小売に王道なし

音楽のセールスがCDから配信に移り変わっていく中で、音楽ファンを集め続けるタワーレコードに関する記事。読めば読むほど、特別なことをやっているのではなく、リアルな場を生かしてできることを愚直なまでに、店長や担当者自身が「いちファンとして」取り組んでいることがわかる。

インストアライブやトークショー、握手会など、あの手この手で場としての機能を高め、アーティストにとっても重要なコミニュケーションの場になるための努力が書かれている。

そして、記載内容のほとんどは、同じくコンテンツを扱う書店にも適用できることだろう。現在では著者を招いてのサイン会やトークショーは、ごく一部の大型書店が取り組んでいるのみで、それも出版社からのオファーがあったとき中心である。自ら積極的に、毎週のようにトークショーを仕掛けたり、ある作家のファンにとっての「聖地」になるための熱心な取り組みがあるかというと、そこまでの熱はない。

コンテンツに限らないかもしれない。スーパーでも、生産者を招いての即売会や、トークショーなどはできるはずだが、漁師や農家を売場に招いて企画をしているお店など全くと言ってよいほど見かけたことがない。

タイトルやアーティスト名が分かればすぐにネットで購入でき、ダウンロードできる時代。そんな時代にものづくり機能を持たない小売店が愛され売上を伸ばすにはどうしたらいいか? そんなヒントが詰まった記事。


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