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木賃ふくよし(芸名)
2021年7月23日 21:05
情緒、というものがある。 例えば、昭和の男子なら多く経験したであろう、好きな女子の家に電話を掛ける、ということ。 あの子の母親が、まして父親が出てしまったらどうしよう? そんな事を考えながら、胸を高鳴らせ、ダイヤルを回す。ジー、コココココ、という規則的な音がもどかしくも、急かされているようにも感じる。 それが情緒。妙味とも言うのだろうか。 齢を重ね、世の中が便利になっていくと、この情緒が
2021年7月22日 22:52
オムライス。良い響きだ。 とかく日本人は、よほど米が好きなのだろう。カレーライス。ハヤシライス。タコライス。チキンライス。バターライス。ガーリックライス。そして、オムライス。 ライスとつく料理に心を動かされる。少なくとも、私は動かされる。 近頃はパンに押され気味だが、日本人の心は、やはり米。日本の主食である。 日本の料理の多くは、米を食うために存在すると言っても過言ではない。米を食う。パ
2021年7月21日 19:17
困った。実に困った。「現世界グルメ」という思い付きで書いたネタだったのだが、実に困った。何が困ったかと言うと、ネタがないとか、そう言う話ではない。 これはあくまで筆者ではなく、1人のグルモンド(食い道楽)を登場人物とした独白形式の短編小説であり、エッセイでもコラムでもないのだ。ましてやレシピでもない。 しかも、前回は書くことが思いつかず、先日、偶然にも配信動画で「異世界グルメ」的な作品を少し
2021年7月19日 22:32
基本は、小麦粉とバターである。これが基礎。大事なのは、焦がさない事だ。 ビーフシチュー。面倒な料理だ。まず、そのカテゴリ分けからして厄介だ。 ビーフストロガノフ、ビーフシチュー、ハッシュドビーフ、ハヤシライスのルー。 これらを明確に分けていくのは困難だ。困難極まりない。いや、そもそもカテゴライズに意味はないのだ。そんなものは分類学者にでも任せておけばいい。私は、美味ければそれでいいのだ。そ