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企業理念の浸透 #176 インターナルブランディング

人が一人で成せる事には限界があります。
そのために同じ目的を持った人たちで構成するのが組織であり、その典型が企業です。

経済学者のC.I.バーナード氏は、組織をシステムとして定義し、「意識的に調整された2人またはそれ以上の人々の活動や諸力のシステム」としました。

そして、その成立のための条件として組織の三要素を示しております。

① 組織目的
参画する個々が、目的を共有していること。

② 貢献意欲
参画する個々が、組織の目的を達成するために、貢献しようとする意欲を持つこと。

③ 情報共有
参画する個々が、目的は当然ながら、常に適正な情報を共有すべくコミュニケーションがとれること。

企業であれば、その目的は、理念に該当します。
企業理念を共有して、その実現に向けて個々の貢献意欲を高めることが、企業の発展のために重要となります。

企業によって経営理念は異なります。
例えば、最近は、パーパス(Purpose)とする企業が増えてきました。
そもそも企業とは、社会や顧客から必要とされる存在でなければなりません。
その意味でも、その存在意義を明文化させた企業の志がパーパスであると言えます。

私が経営する企業では、企業理念を、実現すべき目標(Vision)、実現するために遂行すべきこと(Mission)、遂行するための価値観(Value)で建て付けております。

ビジョン
社会における存在意義を高め〝サステナブル企業〟を目指します

ミッション
現在だけでなく未来を考えた 配管の開発と供給を通して 信頼あるライフラインの構築をご提案します

ミッション プランド

バリュー
私たちは ビジョンの実現に向けて〝誠実〟に ミッション遂行に取り組みます

最も大切にしていることは、遂行するための価値観であるバリューです。
もちろん、ビジョンやミッションも重要です。
しかし、それらの全ての根源は、バリューにあると考えているからです。

実際に、その企業で働いているからといって、
すべての社員が共通の価値観を持っているとはいえないのが現実です。

具体的には、ミッションを遂行する上で、価値観が低かったり、時代に合っていなければ、共有したところで、貢献意欲など高まる訳がありません。
また、企業理念が素晴らしいものであっても、受け入れるべき組織が硬直化し、社員が保守的になり、チャレンジ意欲を失っている状態ならば意味がありません。

しかし、人が一人で成せる事には限界があります。
そのために社員たちと同じ価値観を持ってビジョンの実現に取り組む必要があるのです。

インターナルブランディングという考えがあります。
ブランディングとは、企業が顧客・消費者、つまり社外に向けて行うものです。
対して、インターナルブランディング(インナーブランディング)とは、企業の社内、社員に向けて行う活動です。

実際に、社員に対して、経営理念の背景にあるものを正しく理解してもらうための情報共有の機会として、経営理念勉強会を実施して来ました。
経営者である私が全社員を対象に、1回5〜10人で毎年1回行って来ました。
また、また、社員との1対1の面談である「1on1ミーティング」を実施して来ました。

しかしながら、課題も見えて来ました。
インターナルブランディングの活動を私一人が実施してきたために、幹部職や管理職クラスに当事者意識を持たせることが出来ていませんでした。

社員からも私をダイレクトに見てしまう傾向がありました。
これは、フラット組織であれば望ましいことかもしれませんが、当社の組織形態とは異なりますので良い状態ではありません。

そこで現在の私のインターナルブランディング活動は、幹部職や管理職クラスまでに止めています。
そこから先は、私ではなく、幹部職や管理職に任せています。

今後も組織の三要素を常に最適化させるための取り組みとして、状況を見ながら最善のインターナルブランディングを継続して行きたいと思います。

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