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戦争と平和の間を往来しながら進歩する

 「仕事」…それ様々な定義や意味がありますが、もし「需給」と「名利」を基準にすれば、自分はまだ仕事が無い人間です。そしてそれはこれからも当分続くことでしょう。更には、もしかすると、生涯に亘って無職のままという破滅的な人生を送る可能性を常に抱え続けます。

 今月、自分は父の精神的・経済的・学術的な支援により、遂に以下の拙作を発売することが出来ました。

 そして本日の午後、遂に以下の文献資料の研究を完了させ、以下の拙作の完結に向けて、今晩執筆を再開します。

 ですが、恐らく最新の拙作も、そして次回の拙作もまた、これまでの拙作と同様に、一冊も売れない運命を辿ることでしょう。いいや、もしかすると、自分が生きている間に執筆する全ての拙作は、全て一冊も売れること無く、そして歴史に埋もれるかもしれません。

 そんな可能性を抱えながらも、そしてたとえその予見が正しく、つまり天がそう定めたとしても、自分は決して志を枉げることも棄てることもせずに初志貫徹します。そして正に本日、研究を完了して、色々深く悩んでいた自分を猛烈に叱咤激励して、志を大いに高く深くした一つの本の表紙を見つけました。

 戦争で不治の重傷を負い、そして愛する大切な戦友を永遠に失い、ずっと孤独に悲しんでは苦しみ続ける元軍人さん…自分以外誰一人も居らず、そして周囲がいかなる美しい光景に綺麗な空気や本当の平和があっても、その悲しみは尽きる事無く、その苦しみも途絶える事無く、その傷は決して完治する事無く…それが正に今の「自分」(Nguyễn Hoài Minh)です。

 80年前の1943年、自分は後に最愛の同志にして生涯の心友である「Thanh Bình Dũng」と出会いました。まだ約13歳前後であった私達二人は、約二年掛けて友情を育み、1945年8月に、北部で深刻な食糧不足と飢死が続く中でを何とか生き延びて、八月革命という祖国の歴史的・民族的な転機に参加しました。

 その後、祖国の独立の為に、里親と色んな里子達と共同生活を送り、里親からの深い愛情を頂きながら、国語に、人間性・革命精神・民族意識・愛国心等を常に教わり、毎日皆で共に学びました。その後、1946年12月、16歳で皆と共に、祖国の独立と自由を勝ち取る為に、決死の覚悟で民兵となり、銃器を以て、圧倒的な不利の中で、圧倒的優勢を誇るフランス軍に抗戦しました。

 そして、人生で初めて殺人と死別を経験し、その経験を長年に亘って数多く積み重ね続けてた結果、遂に祖国の独立を確保する「ディエンビエンフーの戦い」での決定的な勝利に、同志ズンと共に貢献する一員となりました、数多くの戦友達との死別を経て。

 その後は、祖国の南北統一の為に、同志ズンと共に自らの意志で独自の手段で極秘に潜入・移住・諜報等を行い、そして長年に亘って数多くの激戦を生き延びました。

 そして1969年10月末、「ドゥック・ラップ」への極秘進攻・奇襲作戦の失敗の際に、自分の最愛の同志にして生涯の心友のズンは、退却する仲間達を助けるために自分の犠牲にして負傷し、そして手榴弾で爆殺されました。

 その後、数多くの激戦を生き延び続けた自分は、遂に祖国の南北統一に貢献し、その瞬間をサイゴン市にて一兵士として熱烈に歓喜と感涙しながら目撃しました。

 1975年4月30日、その日の午後から、自分は生き天国と幸福の絶頂から徐々に生き地獄と苦痛の日々を送りました。それは言い換えれば、美しくて立派な虚構を誠に見破って、厳酷で残忍な真実と向き合った日々でした。そして自分の人生の最後は、自分が早死するように自身を呪いつつ、その死がこよなく愛する祖国に貢献して、死後に同志ズンに会えることを願いつつ、「フールオン山」(Phú Lương)に向かって自分が自殺する場所を探し求めて、最期は、「ザーカオ」(Giá Cao)という地で苦しんでいた農民の一家を救う為に、自ら包丁で自分の首を切って死にました。

 という人生の記憶と別人格「Nguyễn Hoài Minh」が、著者の現実の人生と本人格『LVN』に存在します。
 実存と本質はどうであれ、上記の墓前の兵士のように、自分は、戦争で不治の重傷を負い、そして愛する大切な戦友を永遠に失い、ずっと孤独に悲しんでは苦しみ続ける元軍人さん…自分以外誰一人も居らず、そして周囲がいかなる美しい光景に綺麗な空気や本当の平和があっても、その悲しみは尽きる事無く、その苦しみも途絶える事無く、その傷は決して完治する事無く、生き続けます。
 ですが、これこそが、自分が自分の意志に基づいて決定したことであり、志であり、人生の生甲斐・意義・幸福です。それは「愛する」という、極めて辛くて苦しく、そして幸せな道を選んだ、深刻で危険な代償であり、そして偉大な結実です。
 今執筆中の戦争小説の拙作『根性』は、そんな「愛する」、つまり、同志ズンに対する思慕・敬慕・愛慕等、彼が自分と共に創った想い出・友情・盟約・絆、そして彼の遺訓・遺志・遺愛・遺徳等を込めて完成させては出版する最初の作品です。

 自分の仕事は「哲学・思想の創造」であり、また「修身・愛国の実践」であり、そして「執筆・文芸」です。その仕事の原理は「道・徳・仁・知」であり、そして「愛する」を初志貫徹することです。
 上記の写真の兵士のように、自分の世界と人生は、あたかも墓場の前で泣き続けては、墓場の前で一人で居続けて、墓場の前で追慕しながら孤独に奮励努力するようなものです。自分以外誰一人も居らず、誰一人も来ない墓場で、誰一人にも知られない墓場で、独り悲しく学んでは挑み続けるのです。そんな、実に愚かで、危くて、惨めで、悲しい選択肢・立志・決行・人生を、自分は至誠を以て貫き通します。そして、幸せになります。

 同志ズンよ、天に向かって告げよう!俺は弟貴を心の底から誠に愛しているぞ!もうすぐ、最初の俺達の作品が完成するぞ、だから共に頑張ろうな!

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