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福祉機器デザインについて②[考え方の基本]

-福祉機器に関しての我々の考え方 -


福祉機器の現場で何が起こっているのか?

福祉機器が出ては消え、出ては消え、、、
という状況が起こっていますが、
何が起こっているのか?
失敗する場合をみつつ、
福祉機器に対する
我々の考え方をお話したいと思います。


どのように失敗するのか

福祉機器の現場で何が起こっているのか?
みなさん健常者用の技術や機器があり、
そこから福祉機器に何か転用できないか?と思って考え、
その案を障害者や障害者団体に持ってきます。
その考えは素晴らしいと思いますし、
尊敬に値すると思います。
ただ、我々の考えるプロセスからすると、
「技術選定」が最初になってしまいます。
下記図でいうと③から入ることになります。
そうすると、障害者にとって、
使いにくい点だったり、
足りない点がいっぱいあって、
それを指摘されてしまいます。
それを全部受け入れて、
機器とすると当初考えていたプロジェクトのお金だったり、
プロジェクトの期間だったりと合わなくなって
プロジェクト自体が消えてしまう、、、
と言うのがほとんどになります。

では、その機器をそのままだしたとしたら、、、
どうなるか?
技術から入った福祉機器は、
障害者にとって、
不自由を強いられる別の制約が必ず出てきます。
障害者は元々制約を強いられているため、
1つの障害者代行されて助かっても、
別の制約がでてきたら
それは新たな障害が増えるのと同じになってしまいます。


福祉機器の考え方の基本

我々は福祉機器を考えるのに
必ず下記の手順を守って考案していきます。

① 障害者からニーズを深く調査する。

必ず障害者、障害者団体のところにいき、
何が困っているか?
どういう場面でどういう事故が起こったか?
もしアイデアがあるならそれについてどう思うか?
を確認を行う。

② 障害者機器を考案する。

当事者から聞いたニーズを元に
サポートする機器のアイデアを出す。
ここの時点では技術は考える必要は無く、
何が当事者にとって最善か?を第一に考える。

③ 機器に必要な技術選定を行う。

機器のアイデアを技術でどのように実現するかを考える。
ローテク、ハイテク関係なく、
その機器を実現するのに最適な技術を選定する。

④ 健常者向け機器を考案する。

福祉機器は、コストが高いです。
販売価格も高くなります。
そのため、障害者機器から健常者機器に
展開することを考えてビジネスを行います。
そして、コストを下げて販売価格を下げて
障害者に還元する方法を考えます。

見た目のデザインは必ずかっこいい物を考える

これも福祉機器としてというよりも、
機器設計として当たり前ですが、
見た目のデザインは、
むしろ健常者の人がみてもかっこよいと思える物を
障がい者の方々も望んでいます。
これを考慮してデザインしていく必要があります。


機器デザインとして当たり前のプロセス

前回に引き続き福祉機器デザインについて記載しました。
当たり前のように思えることが
ほとんど出来ていなかったりすることが現状です。
また、考えるときに、どうしても障がい者の方々の事を思ってプロセスがおろそかになる場合はあります。
その場合に基本に立ち戻ってもう一度考える必要があると思います。

最後に

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