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記事一覧
【ぶんぶくちゃいな・期間限定全文無料公開】「不明白播客」仇日の時代、中国人の我われは今なにを考えるべきか?(後編)
前回に引き続き、「ニューヨーク・タイムズ」紙の中国人記者、袁莉さんが主宰するポッドキャスト「不明白播客」から、深センの日本人小学生刺殺事件を受けて急遽行われた識者の声をご紹介する。
事件から1カ月あまりがすぎ、すでにすっかり日本メディアでも事件のその後について触れられていない。現地に駐在員を置く、日本の主要メディアには大使館から「被害者周りの取材を控えるよう」よう申し出が行われていることも大きい
【ぶんぶくちゃいな・期間限定無料全文公開】「不明白播客」仇日の時代、中国人の我われは今なにを考えるべきか?(前編)
10月も終わりに入った。
みなさんは気づいておられただろうか? あの中国・深セン市で起きた、衝撃的な日本人小学生殺人事件から1カ月が経ったことを。
この間、筆者は「中国・日本人男児刺殺事件、『本当に申し訳ない』 多くの中国人が涙した“父親の手紙”の中身とは」という記事を発表したがご覧いただけただろうか。
事件からわずか1カ月なのに、あの衝撃的な事件がメディアで語られることはほぼなくなった。政
241015 【artscape寄稿】香港映画界が紡ぐ「香港人らしさ」 ──新しい香港映画の波がやってくる
すみません。お知らせが遅くなりました。美術系情報雑誌「artscape」で、香港映画の話を書きました。ここ数年、香港映画が熱い!です。
昨年もそうでしたが、今年の6月の香港滞在でも、とにかく時間を惜しんで映画館に足を向けました。待っていれば、Netflixなどのオンデマンドで観れるようになる作品もあるのですが、やはり香港の映画館で周囲の観客のどよめきを聞きながら観るのとは、「臨場感」が違うからで
【ぶんぶくちゃいな】なぜ無差別襲撃が続くのか――圧力鍋化する中国
中国人が楽しみにしてきた国慶節連休がそろそろ終わる。
いつもなら政府の定めた休みは10月1日から5日までだが、今年は5日が土曜日なので7日も休み、つまり7連休になる。ただ、その代わりに政府は9月29日の日曜日と、10月12日の土曜日を「出勤日」に定めているが、官公庁や銀行などはともかく、その辺の判断は一般の民間企業ではわりと緩くなりつつある。
自由がきく人の中には9月28日から10連休としてし
【ぶんぶくちゃいな】「不明白播客」:チベット族教育学者が語る「習近平はいかにチベット語教育を破壊しているか」
今ちょうど、日本では「中国の教育」が大きな注目を浴び、それを巡る議論が日々展開されている。
そんなとき、もう一つの「中国の教育」を巡る話題が流れてきた。このメルマガですでになんどかご紹介してきた、米紙「ニューヨーク・タイムズ」記者の袁莉さんが主宰するポッドキャスト「不明白播客」からだ。袁莉さんのご許可を得て、チベット人教育学者のギャロ氏インタビューを日本語訳してお目にかける。
今回の背景をまず
240927 「なんか友好商社についてひどい誤解が広がっている」
中国との貿易を長年担ってきた友好商社について、根拠のない憶測に基づいたあまりにひどい記事によって、誤解がまことしやかに、それも事実のように広がっています。
わたしは大学で中国語を学び、それこそ友好商社全盛(の尾っぽ)時代を知っています。そこからすると、今回の事件で初めて「友好商社」という名詞に触れ、ネットで調べて目にした情報をもとに、自分勝手な妄想を加えて書かれた「友好商社像」とそこに働く人の姿
240925 【緊急寄稿/ダイヤモンド・オンライン】中国・日本人男児刺殺事件、「本当に申し訳ない」多くの中国人が涙した“父親の手紙”の中身とは
中国深セン市で日本人学校に通っていた、10歳の男の子が正体不明の男に襲撃されて亡くなってからまる1週間が経ちました。あまりの衝撃的な事件は、日本社会だけではなく、中国人社会の中にも激しいショックをもたらしています。
ただ、事件から1週間が経ち、中国当局側からもたらされる情報はあまりにも少なく、その間日本メディアは焦点を中国における「反日教育」に絞って集中砲火を浴びせています。
中国社会では、「
【ぶんぶくちゃいな】蘇る毛沢東時代の悪夢 「次は何を奪われるのか?」
8月終わり、中国のニュースプリに「ソウ鍋売鉄」(「ソウ」は石偏に「匝」)という4文字を引用した記事が出現したとき、筆者はしばらくその文字を眺めてそのままスワイプした。
「ソウ鍋売鉄」(「ソウ」は石偏に「匝」)というのは、「鍋を叩き潰して鉄として売る」という意味だ。ここでいう「鍋」とは日本で一般的になっているアルミやステンレスのそれではなく、文字通りの中華鍋のことである。中国ならどこの家庭にもある
【ぶんぶくちゃいな】立場の秋、りんごの冬 香港メディア界の試練
今年の秋、香港では重苦しい裁判が続く。
8月29日、その始まりを示すかのように、香港区域法院はネットメディア「立場新聞」(すでに運営停止)の運営母体だったBest Pencil Hong Kong Limited(以下、ベストペンシル)と、元編集長の鍾沛権・被告とその後任を務めた林紹桐・被告の2人に対し、「刑事罪条例」に基づく「扇動刊行物公開あるいは複製共謀」容疑において有罪の判決を下した。
240831 【ダイヤモンド・オンライン寄稿】パリ五輪で中国人観客が自国選手に大ブーイング「醜いいじめ」はなぜ起きたのか?
今週からパリ・パラリンピックも始まりましたが、先に閉幕したオリンピックで注目を集めた話題を取り上げました。
16年前の北京オリンピックでは卓球の試合会場で中国人観客が自国選手の応援に夢中になりすぎて、世界中の卓球ファンの顰蹙を買ったという出来事がありました。筆者もその時初めて知ったのですが、卓球というのは本来静かな中でピンポン玉が響く音を聞きながら対戦するのが不文律なのだそうです。卓球は国技とは
240822 【ダイヤモンド・オンライン寄稿】月収205万円!投資銀行の30歳エリート女性が自殺に追い込まれた、中国金融業界の恐ろしい現状
コロナ以降、経済が急速に悪化している中国で、将来の不安や夢が破れたことへの絶望の声はちらほらと聞こえてきていたのですが、中国国有トップ投資銀行で起きたこの事件は、海千山千の人たちが雲集しているはずの金融業界で激しい感情の波を引き起こしました。
「明日は我が身」……そんな書き込みもあちこちで目にしました。2010年代以降、2000年代に急成長したテック企業よりもさらに大きな飛躍を遂げた中国金融業界