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今井食堂  鯖煮といえば、の代名詞。神社に寄った後だからこその旨さがある


神社に行くなら朝に限ります。昨日までそこに誰が行き来したと思えない、凛とした空気。気持ちも清らかなまま参拝できるからです。観光バスが来始める時間より前に到着すれば、人も少なく、由緒をじっくり知ったり、写真を撮るにも都合良しです。京都最古の神社として知られている上賀茂神社は、いわば京都の鎮守として平安京が創建されるより前から庶民の信仰を集めていました。

ということで気持ち高らかに訪問してみたいところですが、境内の動線はシンプルで、整った社殿は意外とコンパクト。早ければ15-20分程度で一周できてしまいます。その後は近くにある「社家のお屋敷エリア」を散歩がてら見て回るのが面白いです。平安時代から存在したであろう高級住宅街。一体どんな人が住んでいるのか?今どきこんなところに暮らしている人がいるのか? と、つい考えてしまうエリアです。

で、そんな散策を終えても時間はお昼前。市内に戻ってランチも良いのですが、せっかく上賀茂まで出かけたならば、京都一の鯖煮込みはいかがでしょうか?

小さなのれんをくぐると、店内は背中合わせのカウンター、約10席のみ。いわゆる「名店のオーラ」はなく、一見どこにでもあるような食堂です。 メニューは2種、鯖煮定食とセット定食(揚げ物とミニ鯖煮)だけです。

えっ?もう? 注文を終えてスマホを取り出し、LINEを起動するのを待つ間に鯖煮定食が到着します。3日以上煮込まれた鯖は、艶を帯び、光り輝いています。お箸でつつくとさくりと崩れ、骨もそのまま食べられるほど柔らかです。一口食べるごとに、白ごはんをかきこむ時間の贅沢なこと。添えられた味噌汁や漬物までもが旨いです。

近隣の大学生やタクシー運転手が愛用する食事処であり、行列ができることもありますが、待って3分、食べて10分と回転が早いため、食べたあとのスケジュールを考えているうちに順番が来ます。

食後には、歩いてすぐの「神馬堂」で上賀茂神社名物の焼き餅も忘れずに。


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