和田@自立×福祉機器

マリスCEO|介護ではなく自立を創造する福祉機器開発| 九工大発ベンチャー|製品化技術…

和田@自立×福祉機器

マリスCEO|介護ではなく自立を創造する福祉機器開発| 九工大発ベンチャー|製品化技術で世界一|product orchestrator|AI導入サポート|経歴:日立 → ソニー → マリス| 大学で講師|SONY SSAP 京セラ賞、LIFE CO-LAB.優秀賞

最近の記事

マイコンの歴史

- 世界のマイコンと日本のマイコン - マイコンとはマイクロコントローラー(マイコン)は、一つのICチップにCPU以外にもRAM、ROM、I/Oポートなどを内蔵し、小規模ながら独立して機能するコンピュータシステムを形成します。このnoteでは、マイコンの発展史と、それが世界および日本の技術進化にどのように寄与してきたのかを探ります。 1.マイコンの誕生 マイコンの歴史は1960年代に遡ります。最初のマイコンは1971年にインテルが開発した4004で、これは一般消費者向け

    • 日本のx86アーキテクチャCPU開発の歴史

      - 日本の世界における立ち位置 - 日本のx86アーキテクチャへの取り組み1980年代から1990年代にかけて、日本はx86アーキテクチャのCPU開発において一定の存在感を示していました。日本の大手電機メーカー数社がIntelやAMDと競合しつつ、自社製のx86互換CPUを開発・販売していたのです。当時、富士通やNECなどの大手電機メーカーが、自社製のx86互換CPUを開発しており、これらは特に日本国内で広く使われました。これには、富士通の「FM Towns」シリーズやNE

      • 世界のCPU(半導体)の状況

        - 日本の現状 - 半導体の世界の現状世界各国が激しく競い合うCPU市場において、中国が急速にその存在感を増しています。一方で、日本はどのような位置にいるのでしょうか。このnoteでは、世界と日本のCPU業界の現状について深掘りします。 1.パソコン等のCPU市場の全体像 かつてはIntelが市場を牽引していましたが、近年ではAMDなどの競争企業も力を付け、激しい市場競争が繰り広げられています。特に中国は、国家を挙げての支援のもと、独自のCPU開発を進め、その性能も年々

        • SMART原則はプロジェクト管理とデザイン思考の重要な役割を担う

          - 目標を明確にする - プロジェクト管理とデザイン思考との関係SMART原則はプロジェクト管理とデザイン思考の両方において重要な役割を担います。これらの原則はプロジェクトの目標を明確にし、実現可能で具体的な計画を立てるのに役立ちます。また、デザイン思考のプロセスにおいては、創造的な解決策を生み出し、それを実行に移すための基盤となる目標を定義するのに使用されます。ここでは、SMART原則のプロジェクトへの適用とデザイン思考との関係についてさらに詳しく説明します。 1.SM

          デザイン思考の目標設定で重要なSMART原則

          - SMART原則の考え方 - SMART原則とはSMART原則は、目標設定のためのフレームワークとして、1970年代にジョージ・T・ドランによって提唱されました。ドランは、『Management Review』誌1979年11月号の記事「There's a S.M.A.R.T. way to write management's goals and objectives」でこの概念を初めて紹介しました。彼の提案するSMARTとは、目標(Objectives)を設定する際に

          デザイン思考の目標設定で重要なSMART原則

          デザイン思考で進めるプロジェクトマネジメント

          - プロジェクト推進で必要な目標設定 - プロジェクトを成功に導く目標設定デザイン思考は、ユーザー中心の問題解決プロセスとして広く知られています。しかし、その応用範囲は、製品やサービスの設計に留まらず、プロジェクトマネジメントにおいても非常に有効です。特に、プロジェクト推進においては、明確な目標設定が成功の鍵となります。このnoteでは、デザイン思考のプロセスをプロジェクトマネジメントに応用し、効果的な目標設定を行う方法について探求します。 1.デザイン思考の基本 デザ

          デザイン思考で進めるプロジェクトマネジメント

          デザイン思考の問題の明確化から目標設定の例

          - 問題の本質を明確にして目標設定を行う - 問題理解と目標設定への転換デザイン思考は、単に新しい製品やサービスをデザインする手法以上のものです。それは、深い洞察からイノベーションを生み出すプロセスです。このプロセスは、問題の本質を明確にし、それを解決するための具体的な目標設定に焦点を当てています。以下の内容は、デザイン思考における本質的な問題理解と目標設定への転換について説明します。 1.問題の本質の明確化 問題の本質を明確にすることは、表面的な問題点ではなく、その背

          デザイン思考の問題の明確化から目標設定の例

          デザイン思考の定義から目標設定

          - 問題の本質を明確にして目標設定を行う - 問題の定義から目標設定デザイン思考は、イノベーションを生み出すためのプロセスです。このアプローチは、ビジネスの様々な課題に対しても適用可能で、単に製品やサービスのデザインに留まらない広範な活用が可能です。デザイン思考の核心は、問題の本質を理解し、それに対して最も効果的な解決策を見出すことにあります。 1.問題定義の重要性 問題定義は、デザイン思考プロセスの初期段階に位置します。ここでは、表面的な問題点を超えて、問題の根本的な

