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【精神障がい・身体障がい編】日本は障がい者にとって働きやすい国?②

皆さんこんにちわ。
前回の記事では主に知的障がいのある方々の働き方や、就職事情についての記事を書きました。

今回の記事では精神がい、身体障がいについて書いていきます。
あくまで私の実体験に基づいた話ですので全ての方がこうだよ。
という話ではありませんのでご了承下さい。


そもそも精神障がいとは?

障がい者というと、身近に障がいがある方がいない人がイメージするのが車椅子の方であったり、独り言を喋っている自閉症の方だったりすると思います。
私の働いていた施設ではうつ病や統合失調症の精神障がいを抱える方が多く在籍していました。
就労支援施設に通所しているということは比較的軽度、もしくは症状が快方に向かっている人ということです。
中には髪を染めていたり、オシャレに気を遣っていたりする方、弁が立つ方も多く一見すると障がいのある人には見えません。
国立大卒だったり元公務員の方もいます。
支援のキャリアが長い人でも精神障がいを持つ人をパッと見で見分けることはできません。
正直世間話をする程度の関りをもったとしてもわからないことが多いです。

そして日本には約586万人の精神障がい者がいると言われています。
これは人口の4.7%になります。
満員電車の山の手線の一車両には約300人が乗車しているらしいのですが単純計算するとその一車両の中には14人前後の精神障がいの方が乗車している計算になります。

気付かれることは無いけれどもとても身近な所で彼らは生活をしています。

そして私は就職をして生計を立て、自活をしていくのが最も難しいのが精神障がいを抱えた人達だと考えています。
これからその理由を述べていきます。

偏見

とても悲しい話です。
就労支援施設の支援の一環として施設外での実社会の中での就労を行うために私はコーディネーターとして就労体験先のレストランの店長と厨房内でミーティングを行いました。
店長は当然と言えば当然なのですが障がい福祉分野に明るいわけではなく、レストランに就労体験に来る人は自閉症であったり車椅子の人が来るのだと思っていたようです。
「就労体験に来る人は精神障がいの方です」と私が伝えると。
店長は「ここ包丁とか置いてあるけど大丈夫なの?」
と答えました。

店長が悪い人だとか言う話ではありません。
実際はユーモアのある善良な人です。
悪気無く多分精神障がい者の世間一般で典型的にイメージされていることをそのまま話されただけなんだと思います。

実体験で精神障がい者で他者に対して攻撃的な言動を取る人はほとんどいません。(ゼロとは言わない)
実際に精神障がい者の犯罪率は一般よりも低いということは犯罪白書で証明されています。
多くの方は人に迷惑をかけることはなく、エネルギーは内向きであると言えます。
事実を懇切丁寧に説明した結果としてその就労体験は上手く行き、店長の偏見を取り除くことができたので良しとしましょう。

好不調の波が大きい

仮にB君という人がいたとします。
B君は高校卒業後に就職をしましたが職場でいじめを受けうつ病を発症しました。
その後就労支援施設を経て工場の仕分けの仕事に就きました。

業務を行うにあたって、作業面で言うとB君のような精神障がいを持つ人とってはそれが障壁になることは少ないです。
B君は健常者と同じように仕事を教えてもらえばそれを習得することができ、臨機応変な対応も可能です。

工場の仕分け作業は、限らた人数で日々のノルマをこなさないといけないのですが、B君はすぐに仕事を覚えて同僚の信頼を勝ち得ていきました。

B君は同僚とのコミュニケーションも問題無く取れるので同僚達は時が経つにつれて彼が障がい者手帳を持つ障がい者であるということを頭ではわかってはいるのだけども段々とそのことを無意識に忘れていきます。
B君は一見すると障がい者には見えませんから。

そして思わず同僚が言ってしまったちょっとした配慮に欠ける一言でB君はダメージを負い、昔のことを思い出し、状態が悪化して突然会社に来なくなります。
そしてまた就労支援施設に戻って来るのです。
そして多くの場合生活保護を再受給することになります。
働いて辛い思いをしなくともお金が入ってくるので労働意欲は低下していきます。

