフォームサイトも実は同様で、海外旅行の訪問先でも、使い慣れた母国のサービスを使う傾向が強い。 たとえば、フードデリバリーを頼みたいと思った時に、日本で大手の「出前館」ではなく、UBER EATSを使うのである。 今回のニュースは、香港でシェアを持つKLOOKというサイトが

          乱立するプラットフォームの使い分け