見出し画像

ほたる

ぼくの住んでいる街の近くにこの時期になると夜、森のなかをたくさんの人たちが朝のラッシュ時のように人が集まる場所がある。
ほたるを見るためだ。
きれいなほたるの灯を見ようとあちらこちらから人がくる。

ここほたるのいるところはどこの駅からも30分以上歩かないといけないところ。
交通の便の悪いところだ。

住宅開発会社はこのほたるの生息地すぐ近くに住宅を造ろうとしている。
ぼくの街のほたるの生息地の一部を住宅開発しようとしている。

本当に新たな住宅地が必要なのだろうか?

もしかしたらほたるが住めなくなるかもしれないようなものかもしれない。
自然を壊すほどの大規模なものなのかもしれない。
ほたるの住むところのほんの少しなら壊してもいいのか?
全く壊してはいけないのか?
半分なら壊してもいいのか?

人はどこまで自然を新たに壊し開発をしようとしているのか?

駅前で署名活動をやっていた。
この署名を求める人のなかにこんなことをいっていた人がいた。
新しい街に人は住むだろう。
古くなれば交通の便利な場所へと人は行く。
この場所を開発すればいずれゴーストタウンになるのでは。
住宅開発業者は道路学校を造らない。
街は道路学校をぼくたちの税金で造る。
と。

その後この場所での住宅開発の話はどうなったのだろう。
ぼくたちはここでほたるをもう見ることができないのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?