          デザイン思考の定義から目標設定

          デザイン思考「問題定義」の例

          - プロセスの1つ「問題定義」の書き方と例 - 問題の定義の仕方デザイン思考における問題定義のステップは、解決すべき本質的な問題を明確にすることが目的です。これにより、創造的なアイデアが生まれやすい土壌を整えます。「〜するにはどうしたら良いか?」という問いかけは、解決策を見つけるための具体的な出発点を提供します。今回は、効果的な問題定義のための具体的なアプローチを説明します。 1.ユーザーの体験を中心に置く 「ユーザーが〜したいときに、どうしたらもっと簡単に/効果的にで

          デザイン思考「問題定義」の例

          デザイン思考の問題定義の仕方

          - 共感したあとの問題の定義について - 共感から始まる問題定義デザイン思考のプロセスの中の序盤である「問題定義」は非常に重要です。デザイン思考は、新しい解決策を生み出すプロセスであり、そのスタートは「正しい問題の定義」から始まります。デザイン思考のプロセスは、ユーザーの観点から問題を理解し、共感することから始まります。しかし、共感だけでは不十分です。共感を通じて得た洞察をもとに、実際に解決すべき「問題」を定義する必要があります。この段階では、表面的な問題ではなく、根本的な

          デザイン思考の問題定義の仕方

          スタートアップと組立工場を繋げるのはコーディネーター

          - 効率を第一に考えてきた日本メーカーのやり方を信じるべき - イノベーションの加速にはコーディネーターが不可欠現代の製造業界では、イノベーションの速度が市場の成功を左右します。この迅速な変化を支えるためには、スタートアップ界隈には、革新的なアイデアと技術を持ち合わせながらも、製品化に至るプロセスの複雑さや、量産の難しさに直面している企業が数多く存在します。これらの課題に対処するためには、試作品の開発から量産に至るまで、緻密な計画と実行が求められます。ここで極めて重要な役割

          スタートアップと組立工場を繋げるのはコーディネーター

          エコシステムを形成するにはコーディネーターが必須

          - 対等な立場で仕事をするために - 日本経済の柱になるエコシステムの形成日本経済の未来を考えるとき、私たちは大企業の復活や、大企業を中心とした日本の立て直しを目指すのではなく、技術革新と地方創生に目を向けるべきだと強く感じています。その鍵を握るのが、エコシステムの形成です。 1.日本の技術革新とエコシステム 日本はかつて、技術大国として世界をリードしてきました。しかし、失われた30年の間に、大企業は衰退し、世界市場での競争力を失ってしまいました。現在必要なのは、大企業

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          イノベーションとは世界初の研究室技術をもってきて製品化することではない

          - イノベーションとは? - 今日は、「イノベーションとは何か?」というテーマでお話ししたいと思います。イノベーションという言葉は、スタートアップから大企業、ベンチャーキャピタルまで、多くのビジネスシーンで使われています。しかし、本当のイノベーションの意味を理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。 1.イノベーションの誤解 多くの人がイノベーションを「世界初の技術を開発し、それを製品化すること」と勘違いしています。しかし、イノベーションは単に技術革新だけを指す

          イノベーションとは世界初の研究室技術をもってきて製品化することではない

          デザイン思考のペルソナの立て方

          - デザイン思考プロセスの中核 - デザイン思考とは まず毎回ですが、デザイン思考について簡単に触れておきます。デザイン思考は、単にデザインに関する思考ではなく、イノベーションを生み出すための手順です。ビジネスの多様な場面で応用可能な、試行錯誤とPoC(Proof of Concept)を通じて問題を解決するための方法論です。 1.ペルソナとは ペルソナは、マーケティングやデザイン思考において、製品やサービスの典型的なユーザー像を指します。この架空の人物像を設定するこ

          デザイン思考のペルソナの立て方

          量産化技術の重要性 - ベンチャー界隈での誤解

          - A.L.I. Technologies破産で学ぶこと - 今一度、量産化技術の重要性に気づくべき 今日は、量産化技術の重要性についてお話ししたいと思います。最近の破産事例を振り返りながら、なぜベンチャー企業が量産化技術を理解する必要があるのか、その重要性を探求してみましょう。 1.過去の事例から学ぶ A.L.I Technologiesや以前のランドロイドのような破産事例は、新しいアイデアや製品を市場に導入する過程で見られる悲しい現実です。彼らは素晴らしいコンセプ

          量産化技術の重要性 - ベンチャー界隈での誤解

          製品化の重要性 - A.L.I. Technologies破産を受けて思うこと

          - お客様第一の製品開発 - 日本メーカーの製品化プロセスは本当にVCが言うようにやりすぎ? 今日は、製品化における重要性についてお話ししましょう。A.L.I. Technologiesの破産を受けて、再び強調されるべきテーマです。製品化とは、製品開発の中でも極めて重要なフェーズであり、その重要性を理解し、実践することがビジネスの成功に不可欠です。 1.製品化の本質 製品化とは、アイデアやコンセプトから具体的な製品への移行のプロセスです。これは製品の設計、製造、テスト

          製品化の重要性 - A.L.I. Technologies破産を受けて思うこと