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これが本当に一生に一度の…


自分の結婚式。
人によっては一度ではない。

お葬式。これが正真正銘
一生に一度のこと。

父のお葬式は、家族葬で父の親族は叔父(父の兄)たった1人しか来なかった。当時生きていた祖母は90代。関西で遠いのと体力的にこちらに来られなかった。
いくら親子共に年を重ねても、自分の子供に先立たれる気持ちは、どんなものだろう

父に友人と呼べる人はいたのだろうか。仕事はしていなかったから、もちろん仕事仲間も来ない。お葬式は、ただでさえ静かなのに、少人数で本当にひっそりとしていて、これはリハーサルなんじゃないかと疑った

救われたのは、父の顔が本当に穏やかだったこと。生きている時よりも穏やかで人生でやる事やって

「あースッキリしたっ♪」

そんな顔してて私は思わず笑ってしまった

「本当に申し訳なかった……」

父は母に対して頭を下げて謝ったそう。
それを聞いて母も嬉しそうに笑っていた

「えぇ?そんな事言ってるの?」

なんて言いながら。ホントに「視える」というか感じとる人はいる。母の友人で、視える人が父の気持ちを母に伝えてくれました。

「あのぅ……私たちには……?」

兄と私で顔を見合せてこれもまた笑ってしまった。けどまぁ、いいんです。今までの壮絶な家族のドラマ。きっと母にまとめて謝ったに違いない。

母へのDVや他にも沢山の問題。本当に全部ドぎつかった。私が5.6才くらいの時、
一家での夜逃げ。東京から関西の父の田舎に逃げて一時過ごした。「東京から来た奴」ってことで苛められた。大人の先生までも……私にいい顔しなかった。他には……はい。沢山ありすぎて書ききれません。

これって壮絶あるあるかもしれません。私は子供の頃の記憶が飛び飛びで。小学生。中学生。高校生。家の中での食事風景。何食べて生きてきたのか思い出せません。お風呂に入ったことも。布団に入って眠ったことも。

お金の問題。
父が自己破産をしてからは、母、兄、私は実態のない会社の代表になりすましてお金を借りる。上手くやらないと容赦なく怒鳴られた。もちろん返済できず私達も自己破産。それぞれの時代に、母の次は兄、兄の次は私、みな同じ道を辿った。

ああ……私って何で、今此処にいて生きているのだろう。死んでいてもおかしくはなかった。今までのこと全て一瞬の「夢」みたい。やはり何かに護られて生かされているのだろうか。すべてが嘘で、すべてが本当のこの世界。きっと魂の約束があって、シナリオ通りに出逢うべき人が決まってて……「神芝居」のようなこの世界で私にはまだ体験したい事が山ほどあるに違いない。


三途の川を渡るときの渡し賃。六文銭を父に持たせてあげた時、ちょっと心配になった。

「迷わずお逝き!間違ってもまたカネ借りにこっちに戻ってくるんじゃないよ!
それに父ちゃん!多分あの世はキャッシュオンリーだと思うよ!」

時代は変わった。
今ではあの世でもクレジットカードやらPayPayやら使えるようになっているかもしれない。










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