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授業中に「道産子ギャルはなまらめんこい」を読むという自傷行為がやめられない20歳男性

本当にぼくは親不孝者なので、バカ高い学費を払って受講する権利を得た大学の授業時間を湯水のように無駄遣いしている。

そして最近覚えた無駄遣いの仕方が、授業中にジャンププラスで漫画を読むことだ。ジャンププラスはすごい。タダで読める漫画の数が多すぎる。別の漫画アプリで1日4話ずつ釣りバカ日誌を読むのが生きがいだった頃にはもう戻れない。1度揖保乃糸の味を覚えると、トップバリューのそうめんは食べられなくなる。

チェンソーマンやら怪獣8号やらスパイファミリーやらの話題作を全て読み尽くし、辿り着いた果てが「道産子ギャルはなまらめんこい」である。

前にも書いたが、ぼくは実体のギャルに対してトラウマがある。しかし概念としてのギャル、記号化されたギャルはむしろ好きだ。そういう面倒くさい男なので、「オタクに優しいギャル」のテンプレをなぞった漫画はとりあえず読んでしまう。

まあタイトルから想像がつく内容の漫画だ。東京から北海道に転校してきた主人公と北海道育ちのギャルとのラブコメである。

これが毎話読み終わるたびに反吐が出るほど辛く、痰が絡んだおじさんみたいな顔になってしまうのだが、それが癖になって読むのをやめられない。いくら青春コンプレックスを引きずっているとはいえ、おいらもさすがにハタチなので、大抵の学園青春モノはもう大丈夫になってきたのだが、道産子ギャルだけは本当にアレルギーが出る。

主人公の四季翼(しきつばさ)はとにかくモテる。常に女を引き連れ、男友達はほぼいない。こいつの存在が問題なのだ。四季翼は、母親の育てかたに問題があったため、若干世間知らずな所はあるが誠実なやつで、顔もよい、さらに水泳(全国レベル)や茶道などを嗜んでいる。欠点がなく、そりゃモテるよなという感じなのである。

こちらからすれば、モテるべくしてモテる人間が順当に女にモテているのを見せつけられているだけなのだ。

これではぼくたち根暗ボーイズは救われない。現実から逃避して来た先でただ現実を見せられている。「おれにもこんな青春があったかもしれない」がないので、普通に辛い。

さらによくないのが、正ヒロイン冬木美波の頭のイカレ具合である。

雪かきを手伝ってくれた主人公を家に招き海パンを履かせて風呂場に放り込んだと思えば自らもめちゃめちゃエロいビキニを着用し乱入、巨大なおっぱいを主人公の背中に押し当てながら「お背中流しますね〜♡」みたいなことを平気でやる。こんなのエロ漫画でも捻りがなさすぎる。

検証したところ、おっぱいは押し当てていなかった

グイグイ来るギャルが好きだと言ったかもしれないが、こんな痴女は注文してない。陰キャはただでさえ女慣れしていないのだから、ゆっくりゆっくりギャルを浸透させていってほしいのに、いきなり熱湯風呂に入れられたような気持ちになる。

ここまでくるとこちらもおかしくなっているので、夢と現実の区別がつかずに「モテる人って、こういうことが日常茶飯事なのか……?」と錯覚してくるが、多分そんなことはないと思う。

そんなに文句を言うなら読まなければいいと思うかもしれないが、これが癖になってやめられないのだ。ある種の自傷行為である。いつになったら青春コンプレックスがなくなるのだろうか、あるいはずっとこのままなのかもしれない。ゾッとする。


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