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これからのmarisの福祉機器デザインについて[なぜ介護ではなく自立する世界を目指すのか?]②

-自立する世界をなぜ目指すのか? -


自立機器をやっていく

日本が介護一色の中
なぜ自立する世界を
より考えていかねばならないと
思ったのか?
その辺りを少し記載させていただきます。


母が自分で動いている姿をみて

最初のきっかけは、
車でした。
トヨタのラウムという
福祉車両の設定がある車と出会ったです。
通常、下半身麻痺などの方が
車を自分で運転したい場合は、
手だけで運転する補助装置をつけます。
ニッシンさんなどが出している手動装置になります。
もちろんこれを発売している
ニッシンさんなどは素晴らしいと思います。
ただ、後付け感もあるので、
社内は、少々乱雑な感じがしてしまいます。
しかし、このラウムでは、
その補助装置もトヨタがラウムの車内デザインに
溶け込む感じで設置されています。
後付け感はありません。
また、車椅子も自分で収納できる機構が
とりつけられているのです。
これが重要なところで、
車椅子も自分で収納できる機構が、
トヨタが直接販売する車両に後から改造なしについてくる。
結構画期的ではないかと思います。
ラウムという車両は、小型ハッチバックですが、
後部座席が、スライドドアのため、
スイッチ一つで自動で開けられて、
そのうしろに車椅子をいれることができます。
この機構全体や、
設定車両をみたときに、
こんなに自立して運転することを考えられた車両はないと思いました。
何よりデザインも元々のラウムと外観も内装もほとんどかわらない。
私は見た目のデザインも福祉機器には重要だと思っています。
そして、この車両を使うことで、
母は、自分だけで車で出かけることができるようになりました。
これを設計した方は、
自立して障がい者が動くと言うことを
よくこんなに考えたなと思いますし、
トヨタもよくこのような車両を出したなと思いました。
やはりこのときの衝撃、
そして、ラウムに助けられたという思いがあるのだと思います。
そして、その後、このラウムはなくなりました。
そして、二度と、トヨタが直接、手がけた
ラウムのような
自立して運転できる(車椅子収納も含めて)車両は
発売されることはありませんでした。
そして、介護車両一色になりました。
これは介護保険が、でてからその傾向になったと私は思っています。
私もはっきりどこからかというのはわからないのですが、
介護保険ができてから、徐々に減ってきて、
気づいたときには、
ほとんど介護機器ばかりになっていたと思います。
気づけば、国際福祉機器展に行っても、介護ばかり。
大学院のときに自立できる福祉機器を研究してきて、
母の姿もみて、なんとか自分でできる機器を考えたいと思う中で、
世間が介護機器ばかりの状態になってきたときに、
違和感と不安しかなかったです。
私も介護をする人が
かなり疲弊するのはわかっていましたし、
それを他人がサービスを使ってやるにしても、
限界があるし、
もう少し選択肢として、
自立という部分も伸ばしていくべきなのではないだろうか?
という思いに徐々になっていった覚えがあります。
私としては、引き続き自分の考えをこのような場で
述べさせていただくと共に、
自分自身も自立機器を考えるのに苦慮していきたいと思っています。


自分がなぜ自立機器を考えたいのか?

今回改めて書いてみて、
自分がなぜ自立機器を考えたいのか?
振り返りになりました。
恐らく上記のラウムのような
見た目も溶け込んだ自立機器が自分の中で理想なのだと思います。
よく視覚障がい者の方にも
見た目かっこいいの作ってよ!と言っていただきます。
目指したいと思います!

最後に

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