障がいの有る無しに関わらずありそうな話ではありますが、業界界隈では良くある話なのです。

企業にとっては突然戦力の一人が欠けると当たり前のようにダメージを受けます。
今日本の経済状況の中で誰か1人休んでも問題無いようなシフトで運営されている余裕のある会社は少ないと思います。
経営者にとっては当然今後の採用は躊躇しますし、これからは受け入れるのは辞めておこうとなってしまいます。
経営者としては至極全うな判断で責められることではありません。

これが精神障がいを持つ人の就職の難しさの一例です。

じゃあどんな仕事が向いている?

私が思うに結論から言うとそれはギグワークです。

分かり易い例を挙げると「UBER EATS」などのフードデリバリーです。
雇用関係を結ぶこと無く、自分の好きなタイミングで好きなオファーを選んで仕事をして収入を得ることができます。
B君は調子が良い時に収入を得ることができますし、悪い時は休むことができます。
その日に決めても何の問題もありません。
思い立った時に仕事ができます。
シフトという概念はUBEREATSには存在しません。

お客さんは一期一会。
人間関係に悩むことはありません。

最近はタイミーっていうスポット派遣のような働き方もあるようです。

これもギグワークと言って良さそうです。

2020年にUBER EATSの収入で生活保護を抜け出した双極性障がいを持つ男性の記事を見ました。

私はこの記事を見て衝撃を受けました。
これまで私が日々悩み苦しみながら行ってきた就労支援はなんだったんだろうとさえ思いました。

テクノロジーって本当に凄い。

話はそれますがウーバーイーツやライドシェアはひきこもりの人を社会に参画させるツールになると私は割と本気で思っています。

日本国の就労支援の歴史と実績をアメリカの一IT企業が軽々と追い抜いて行ったと思った瞬間でした。

精神障がいをお持ちの方は何かに所属するような働き方ではなく、ギグワークのような働き方を検討してみても良いのではないでしょうか。

就労支援施設は利用者を就職かつ定着に成功すると国からの補助金が増えるので就職ではなくギグワークへの従事も対象になるのでは無いかと思い管轄の役所と交渉(バトル)しましたが見事に撃沈しました。

ガッデム前例主義!

去年訪れたネパールの義肢製作所。

身体障がい者の就職事情

私が経験を持って話せるのは肢体不自由の車椅子の方のケースです。
その他のケースは経験が無いです。

えげつない話なのですが足に障がいを持つ車椅子の方は企業側からすると人気です。
大企業には障がい者を定められた人数雇用する義務があるのですが
一番わかりやすく扱いやすいのが車椅子の方だからです。
PCを問題無く操作し、電話対応も可能です。
そして企業からするとCSR(企業の社会的責任)をアピールしやすいのです。
障がい者雇用は車椅子の方から埋まっていくというのが実状です。

最後に

二つの記事に渡って障がい者の働き方、就職事情について書いてみました。
少しでも現状を理解していただき、暮らしのヒントにしていただければ幸いです。

10年前の世界。
誰が動画配信で生計を立てたり、UberEatsのようなギグワークで収入を得る世界が来ると予想したでしょうか?

今この瞬間にも頭の良い人達が勝手に世界を変えていっています。
子を持つ親はもちろん教育関係者や障がい福祉サービスに携わる方にとって変化に適応していくこと、情報収集はマストと言って良いかもしれません。

少し前の日本ではLGBTQの人々を馬鹿にして嘲り笑うことを社会が許容していました。

保毛田保毛男さん

今これをTVでやったら完全にアウトです。
そしてここ10年~15年位でマツコさんのようなLGBTQのタレントさん達は認められ市民権を得ています。

社会は日々変革していきます。
障がいを持つ方々が偏見や差別に苦しむことの無いよう、一障害福祉サービスに携わる経営者として「明日は今日よりも良くなる」と信じ、彼等にとって何がベターなのか日々アンテナを張って提案できる人になりたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。




















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